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2023年8月15日火曜日

有吉北貝塚北斜面貝層 加曽利EⅡ式中段階218番土器の破片3D分布モデル

 Ariyoshi Kita Shell Mound North Slope Shell Layer Kasori EII Middle Stage No. 218 Pottery Fragment 3D Distribution Model


We created a 3D distribution model of fragments of Kasori EII medium stage No. 218 pottery on the northern slope shell layer of Ariyoshi Kita Shell Mound. It is distributed in the gully-transported sedimentary layer from the steep slope of the gully valley head to the downstream, and it can be inferred that it was transported by several gully water flows.


有吉北貝塚北斜面貝層の加曽利EⅡ式中段階218番土器の破片3D分布モデルを作成しました。ガリー谷頭部急斜面から下流までのガリー運搬堆積層に分布していて、何回かのガリー水流で運ばれた様子が推察できます。

1 有吉北貝塚北斜面貝層 加曽利EⅡ式中段階218番土器の破片3D分布モデル

有吉北貝塚北斜面貝層 加曽利EⅡ式中段階218番土器の破片3D分布モデル

崩落層と斜面貝層の推定境界面:カラーグラデーション等高縞模様表現

貝層断面図:4番断面、7番断面、11番断面

加曽利EⅡ式中段階218番土器:赤CUBE(19)


加曽利EⅡ式中段階218番土器(発掘調査報告書から引用)


有吉北貝塚北斜面貝層 加曽利EⅡ式中段階218番土器の破片3D分布モデル画像1


有吉北貝塚北斜面貝層 加曽利EⅡ式中段階218番土器の破片3D分布モデル画像2


有吉北貝塚北斜面貝層 加曽利EⅡ式中段階218番土器の破片3D分布モデル動画

2 観察


観察結果1


観察結果2

218番土器はガリー谷頭急斜面に投棄されてから、当初は少なくても時期の異なる2回のガリー水流(年に数回発生する洪水流)で運搬されたことが判ります。それは4番断面付近で貝層の上下異なる層位に同じ218番土器破片が出土することから確認できます。218番土器はその後も時期の異なる数回以上のガリー水流で徐々に下流に運ばれ、順次出土場所に堆積していったと推測できます。

この事象により、同型式土器破片が同じ断面の上下層位から出土する理由を一般的な意味で解釈することができることになります。