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2023年10月6日金曜日

有吉北貝塚北斜面貝層 294番土器破片3D分布モデル

Northern slope shell layer of Ariyoshi Kita Shell Mound

3D distribution model of pottery fragment No. 294


I created a 3D distribution model of the fragments of pottery No. 294 (Kasori EII type middle to new stage) excavated from the north slope shell layer of the Ariyoshi Kita Shell Mound from the excavation record information.


有吉北貝塚北斜面貝層から出土した294番土器(加曽利EⅡ式中~新段階)の破片3D分布モデルを発掘原票情報から作成しました。

1 有吉北貝塚北斜面貝層 294番土器破片3D分布モデル

有吉北貝塚北斜面貝層 294番土器破片3D分布モデル

このモデルは294番土器破片に書かれた遺物番号の3D分布モデルです。1つの遺物番号を30㎝×30㎝×30㎝のCUBEで表現しています。

同じ土器の複数破片が塊状に出土する場合、全て同じ遺物番号となるため、遺物番号数は実際の破片数よりかなり小さい数値となりす。


294番土器

294番土器は加曽利EⅡ式中~新段階に分類されます。


294番土器の破片構成

全破片にメッシュ番号と遺物番号が白ペイントで記載されています。この情報により遺物台帳と遺物分布図から破片別のx座標、y座標、z座標を求めました。

ガリー侵食地形の崖頂線とガリー主流線は発掘調査報告書掲載貝層断面図から作成しました。


有吉北貝塚北斜面貝層 294番土器破片3D分布モデル画像


有吉北貝塚北斜面貝層 294番土器破片3D分布モデル動画

2 メモ

3Dモデルにガリー侵食地形崖頂線と主流線(想定)を入れるだけで、様になることに気が付きました。また、表題や注記文字を入れることで表現に厚みが出ることにも気が付きました。


2023年8月25日金曜日

有吉北貝塚北斜面貝層 加曽利EⅡ式中~新段階294番土器の破片3D分布モデル

 North Slope Shell Layer of Ariyoshi Kita Shell Mound


3D distribution model of fragments of Kasori EII type middle to new stage No. 294 pottery


I made a 3D model of the fragments of the Kasori EII type middle to new stage No. 294 pottery excavated from the north slope shell layer of the Ariyoshi Kita Shell Mound. This pottery is the largest pottery in the Ariyoshi Kita Shell Mound, and at the same time, fragments are distributed from the gully valley head to the most downstream. It is considered as a typical example of pottery fragment distribution.


有吉北貝塚北斜面貝層の加曽利EⅡ式中~新段階294番土器の破片3Dモデルを作成しました。この土器は有吉北貝塚最大級土器で、同時にガリー谷頭から最下流まで破片が分布します。土器破片分布の典型的事例と考えます。

1 有吉北貝塚北斜面貝層 加曽利EⅡ式中~新段階294番土器の破片3D分布モデル 1

有吉北貝塚北斜面貝層 加曽利EⅡ式中~新段階294番土器の破片3D分布モデル1

崩落層と斜面貝層の推定境界面:カラーグラデーション等高縞模様表現

貝層断面図:4番断面、7番断面、11番断面

加曽利EⅡ式中~段階294番土器:赤UBE(19)


加曽利EⅡ式中~段階294番土器(2023.04.12撮影、於千葉県教育庁森宮分室)


有吉北貝塚北斜面貝層 加曽利EⅡ式中~新段階294番土器の破片3D分布モデル1画像


有吉北貝塚北斜面貝層 加曽利EⅡ式中~新段階294番土器の破片3D分布モデル1動画

2 有吉北貝塚北斜面貝層 加曽利EⅡ式中~新段階294番土器の破片3D分布モデル 2

有吉北貝塚北斜面貝層 加曽利EⅡ式中~新段階294番土器の破片3D分布モデル 2

ガリー侵食地形:カラーグラデーション等高縞模様表現

崩落層と斜面貝層の推定境界面:カラーグラデーション等高縞模様表現

貝層断面図:4番断面、7番断面、11番断面

加曽利EⅡ式中~段階294番土器:赤UBE(19)


有吉北貝塚北斜面貝層 加曽利EⅡ式中~新段階294番土器の破片3D分布モデル2画像

3 観察


正面オルソ投影断面図


観察結果1


観察結果2

294番土器の投棄破壊とその後の流下状況を正面オルソ投影断面図で推察すると観察結果1のようになると考えます。294番土器は谷頭上から投棄され、その破片群は谷頭直下の狭窄部で集中堆積し、時間が継続する中で徐々に下流に運搬されたと考えます。時間継続の中でガリー下流流路の堆積が進行したたため、下流では時間が経過するたびに294番土器破片が標高の高い場所に埋もれたと考えられます。

294番土器が谷頭から投棄された場所は観察結果2に図示する場所であると想定できます。


2023年8月19日土曜日

有吉北貝塚北斜面貝層 加曽利EⅡ式中段階201番土器の破片3D分布モデル

 Ariyoshi Kita Shell Mound North Slope Shell Layer

Kasori EII Middle Stage No. 201 Pottery Fragment 3D Distribution Model


I created a 3D model of the Kasori EII middle stage No. 201 pottery fragment from the Ariyoshi Kita Shell Mound North Slope Shell Layer. This pottery was dumped from two places: the gully valley head and another slope. I imagine that this is a special case where the same pottery was used in two pottery throwing rituals.


