縄文土器学習 296
尖石縄文考古館に展示されている縄文中期有孔鍔付土器(茅野市長峰遺跡)の観察記録3Dモデルを作成しました。背面が壁のショーケースに展示されているためカメラの視線が届く半分ほどしか3Dモデル化できません。
縄文中期有孔鍔付土器(茅野市長峰遺跡) 観察記録3Dモデル
撮影場所:尖石縄文考古館
撮影月日:2019.09.13
ガラス張りショーケース越しに撮影
3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v4.523 processing 29 images
撮影写真の一例
3Dモデルの正面画像 オルソグラフィック投影
3Dモデルの上から画像 オルソグラフィック投影
感想と観察
・胴部は3段のだるま落としのような形をしています。下段は模様や装飾はなし、中段は水平方向に孔が貫通する大きな双眼と隆線による上部逆三角の十字架様模様、上段は垂直方向に孔が貫通する小ぶりの双眼とアーチ門様の隆線による模様が見られます。
・下段がスタートで、中段が大きな展開があり、上段が別の趣旨の展開があるというある物事の3段階展開を表現しているような感想を持ちました。
・さらに強引に空想すれば、中段の十字架のような模様はものがはじける様子を、上段の模様は気泡が浮かび上がってくる様子を連想します。もしかしたら醸造プロセスの段階をイメージしているのかもしれません。
参考 「縄文土器大観 2中期Ⅰ」(小林達雄編集)掲載画像
……………………………………………………………………
参考 カメラ配置
参考 カメラ配置(当初3Dモデル)
2019年12月24日火曜日
2019年12月18日水曜日
縄文中期有孔鍔付土器(富士見町新道遺跡) 観察記録3Dモデル
縄文土器学習 289
長野県富士見町新道(あらみち)遺跡出土有孔鍔付土器の観察記録3Dモデルを作成しました。諏訪市博物館藤森栄一記念コーナーに展示されている土器を博物館の許可を得て撮影し掲載するものです。
縄文中期有孔鍔付土器(富士見町新道遺跡) 観察記録3Dモデル
撮影場所:諏訪市博物館藤森栄一記念コーナー
撮影月日:2019.09.13
許可:撮影及びweb掲載は諏訪市博物館の許可による
ピラミッド型ガラスショーケース越しに撮影
3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v4.523 processing 128 images(Masquerade機能利用)
撮影写真の1例
撮影及びweb掲載は諏訪市博物館の許可による
説明パネル
撮影及びweb掲載は諏訪市博物館の許可による
藤森栄一記念コーナーの様子
撮影及びweb掲載は諏訪市博物館の許可による
藤森栄一記念コーナーの様子
撮影及びweb掲載は諏訪市博物館の許可による
感想・興味・考察
1 土器の「人面」模様
富士見町史上巻ではこの土器の模様の1つを人面として紹介しています。
富士見町史上巻における人面紹介
イチョウ模様が人面である説明(富士見町史上巻)
一方、この土器をよく観察すると、イチョウのような模様とともに別の三日月のような模様も存在しています。
縄文中期有孔鍔付土器(富士見町新道遺跡)のイチョウ模様と三日月模様(画面はオルソ投影画面)
イチョウ模様が対向して2つ、三日月模様が対向して2つ表現されています。イチョウ模様と三日月模様は強く関連する(対になっている)模様です。そして、三日月模様が人面でないことは明らかです。
この様子から、イチョウ模様は人面として描かれたものではなく、富士見町史上巻で詳しく説明しているように、ある観念的な二つの三日月を表現していて、その二つの三日月と対で一つの三日月も表現されていると仮想します。
イチョウ模様(ある観念的な二つの三日月)は物語や神話を伴うもので、そのイメージが土偶人面にも好んで使われたのかもしれません。
なお、イチョウ模様と三日月模様がまるで額縁に納まっているように造形されています。
2 藤森栄一
諏訪市博物館を訪れて私は藤森栄一と縄文農耕論というものに知りました。今後その人物や著作について興味を持ちたいと思います。
……………………………………………………………………
参考 縄文中期有孔鍔付土器(富士見町新道遺跡)のカメラ配置
長野県富士見町新道(あらみち)遺跡出土有孔鍔付土器の観察記録3Dモデルを作成しました。諏訪市博物館藤森栄一記念コーナーに展示されている土器を博物館の許可を得て撮影し掲載するものです。
縄文中期有孔鍔付土器(富士見町新道遺跡) 観察記録3Dモデル
撮影場所:諏訪市博物館藤森栄一記念コーナー
撮影月日:2019.09.13
許可:撮影及びweb掲載は諏訪市博物館の許可による
ピラミッド型ガラスショーケース越しに撮影
3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v4.523 processing 128 images(Masquerade機能利用)
撮影写真の1例
撮影及びweb掲載は諏訪市博物館の許可による
説明パネル
撮影及びweb掲載は諏訪市博物館の許可による
藤森栄一記念コーナーの様子
撮影及びweb掲載は諏訪市博物館の許可による
藤森栄一記念コーナーの様子
撮影及びweb掲載は諏訪市博物館の許可による
感想・興味・考察
1 土器の「人面」模様
富士見町史上巻ではこの土器の模様の1つを人面として紹介しています。
富士見町史上巻における人面紹介
イチョウ模様が人面である説明(富士見町史上巻)
一方、この土器をよく観察すると、イチョウのような模様とともに別の三日月のような模様も存在しています。
縄文中期有孔鍔付土器(富士見町新道遺跡)のイチョウ模様と三日月模様(画面はオルソ投影画面)
イチョウ模様が対向して2つ、三日月模様が対向して2つ表現されています。イチョウ模様と三日月模様は強く関連する(対になっている)模様です。そして、三日月模様が人面でないことは明らかです。
この様子から、イチョウ模様は人面として描かれたものではなく、富士見町史上巻で詳しく説明しているように、ある観念的な二つの三日月を表現していて、その二つの三日月と対で一つの三日月も表現されていると仮想します。
イチョウ模様(ある観念的な二つの三日月)は物語や神話を伴うもので、そのイメージが土偶人面にも好んで使われたのかもしれません。
なお、イチョウ模様と三日月模様がまるで額縁に納まっているように造形されています。
2 藤森栄一
諏訪市博物館を訪れて私は藤森栄一と縄文農耕論というものに知りました。今後その人物や著作について興味を持ちたいと思います。
……………………………………………………………………
参考 縄文中期有孔鍔付土器(富士見町新道遺跡)のカメラ配置
登録:
投稿 (Atom)