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2023年3月4日土曜日

獣面把手(四街道市木戸先遺跡) 観察記録3Dモデル

 Animal handle(Kidosaki site,Yotsukaido city)Observation record 3D model


I created a 3D model of the Animal handle, which is currently being exhibited at the Chiba City Buried Cultural Property Research Center. It is explained that the Animal handle removed from the pottery was distributed in the latter portion of the Middle stage of the Jomon period.


千葉市埋蔵文化財調査センターで開催中特別展「遺物から見える…」に展示されている獣面把手の3Dモデルを作成しました。土器から外された獣面把手そのものが前期後葉社会で流通していたと説明されています。

1 獣面把手(四街道市木戸先遺跡) 観察記録3Dモデル

獣面把手(四街道市木戸先遺跡) 観察記録3Dモデル

撮影場所:千葉市埋蔵文化財調査センター令和4年度特別展「遺物から見える地域文化の発達 縄文時代前期後葉~末葉」

撮影月日:2023.02.27


展示の様子

ガラスショーケース越し撮影

3DF Zephyr v7.000で生成 processing 81 images

Animal handle(Kidosaki site,Yotsukaido city)Observation record 3D model

Location: Chiba Buried Cultural Property Research Center Reiwa4 Special Exhibition "The development of local culture seen from relics: the latter half of the early Jomon period to the final period of the early Jomon period" 

Shooting date: 2023.02.27

Shooting through a glass showcase

Generated with 3D model photogrammetry software 3DF Zephyr v7.000 processing 81 images


3Dモデルの動画


3Dモデルの画像

2 展示説明

「獣面把手

縄文土器の口縁部付近に獣類の顔を表現したものを獣面把手と呼びます。これらは主にイノシシの造形が多く、縄文時代前期後葉の中でも特に諸磯b式期に盛んに製作されるものです。

また、土器に貼り付けられたものだけでなく、タブレット状に加工され、それ自体が意味のあるものとして流通していました(右の写真参照)。これらのことから、縄文人はイノシシに対して特別な気持ちをもっていたことが分かります。」


展示写真

2021年3月30日火曜日

イノシシ形突起(獣面把手)観察記録3Dモデル その2

 縄文土器学習 567

2021.03.30記事「縄文前期後半 イノシシ形突起(獣面把手) 観察記録3Dモデル」に引き続き別のイノシシ形突起(獣面把手)の観察記録3Dモデルを楽しみました。

1 イノシシ形突起 3(大膳野南貝塚) 観察記録3Dモデル

イノシシ形突起 3(大膳野南貝塚) 観察記録3Dモデル

縄文時代前期後半

撮影場所:千葉市動物公園「動物園で考古学」コーナー

撮影月日:2021.03.29

ガラス面越し撮影

3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v5.019 processing45 images


展示の様子


展示の様子


観察記録3Dモデルの動画

2 感想

この小さいイノシシ形突起を観察していると、考古的興味とは別に、小さなアートとしてみることも可能であると感じました。

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3 【技術遊戯】イノシシ形突起の干渉色モデル

1のモデルの干渉色モデルを技術遊戯として作成してみました。

イノシシ形突起の干渉色モデル

「イノシシ形突起 3(大膳野南貝塚) 観察記録3Dモデル」https://skfb.ly/6ZXZoに干渉色を塗布。


干渉色モデルの動画

Wabefront(.obj)モデルのテクスチャ画像をPhotoshopトーンカーブ補正で干渉色に改変したものです。


元テクスチャ画像と干渉色テクスチャ画像


縄文前期後半 イノシシ形突起(獣面把手) 観察記録3Dモデル

 縄文土器学習 566

千葉市動物公園「動物園で考古学」コーナー観覧でイノシシ形突起(獣面把手)(大膳野南貝塚)を撮影し早速観察記録3Dモデルをつくりました。以前発掘調査報告書だけの情報ですが、イノシシ形突起の遺跡内分布について分析したことがあるので、懐かしく感じます。

