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2022年4月6日水曜日

加曽利EⅤ式深鉢(No.15)(千葉市上谷津第2遺跡) 観察記録3Dモデル

 Kasori EV type deep bowl (No.15) (Kamiyatsu No.2 site,Chiba City) Observation record 3D model


Kasori Shellmound Museum Reiwa 3rd year special exhibition "That is also E Kasori E type pottery Chiba City 2 -Kasori EIV type pottery and its descendants-" Kasori EV type deep bowl (No.15) (Kamiyatsu No.2 site,Chiba City) was observed with a 3D model. 

It is classified as Kasori EV type pottery because it is excavated together with the Syomyoji type pottery.

I am interested in the meaning of the cord-mark impressions on the entire surface.


加曽利貝塚博物館令和3年度企画展「あれもE これもE 加曽利E式土器 千葉市編2 -加曽利EⅣ式土器とその末裔たち-」に展示された加曽利EⅤ式深鉢(No.15)(千葉市上谷津第2遺跡)を3Dモデルで観察しました。

1 加曽利EⅤ式深鉢(No.15)(千葉市上谷津第2遺跡) 観察記録3Dモデル Kasori EV type deep bowl

加曽利EⅤ式深鉢(No.15)(千葉市上谷津第2遺跡) 観察記録3Dモデル

撮影場所:加曽利貝塚博物館令和3年度企画展「あれもE これもE 加曽利E式土器 千葉市編2 -加曽利EⅣ式土器とその末裔たち-」

撮影月日:2022.03.02


展示の様子

ガラスショーケース越し撮影

3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v6.503 processing 136 images

Kasori EV type deep bowl (No.15) (Kamiyatsu No.2 site,Chiba City) Observation record 3D model

Location: Kasori Shellmound Museum Reiwa 3rd year exhibition "That is also E Kasori E type pottery Chiba city edition 2 -Kasori E IV type pottery and its descendants-"

Shooting date: 2022.03.02

Shooting through a glass showcase

Generated with 3D model photogrammetry software 3DF Zephyr v6.503 processing 136 images


3Dモデルの動画

2 GigaMesh Software Frameworkによる平面展開


GigaMesh Software Frameworkによる平面展開

3 メモ

3-1 加曽利EⅤ式という分類

加曽利貝塚博物館では加曽利E式土器をEⅠ~EⅣの4つに分類していますが、今回の企画展では加曽利EⅤ式土器という分類も使っています。加曽利EⅤ式土器は加曽利EⅣ式土器が終わり、称名寺式土器の時代になっても加曽利EⅣ式土器の流れを受け継ぐ土器が存在するので、それを加曽利EⅤ式土器と呼ぶそうです。(加曽利貝塚博物館講演会における館祐樹先生説明)

加曽利EⅤ式深鉢(No.15)(千葉市上谷津第2遺跡)は同じ遺構(6号住居址)から称名寺Ⅰ式鉢が出土するので、加曽利EⅤ式と分類されました。


上谷津第2遺跡6号住居址の土器出土状況

(加曽利貝塚博物館講演会における館祐樹先生説明資料)


称名寺Ⅰ式鉢(No.16)(千葉市上谷津第2遺跡)3Dモデル画像

参考 称名寺Ⅰ式鉢(No.16)(千葉市上谷津第2遺跡) 観察記録3Dモデル Syomyoji I type bowl

称名寺Ⅰ式鉢(No.16)(千葉市上谷津第2遺跡) 観察記録3Dモデル

撮影場所:加曽利貝塚博物館令和3年度企画展「あれもE これもE 加曽利E式土器 千葉市編2 -加曽利EⅣ式土器とその末裔たち-」

撮影月日:2022.03.02


展示の様子

ガラスショーケース越し撮影

3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v6.503 processing 136 images

Syomyoji I type bowl (No.16) (Kamiyatsu No.2 site,Chiba City) Observation record 3D model

Location: Kasori Shellmound Museum Reiwa 3rd year exhibition "That is also E Kasori E type pottery Chiba city edition 2 -Kasori E IV type pottery and its descendants-"

Shooting date: 2022.03.02

Shooting through a glass showcase

Generated with 3D model photogrammetry software 3DF Zephyr v6.503 processing 136 images

