2024年9月30日月曜日

学習企画 人形塚古墳を3Dで再現 -設計線と埴輪が語る古代の風景-

 Interests related to the land division line of Ningyozuka Tomb in Chiba City


A land division line was excavated from Ningyozuka Tomb in Chiba City as a planned line for the construction of the tomb. I will use 3D modeling technology to deepen my learning about the significance of this land division line and have fun. In relation to this, I will also express the scene created by the excavated haniwa in a 3D model and enjoy learning.

In this article, I have sketched an outline of the study of Ningyozuka Tomb in Chiba City that will unfold from now on.


千葉市人形塚古墳から古墳築造計画線としての地割線が出土しています。この地割線の意義について3Dモデル技術を投入して学習を深め、楽しむことにします。関連して、出土埴輪が演出した情景も3Dモデルで表現して、学習を楽しむことにします。

この記事ではこれから展開する千葉市人形塚古墳学習の概要をスケッチしました。

1 千葉市人形塚古墳の地割線

1-1 既往資料における地割線解釈

1-1-1 城倉正祥氏の解釈(発掘調査報告書付章)

発掘調査報告書付章(城倉正祥)「4-2 墳丘規格と埴輪配列」では、後円部の二重の円弧は設計線で間違いないとしています。しかし、前方部の4本の直線は現状での墳丘各段の変換ラインと一致しないので、これは、当初の墳丘設計線が動かされているとしています。具体的には、4本の直線が後円部中心を原点にして、北へ5°回転させて施工されたという仮説を提示しています。

なお、前方部東側の2本の直線の間隔が、西側の2本の直線より広いのは、東側のテラスを埴輪演出のため広くしたため、背後の斜面も緩やかにしたためであると述べています。


墳丘全体図と地割線(発掘調査報告書221ページ)


前方部4本直線を北へ5°回転させた図(城倉正祥氏作成図、発掘調査報告書475ページ)

1-1-2 沼澤豊氏の解釈

沼澤豊著「千葉市人形塚古墳のいわゆる地割線について」(研究連絡誌、2008)では後円部の二重の地割線は墳丘設計線であるとし、内円は墳丘2段の裾線(盛土開始線)を示し、外円は周溝(内溝)の掘り込み開始線を示すとしています。前方部の地割線は未発見の地割線が2本あったことを想定して「前方部地割線折返し図」を作成しています。この想定と推定した前方部側縁が並行していることから、地割線が前方部の墳丘側縁部の構築に深く関わる計画線であったとしています。


前方部地割線折返し図

なお、前方部地割線は第1段から盛土しているので、埋もれて使うことができない非実用線であり、作業工程を検討したり、作業員の説明用だったと解釈しています。

1-1-3 感想

城倉正祥氏の地割線解釈は出土地割線4本を東西2本づつに分け、対応させていることから合理性を失っていると考えます。地割線を棄てて設計変更したことを想定しなければなりませんし、現状地形(西側が侵食の影響を受けている)を基準に東西の墳丘形状の違いを説明しています。従って合理性を欠くと判断します。

沼澤豊氏の解釈は背景となる墳丘規格理論を含めて合理的に感じます。

このような感想に基づいて、地割線の3Dモデルによる検討は沼澤豊氏の解釈に基づいて行うことにします。

1-2 3Dモデルによる検討

1-2-1 人形塚古墳等高線図の3Dモデル作成

人形塚古墳等高線図から、等高線で表現されている古墳形状の3Dモデル作成を作成します。

等高線から3Dモデルを作成する技術は次の記事でメモしました。

2024.09.16記事「紙等高線地図から地形3Dモデルを作成する方法

1-2-2 地割線図を参考にした人形塚古墳完成時3Dモデル作成

沼澤豊氏の墳丘規格理論を背景とした地割線解釈に基づいて、人形塚古墳完成時3Dモデルを作成します。

1-2-3 検討

人形塚古墳完成時3Dモデル作成作業のなかで、地割線解釈について学習を深めます。

2 千葉市人形塚古墳の埴輪演出

2-1 城倉正祥氏の検討(発掘調査報告書付章)

発掘調査報告書付章(城倉正祥)「4-2 墳丘規格と埴輪配列」では、埴輪に関して、前方部東側テラスに武人・巫女人物区画、職掌不明男女区画、馬子・馬セット区画が、前方部墳頂に家区画があることを把握しています。それらの埴輪配置により、古墳東側の墓道を登ってきたとき、視角的に「演出」された「装置としての埴輪空間」が存在していたとしています。


埴輪配置状況イメージ図

2-2 埴輪演出の3Dモデル表現

人形塚古墳完成時3Dモデルに埴輪3Dモデルをインポートして配置した3Dモデルを作成します。この埴輪インポート古墳3Dモデルで、様々な角度から古墳と埴輪がつくる風景画像を作成し、古墳と埴輪がつくる演出的意義について検討します。

なお、今回検討では精緻な埴輪3Dモデル作成は困難なので、簡易的3Dモデル作成(埴輪概形3Dモデル)とします。また、試行的予察的な意味合いの強い検討となります。

2-3 埴輪演出(他界観演出)の検討

埴輪配置が他界観演出であるという視点から、この時代の他界観について学習します。

3 関連事項

3-1 千葉市人形塚古墳と芝山町姫塚古墳等との関連

千葉市人形塚古墳と近隣古墳との類似性・共通性とその背景について、古墳形状(規格性)は主に沼澤豊氏著作により、埴輪は主に城倉正祥氏著作により学習を深めます。

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追記

この記事の本文をテキストファイルにしてChatGPTに投入してブログ記事案を3つ提案してもらいました。結果は次の通りです。

「千葉市人形塚古墳の謎を3Dモデルで解明:地割線と埴輪演出を探る」

「人形塚古墳を3Dで再現:設計線と埴輪が語る古代の風景」

「地割線から読み解く千葉市人形塚古墳の真実と3Dモデルによる学習体験」

これらの表題は、記事の内容である3Dモデルによる古墳の地割線と埴輪の学習を強調しています。

このうち第2案を採用して、表題に利用しました。楽しいChatGPT遊びです。

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