1 イノシシ形突起 1(大膳野南貝塚) 観察記録3Dモデル

イノシシ形突起 1(大膳野南貝塚) 観察記録3Dモデル

縄文時代前期後半

撮影場所:千葉市動物公園「動物園で考古学」コーナー

撮影月日:2021.03.29

ガラス面越し撮影

3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v5.019 processing55 images


展示の様子


展示の様子


観察記録3Dモデルの動画

2 メモ

以前大膳野南貝塚学習をしたときのイノシシ形突起(獣面把手)関連記述は次の通りです。2018.06.27記事「貝殻・獣骨・土器片出土の意義

…………………

2-2 狩猟祭祀場所推定-(遺構外)野外

2-2-1 イノシシ形獣面把手を手掛かりとした推定 

大膳野南貝塚でイノシシ形獣面把手は24例出土していてその全てがほとんど把手だけ(イノシシ像だけ)のかけらです。


イノシシ形獣面把手出土例(一部) 写真

大膳野南貝塚発掘調査報告書から引用

イノシシ形獣面把手は諸磯b式土器の時代に流行った土器です。

この土器のイノシシ像だけが土器から打ち欠きだされたことが判ります。

またイノシシ形獣面把手の出土場所は全て遺構外からの出土になります。


大膳野南貝塚 前期集落 イノシシ形獣面把手の分布

イノシシ形獣面把手の分布は諸磯式期(浮島式期)の竪穴住居の周辺といってよい場所です。

これらの事実からイノシシ形獣面把手付土器が廃用になった時、その土器からイノシシ形獣面把手だけを打ち欠き出して、それを住居周辺に置いた(投げた、埋めた)ことが判ります。

同時に、イノシシ形獣面把手出土場所のほとんどはその直近からイノシシ頭部骨が出土しています。


イノシシ形獣面把手と遺構外イノシシ頭部骨の出土地点 5m×5mメッシュ情報から作成

遺構外イノシシ頭部骨は縄文全期のデータであり、イノシシ形獣面把手は諸磯式期のデータですから直接1:1の対応ではありませんが、イノシシ形獣面把手とイノシシ頭部骨の間の密接な関係を示唆する情報となっています。

これらの情報からイノシシ形獣面把手とイノシシ頭部骨をつかった狩猟祭祀(イノシシ祭祀)が竪穴住居近くの野外で行われたと推測することができます。

同時に、イノシシ形獣面把手付土器の使用期間以外の期間にあっても狩猟祭祀(イノシシ祭祀)は野外で行われたと敷衍して推定します。その推定の根拠は分布図で示したイノシシ頭部骨の遺構外からの大量出土です。イノシシ頭部骨の遺構外分布は後期集落の漆喰貝層有竪穴住居の周辺に該当します。

…………………

3 感想

「動物園で考古学」コーナー観覧で器台1点、イノシシ形突起3点、鳥形突起1点の3Dモデル作成用撮影をしましたので、これらの3Dモデルを作成して、コレクションに追加しておくことにします。


2020年3月25日水曜日

獣面把手(?)付加曽利EⅣ式土器

縄文土器学習 385

現在、加曽利貝塚博物館E式土器企画展(終了)の展示土器について学習しています。この記事では加曽利EⅣ式土器学習として、加曽利EⅣ式深鉢(後期称名寺式期)(印西市馬込遺跡)企16土器を観察します。(企16はこのブログにおける整理番号です。)

1 加曽利EⅣ式深鉢(後期称名寺式期)(印西市馬込遺跡)企16 観察記録3Dモデル正置

加曽利EⅣ式深鉢(後期称名寺式期)(印西市馬込遺跡)企16 観察記録3Dモデル正置
撮影場所:加曽利貝塚博物館 企画展「あれもE これもE ―加曽利E式土器(印旛地域編)―」
撮影月日:2019.11.19
整理番号:企16
ガラス面越し撮影
3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v4.530 processing 49 images

展示の状況

展示土器を3Dモデルで側面から見た画像
土器が20度ほど傾かせて展示されている様子がわかります。技術的に正置が困難だったのでしょうか。

2 3Dモデルから作成した文様浮彫展開写真
GigaMesh Software Frameworkを使って3Dモデルから文様浮彫展開写真を作りました。

加曽利EⅣ式深鉢(後期称名寺式期)(印西市馬込遺跡)企16 文様浮彫展開写真 1

加曽利EⅣ式深鉢(後期称名寺式期)(印西市馬込遺跡)企16 文様浮彫展開写真 2(参考)

3 観察と感想
・口縁部文様帯がなく、弧線文が単位文になっていることから加曽利EⅣ式土器として判定されたものと考えます。
・最も大きな把手を上から見ると三角形で口先のとがった蛇をイメージするような形状となっていて、獣面把手であると考えます。この把手にある多数の穴がどのような思考・感覚に伴って作られたのかわからないので、異様に感じます。

3Dモデルを上からみた画像

・波状口縁や大げさで凝った立体文様を施した把手のある土器が多い時期(場所)は生活の困難さが大きかった時期(場所)であると仮説していて、その仮説の立証を目指して学習を進めています。