Yamanashi Prefectural Archaeological Museum Director's Lecture 1st "Jomon period soil surface and clay figurines-Jomon society seen from rituals and rituals-" zoom audition
I was able to listen to the 1st lecture by the director of the Yamanashi Prefectural Archaeological Museum, "The soil surface and clay figurines of the Jomon period-Jomon society seen from rituals and rituals-" at zoom.
It was a very interesting story, and there was a lot of information that I couldn't get from specialized books, which was a great help for my learning in the Jomon period. Make a note of the main things that interest you.
2021.12.11午後、山梨県立考古博物館館長講座第1回「縄文時代の土面と土偶-儀礼と祭祀から見た縄文社会-」をzoomで聴講することができました。
「縄文時代の土面と土偶-儀礼と祭祀から見た縄文社会-」開講zoom画面
とても興味深いお話ばかりで、専門図書からは得られないような情報も多く、自分の縄文時代学習の大いに役立ちました。興味をもった主な事柄をメモしておきます。
1 講義内容
次の項目に従ってPowerPointで講義が進みました。PowerPoint資料は事前連絡でpdf版がダウンロード出来、予習ができました。
・土偶の一般的特徴
・出土状況(破壊的)
・機能・用途に関する諸学説
・文様の特殊性と製作者の性格(呪術的)
・土面の特徴と機能
・社会的機能
2 土偶の機能に関する諸説
次の諸説の説明がありました。
・女性の再生産=豊穣・安産
・社会的な再生産(安定)
・自然の恵の再生産=豊穣
・農産物の豊穣:ハイヌベレ型神話
・呪術・呪詛(高橋説)
私は吉田敦彦の図書を読んで、これまで「農産物の豊穣:ハイヌベレ型神話」説による土偶機能解釈に傾倒してきました。そして、最近「なにか違うようだ」と疑問を持ち、顔面付土器における「祖母→母→娘→孫娘」表現から「女性の再生産=豊穣・安産」説に転向しつつあります。そうした学習遍歴のなかで「呪術・呪詛」説を初めて知り、それがどの程度蓋然性があるのかまだ判りませんが、自分の学習意欲は大いにかきたてられます。あおられます。
3 土偶を使った模擬埋葬
縄文のビーナスなど幾つかの土偶はほぼ完形でかつ横倒しになって出土するものがあります。これら事例の解釈として、土偶を使って身代わりの埋葬をした可能性の話があり、きわめて注目に値するものだと驚きました。
例えとして、生きていてほしい人のために、その身代わりに土偶を埋葬する呪術があったかもしれないという話。あるいは、生きてほしくない人のために、その人を殺す呪詛として土偶を身代わりに(殺して)埋葬することがあったかもしれないという話。これらの思考は民族誌現場調査が無ければ決して生まれないものだと感心しました。
4 人頭形土製品(前期)の出土状況解釈
人頭形土製品の写真と出土状況
「印旛の原始・古代-縄文時代編-」(2007、財団法人印旛郡市文化財センター)から引用
この人頭形土製品の体は植物で出来ていて、植物の部分だけ失われて人頭形土製品だけの出土となった可能性があるとの説明がありました。確かに人頭形土製品が土坑の端にありますから、体が土坑に存在していたと考えて合理的である可能性を感じます。この遺構と遺物が全体として模擬埋葬であったと考えることも大いにありうることです。高橋龍三郎先生の発想に感心しました。
5 頭にヘビを戴く女
土偶で頭にヘビを戴く例の紹介があり、呪術師とか妖術師である可能性の話がありました。自分がこれまで観察してきた土偶や顔面にヘビを戴くものがあるかどうか、チェックしてい見ることにします。縄文のビーナスの「ヘッドギア」のような頭は何か?
6 土面と結社組織との完形
土面が氏族仲間を越えた結社組織で使われ、秘密の行動とも関係しているとのお話がありました。お話を理解する基礎知識が自分にはないので、今後参考文献を学習することにします。
7 感想
高橋龍三郎先生のお話を聞いて、ずっと前、中沢新一の「人類最古の哲学」「対称性人類学」「愛と経済のロゴス」「神の発明」「熊から王へ」などを面白く読んだことを思い出しました。その内容はほとんど自分の頭に残っていません。しかしそのような中沢新一的世界に足を踏み入れる事になりそうな予感がします。自分の趣味活動(縄文時代学習)が以前の全く別の読書と関連するとしたら大いに面白いことです。趣味(学習)の醍醐味を味わえるかもしれません。学習意欲が増してきます。
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