3-2 縄文施文だけの土器

加曽利EⅤ式深鉢(No.15)(千葉市上谷津第2遺跡)は口縁部は無文ですが、胴部は全面縄文施文の土器です。このような土器は加曽利EⅢ式期、EⅣ式期に出土する例があり、埼玉編年(1982)ではXIII期(加曽利EⅢ式期頃)に第8群土器として、XIV期(加曽利EⅣ式期頃)に第4群土器として独立した分類となっています。


加曽利EⅢ式、EⅣ式の縄文施文だけの土器

縄文施文だけの土器は通常の文様施文土器とくらべて簡易な印象を受けますが、器形もしっかりしていてかつ全面に丁寧に縄文施文しているので、いい加減な造形物ではありません。特殊な用途に使う道具だったのかもしれません。例えば、通常文様施文土器は調理道具であるのに対して、縄文施文だけの土器は調理以外の用途(植物繊維や動物皮を加工しやすくするために煮るとか染色するなど)で使われたのかもしれません。今後注意深く学習することにします。


2022年3月7日月曜日

称名寺Ⅰ式深鉢(No.18)(千葉市上谷津第2遺跡)の3Dモデル観察

 3D model observation of Shomyoji I Type deep bowl (No.18) (Kamiyatsu No.2 site,Chiba City)


Kasori Shellmound Museum Reiwa 3rd year special exhibition "That is also E Kasori E type pottery Chiba City 2 -Kasori E IV type pottery and its descendants-" Syomyozi Ⅰ type  deep bowl (No .18) (Kamiyatsu No.2 site,Chiba City) was observed with a 3D model. A J-shaped pattern is arranged for each protrusion.


加曽利貝塚博物館令和3年度企画展「あれもE これもE 加曽利E式土器 千葉市編2 -加曽利EⅣ式土器とその末裔たち-」に展示された称名寺Ⅰ式深鉢(No.18)(千葉市上谷津第2遺跡)を3Dモデルで観察しました。

1 称名寺Ⅰ式深鉢(No.18)(千葉市上谷津第2遺跡) 観察記録3Dモデル Syomozi Ⅰ type deep bowl

称名寺Ⅰ式深鉢(No.18)(千葉市上谷津第2遺跡) 観察記録3Dモデル

撮影場所:加曽利貝塚博物館令和3年度企画展「あれもE これもE 加曽利E式土器 千葉市編2 -加曽利EⅣ式土器とその末裔たち-」

撮影月日:2022.02.22


展示の様子

ガラスショーケース越し撮影

3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v6.010 processing 138 images

Syomozi Ⅰ type deep bowl (No.18) (Kamiyatsu No.2 site,Chiba City) Observation record 3D model

Location: Kasori Shellmound Museum Reiwa 3rd year exhibition "That is also E Kasori E type pottery Chiba city edition 2 -Kasori E IV type pottery and its descendants-"

Shooting date: 2022.02.22

Shooting through a glass showcase

Generated with 3D model photogrammetry software 3DF Zephyr v6.010 processing 138 image


3Dモデルの動画

2 GigaMesh Software Frameworkによる展開


GigaMesh Software Frameworkによる展開

1と2は3DモデルをGigaMesh Software Frameworkで展開した画像です。3は1と2の画像を合成した画像で1の画像を観察するための補助資料です。4は1の画像を干渉色変換ツール(やまだこーじさん開発公開)で干渉色に変換した画像です。画像を干渉色に変換するとより観察しやすい画像になることを実験的に確かめました。


干渉色変換ツールの様子

3 メモ

3-1 展示説明


展示説明画像

千葉市出土最大石棒(令和3年度「千葉市出土考古資料優品展」で展示、2022.01.17記事「石棒(Stone rod)の3Dモデル観察」参照)のそばからこの土器が出土しています。土器が小柄であることから、祭祀専用の土器であったのではないだろうかと想像します。

3-2 文様


縄文施文域の分布


J字文の分布

波状突起に対応して縄文施文J字文が配置されていることが確認できます。しかし、頸部より下の縄文施文文様の規則性は背面が観察できないので確認できませんでした。反転J字文が1箇所あるようです。「J字文」という見方は縄文人の文様作り心性と全く無関係の現代人特有の文様切り取り方であるようです。

縄文施文域分布がとても判りずらい土器です。合成画像(GigaMesh Software Framework展開画像の3と4)がその判別に役立ちました。おそらく全面を縄文施文の後、部分的に縄文を磨り消して「地」としての縄文施文域を文様として浮かび上がらしているのだと思いますが、磨り消しが不十分で縄文文様がかすかに残存しています。そのため磨り消し域分布の把握が困難なところがあります。