2020年1月4日土曜日

飯田市出土縄文土器の模様に関する感想

縄文土器学習 303

飯田市上郷考古博物館展示縄文土器のうち外面模様に興味をもった次の土器について感想をメモしました。

1 思考対象土器

深鉢形土器(飯田市大門町遺跡)上12 オルソグラフィック投影

2 感想

感想
口縁部が(観察できる範囲では)ほとんど無紋で1カ所だけ蛇体渦巻が立体的に装飾され、把手に連続しています。口縁部無紋は異様に感じます。
口縁部と胴部の間に蛇体の立体的隆帯が施され、波打っていて蛇を動的に表現している装飾であると考えます。
胴部の模様は他の模様と異質なaが中央に配置され、bを押しのけているような分布となっています。abcは相互に関連するいわば一つの大きな模様であると感じます。
dはいづれも2連模様から構成されている矩形区画文です。
eはよく見られる楕円区画文ですが、底部をぐるりと回っていて(ただし背後は観察不能)、あたかも口縁部の代わりに底部に施されたような感じを受けます。自分には珍しく感じます。
模様は全体として上下左右等のシンメトリーに乏しく、またaとbの関係が「押しのけた-押しのけられた」という動的関係が曲線で表現されています。
何らかの物語(活動、情動)を何らかの現場(空間、物体、肉体…)をイメージして表現しているものと想像します。

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