花見川流域の自然・歴史を知るための図書紹介 28
「千葉市の町名考」の諸元、内容、主要目次
【諸元】
書名:千葉市文化財叢書1 千葉市の町名考
原著者:和田茂右衛門
編集:千葉市加曾利貝塚博物館
発行:加曽利貝塚友の会
発行日:昭和45年3月1日
体裁:B5判、211頁
【内容】
この図書は、一般向けにわかりやすく千葉市の町名を解説したものです。
「本書は、著者が昭和39年5月から昭和42年7月まで、「千葉市の町名」として、前後34回にわたって「千葉市政だより」に連載したものに、著者みずから加筆したものである。」(本書「凡例」)
編集で、口述体で書かれたものを論文調にあらためています。
【主要目次】
院内町、裕光町、…、谷当町、下田町 (目次に130の町名が掲載されている)
おわりに
索引・附図
千葉市の町名考
町名の起原、町名の移り変わり、町名が出現する資料をまとめた図書です。資料から確実に話せることだけを書いた本でするから、町名の起原が不明の町名も沢山あります。
「あとがき」に次のような説明があります。
「町名の起原を申し述べるのが、最初の目的でしたが、資料の関係で、それが果たせない場合は、町名の移り変わりをみる意味で、寺社・所領関係資料、古文書、金石文などから、町名に関係する部分を抜書きしました。」
私はこの本を花見川地峡の地名である横戸、柏井、天戸などの検討で利用して次のような感想を持ちました。
●この図書以上に詳しい町名起源説明資料は、今も千葉市にはありません。千葉市が発行する図書で地名について記述するものは、この図書を原典にしています。つまり、和田茂右衛門さん以降、和田茂右衛門さんを凌駕する千葉市地名研究者はいないように感じます。
●この図書は資料から確実に話せることだけを書いたものです。ですから町名起源がわからないと書いてある場合、例えば横戸や柏井など、その地名起源の解釈を新たにすることができる余地があることを確認できます。
このブログでは次の記事などで、この図書を引用しました。
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