2018年8月19日日曜日

縄文後期イナウ似木製品は鳥の造形物

縄文後期イナウ似木製品の観察と解釈例 6

縄文後期イナウ似木製品を鳥の造形物として解釈できますの記録しておきます。
A面は羽を休める鳥、B面は飛ぶ鳥を造形していると解釈します。

A面の解釈 羽を休める鳥
削りかけ跡をたたまれた主翼であると見立てました。

B面の解釈 飛ぶ鳥
刻印2が翼を象徴すると考えます。(刻印2の平面形状が翼の断面形状を表現していると考えます。)さらに刻印2の中に深い小孔があり、この小孔に鳥の羽が射しこまれていたのではないかと想像します。

A面、B面ともに多数ある小孔は小さな羽を木肌に食い込ませて木製品に鳥のイメージを醸し出していたのではないだろうかと考えます。

この木製品について全く別のより合理的解釈があり得るかどうか、考え続けていくことにします。

当面は縄文後期イナウ似木製品が鳥の造形物であるとする解釈(仮説)に基づいて、次の考察を行っていくことにします。
1 西根遺跡の意義(収穫祭跡)における鳥造形木製品の意味
・西根遺跡は堅果類の収穫感謝とか増収祈願のために土器を破壊した遺跡であり、堅果類をもたらす鳥を造形したと考えるとつながります。鳥は夏に林にやってくる渡り鳥になります。
2 弥生時代鳥型との関係
弥生時代鳥型の祖形かもしれません。
3 アイヌイナウとの関係
アイヌイナウの原型そのものと考えます。
4 幣(ぬさ)、梵天などとの関係
紙をつかう幣や梵天の遠い祖先であると考えます。
5 笹野一刀彫「お鷹ポッポ」などの木彫り工芸品との関係
お鷹ポッポはこの木製品に似ています。おそらく通底します。

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