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2023年9月27日水曜日

有吉北貝塚北斜面貝層 土器破片数と遺物総数の平面分布比較

 Northern slope shell layer of Ariyoshi Kita Shell Mound

Comparison of the planar distribution of the number of pottery fragments and the total number of artifacts


The planar distribution of the total number of pottery fragments and the total number of artifacts was expressed and compared in a bar graph, and their characteristics were predicted and observed. It is clearly seen that the principle of distribution of pottery fragments and the principle of distribution of the total number of artifacts are different. This can be said to be new knowledge about the Ariyoshi Kita Shell Mound.


土器破片総数と遺物総数の平面分布を棒グラフで表現・比較して、その特性を予察観察しました。土器破片分布原理と遺物総数分布原理が異なっていることが明瞭に判ります。有吉北貝塚に関する新知見誕生の可能性を感じます。

1 有吉北貝塚北斜面貝層 土器破片数と遺物総数の平面分布比較3Dモデル

有吉北貝塚北斜面貝層 土器破片数と遺物総数の平面分布比較3Dモデル

左…土器破片数メッシュ別分布棒グラフ(土器破片の総数は660)(発掘調査報告書掲載グラフから作成)

右…遺物総数メッシュ別分布棒グラフ(遺物総数は63930)(遺物台帳から集計)


有吉北貝塚北斜面貝層 土器破片数と遺物総数の平面分布比較3Dモデル画像


有吉北貝塚北斜面貝層 土器破片数と遺物総数の平面分布比較3Dモデル動画

2 メモ

平面分布(2m×2mメッシュ別分布)で見ると土器破片数はガリー谷頭部直下付近に分布のピークが存在します。一方、遺物総数はガリー谷の下流域に分布のピークがあります。その場所は斜面貝層になっているところです。土器破片数分布原理と遺物総数分布原理が異なることは明白です。有吉北貝塚に関する新知見誕生の可能性を感じます。

発掘調査報告書掲載グラフから得られた土器破片数は実際の出土土器破片数よりはるかに少数であると考えられます。しかし、土器破片が土器塚のように集中的に出土する分布特性は発掘調査報告書掲載グラフに表現されていると考えます。

遺物総数には土器破片、石鏃、打製石斧、磨製石斧、土器片錘、ハマグリ貝刃、装飾品(貝製品、骨角歯牙製品)、イノシシ頭骨、散乱人骨、アリソガイ・ハマグリ製磨貝などが含まれます。


2017年6月25日日曜日

西根遺跡に持ち込まれた土器は全て破壊されたか

QGISによるグリッド分析ができるようになったので、まず土器重量、土器破片数、1破片当たり重量を観察してみました。

1 土器重量、土器破片数、1破片当たり重量

土器重量、土器破片数、1破片当たり重量の各分布図を並べて観察できるようにしました。

土器重量、土器破片数、1破片当たり重量(第1集中地点、第2集中地点)

土器重量、土器破片数、1破片当たり重量(第3集中地点、第4集中地点、第5集中地点)

土器重量、土器破片数、1破片当たり重量(第6集中地点、第7集中地点)

区分は全て等量5分位法で、色分けも統一しました。

2 考察
2-1 土器重量と土器破片数は強く相関する
土器が多量に持ち込まれたグリッドでは土器重量が大きくなり、土器破片数も大きくなることは、大局観として当然のことですから、2つの分布図は似通ったものになります。

2-2 土器重量及び土器破片数と1破片当たり重量は逆相関する
土器重量及び土器破片数と1破片当たり重量はきれいに逆相関する様子が分布図の見比べから観察できます。
つまり、土器が沢山置かれ集中するところほど1破片あたり重量が小さくなります。
土器が集中するほど土器が細かく破壊されているということです。
この情報は西根遺跡の正体を暴くために大変重要な情報になると考えます。

土器が集中するところには大型土器が集中するのですが、その場所で土器がより細かく破壊されているということは、土器が人為的に破壊されたことを物語っていると考えます。
土器が集中する場所は祭祀の場所であると考えていますが、祭祀が熱心な場所ほど土器が祭祀行為で細かく破壊されたと考えます。

西根遺跡付近は印旛沼湖面(縄文海進の海面)近くで洪水時の急流はないので、土器破壊は流水の力ではほとんど発生しないと考えられます。
土器が埋没後に踏圧や耕作により破壊が進んだとしても、土器集中場所であればあるほどその影響は少なくなると考えられます。

西根遺跡の土器は復元すれば完形に近くなるものが多いのに、細かく破壊されているのは、持ち込まれた土器が祭祀で破壊されたからであると考えます。
この考えの妥当性を1破片当たり重量分布図が補強していると考えます。

復元土器の例
「印西市西根遺跡」から引用

この考察は次の記事につづきます。