有吉北貝塚北斜面貝層の加曽利EⅡ式中段階201番土器の破片3Dモデルを作成しました。この土器はガリー谷頭とそれとは別斜面の2ヶ所から投棄されています。同一土器が2回の土器投棄祭祀で使われた特例と想像します。

1 有吉北貝塚北斜面貝層 加曽利EⅡ式中段階201番土器の破片3D分布モデル

有吉北貝塚北斜面貝層 加曽利EⅡ式中段階201番土器の破片3D分布モデル

崩落層と斜面貝層の推定境界面:カラーグラデーション等高縞模様表現

貝層断面図:4番断面、7番断面、11番断面

加曽利EⅡ式中段階201番土器:赤CUBE(5)


加曽利EⅡ式中段階201番土器(発掘調査報告書から引用)

曽利式系の模様となっています。


有吉北貝塚北斜面貝層 加曽利EⅡ式中段階201番土器の破片3D分布モデル画像


有吉北貝塚北斜面貝層 加曽利EⅡ式中段階201番土器の破片3D分布モデル動画

2 観察


観察結果

この土器はガリー谷頭とガリー左岸斜面の2つの場所から投棄されている特例とも言える土器です。

前期土器のうち3点は南斜面貝層と北斜面貝層の2つの貝層から出土して接合されているものがありますから、201番土器はその前期土器と共通した性格を帯びていると想定します。

想像の域を出ませんが、201番土器は異なる2回の土器投棄祭祀で使われたのだと考えます。通常は廃用土器による土器投棄祭祀はガリー谷頭から1回のみ行われるところ、201番土器だけ、通常土器投棄祭祀のほか、別趣旨の祭祀も場所を変えて行われたと空想しておきます。土器模様が曽利式系であることと何か関係するのでしょうか?今後の検討を楽しみたいと思います。


2023年8月15日火曜日

有吉北貝塚北斜面貝層 加曽利EⅡ式中段階218番土器の破片3D分布モデル

 Ariyoshi Kita Shell Mound North Slope Shell Layer Kasori EII Middle Stage No. 218 Pottery Fragment 3D Distribution Model


We created a 3D distribution model of fragments of Kasori EII medium stage No. 218 pottery on the northern slope shell layer of Ariyoshi Kita Shell Mound. It is distributed in the gully-transported sedimentary layer from the steep slope of the gully valley head to the downstream, and it can be inferred that it was transported by several gully water flows.


有吉北貝塚北斜面貝層の加曽利EⅡ式中段階218番土器の破片3D分布モデルを作成しました。ガリー谷頭部急斜面から下流までのガリー運搬堆積層に分布していて、何回かのガリー水流で運ばれた様子が推察できます。

1 有吉北貝塚北斜面貝層 加曽利EⅡ式中段階218番土器の破片3D分布モデル

有吉北貝塚北斜面貝層 加曽利EⅡ式中段階218番土器の破片3D分布モデル

崩落層と斜面貝層の推定境界面:カラーグラデーション等高縞模様表現

貝層断面図:4番断面、7番断面、11番断面

加曽利EⅡ式中段階218番土器:赤CUBE(19)


加曽利EⅡ式中段階218番土器(発掘調査報告書から引用)


有吉北貝塚北斜面貝層 加曽利EⅡ式中段階218番土器の破片3D分布モデル画像1


有吉北貝塚北斜面貝層 加曽利EⅡ式中段階218番土器の破片3D分布モデル画像2


有吉北貝塚北斜面貝層 加曽利EⅡ式中段階218番土器の破片3D分布モデル動画

2 観察


観察結果1


観察結果2

218番土器はガリー谷頭急斜面に投棄されてから、当初は少なくても時期の異なる2回のガリー水流(年に数回発生する洪水流)で運搬されたことが判ります。それは4番断面付近で貝層の上下異なる層位に同じ218番土器破片が出土することから確認できます。218番土器はその後も時期の異なる数回以上のガリー水流で徐々に下流に運ばれ、順次出土場所に堆積していったと推測できます。

この事象により、同型式土器破片が同じ断面の上下層位から出土する理由を一般的な意味で解釈することができることになります。