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2025年3月5日水曜日

遺物が特別に隣接する事例の発見

 Discovery of a case where artifacts are particularly adjacent


In the test grid of the shell layer on the north slope of the Ariyoshi Kita Shell Mound, I discovered a "case where artifacts are particularly adjacent" that is assumed to be significant, so I will make a note of it. A wild boar maxilla, a deer bone piercing tool, and a fish hook made of marine animal bone were excavated in close proximity. This is an event that would not have been discovered without a 3D database.


有吉北貝塚北斜面貝層のテストグリッドで、意味があると想定される「遺物が特別に隣接する事例」を発見しましたので、メモします。イノシシ上顎骨、鹿骨製刺突具、海獣骨製釣針が至近距離から出土しています。3Dデータベースがなければ発見できない事象です。

1 遺物が特別に隣接する事例


遺物が特別に隣接する事例

テストグリッドの分層貝層上部から、aイノシシ上顎骨、b鹿骨製刺突具、c海獣骨製釣針がそれぞれ30㎝以内の距離で出土しています。

イノシシ顎骨は貝層斜面で祭祀で使われたと以前から想定しています。

この事例だけでは、3つの遺物の隣接性が単なる偶然であるのか、意味があるのかは判定できません。今後類似事例が多数判明すると予想されるので、事例を多数収集してからその意味を考察することにします。

2 3Dデータベースでないと分析できない事象

遺物隣接性(㎝単位での)の分析は遺物3Dデータベースがなければ不可能です。今回の事例(aイノシシ上顎骨、b鹿骨製刺突具、c海獣骨製釣針の隣接性)発見により遺物3Dデータベースの価値の一端を確認できました。


2022年11月19日土曜日

新しい「ヤルコト」の発見

 Discovery of new "activities"


All of a sudden, I came up with three ways to use the relic distribution map. Overlay analysis, multivariate analysis and Blender automatic plotting of the results. I would like to enjoy it as an intellectual play.


有吉北貝塚北斜面貝層の遺物出土分布図(2m×2mグリッド平面図)を多数作成して眺めているなかで、突然のことですが、その分布図活用方策に関する「ヤルコト」(=興味、楽しさ)が3つ浮かびました。

1つ目はそのオーバーレイ分析であり、2つ目は統計分析(多変量解析)であり、3つ目はそれら分析結果をBlender空間に自動的にプロットするBlenderPythonスクリプトの作成です。

1 オーバーレイ分析

考古学的な証拠となる分析ではなく、北斜面貝層の空間特性を自分自身が知るための作業です。知的遊びです。

例えば、土器片錘とハマグリ貝刃の分布図をそれぞれ出土数で分級して、オーバーレイすると次のような分級(組合わせが)生まれ、その分布図ができます。その分級や分布図の意味を考えるなかで、北斜面貝層空間のより詳しい解釈やイメージが生まれる可能性があります。


土器片錘分布図とハマグリ貝刃分布図


オーバーレイ分析の一例

2 多変量解析

この分析も考古学的な証拠となるような分析ではなく、北斜面貝層の空間特性に関する秘かなる作業仮説を構築するための作業です。高級な知的遊びです。

例えば、これまでに作成した多数変量を用いて主成分分析して、北斜面貝層の利用に関する縄文人意識空間構造を想定的に把握するなどです。


多変量解析例のイメージ

3 分析結果のBlender自動プロットシステム

オーバーレイ分析や多変量解析で生まれた分布図情報を、Blender空間にオブジェクトとして自動的にプロットするためのBlenderPythonスクリプトを作成します。


分析結果自動プロットシステム