2012年5月24日木曜日

小金牧周辺野絵図(閲覧資料)の閲覧

現在の横戸台付近に、もともと花見川と古柏井川の谷中分水界があったこと(そこが花見川の最源流部であったこと)を認識することが、花見川に関わる自然・歴史・文化・開発について考えて行くうえで必須のポイントです。

この認識なくして、花見川について云々することはできません。

その花見川と古柏井川の谷中分水界の存在を証拠だてる最大の資料が小金牧周辺野絵図です。(2012.4.27記事「印旛沼堀割普請前の花見川と古柏井川の谷中分水界」参照)

これまで、小金牧周辺野絵図は書籍の図版でだけで見ていましたが、このブログで進めている各テーマのキーとなる資料だけに、実物を確認しておきたくなり、動いてみました。

1 千葉県文書館に収蔵されていることが判明
「絵にみる図でよむ千葉市図誌 下巻」(千葉市発行)では小金牧周辺野絵図は千葉県立中央図書館所蔵となっています。
千葉県立中央図書館に閲覧を申し込んだところ、収蔵先が変わり、次の機関に収蔵されていることが判りました。

千葉県立文書館
千葉県立文書館は県行政文書と古文書の2つを収集保存し、情報提供している機関です。

小金牧周辺野絵図は次の資料の1つです。

収蔵古文書一覧等(抜粋)

項目
記述
地区別
東葛飾地区
整理番号
200
文書名(所在地)
綿貫家文書(松戸市)
点数
36
概要
小金牧の野馬奉行兼牧士支配を務めた当家伝来の文書群である。県立中央図書館から移管された。
閲覧
千葉県立文書館ホームページより作成

2 閲覧資料の閲覧
残念なことですが、小金牧周辺野絵図現物は傷みが激しいため閲覧は停止しており、閲覧資料(スナップ写真)の閲覧となりました。

これまで利用してきた書籍図版はトリミングされており、絵図の余白がどうなっているのか(もしかしたらそこに情報があるのではないか)という疑問を解消する上で、スナップ写真であっても絵図全体を見ることができ、よかったと思います。

結果として、絵図余白等に特段の情報はありませんでした。

また、この閲覧で次のことが判りました。
ア 広大な小金牧全体の絵図であり「田」の分布が谷津谷底の分布と重なることや水場(湧水)の記述があることなどから、花見川筋に限らず、往時(17世紀中葉)の地形復元・確認資料として活用できる。
イ 「コホリ」など野馬除け施設に関する記述が、これまで気がつかなかった場所にあり、小金牧に焦点をあてた興味が膨らんだ際には貴重な資料として活用できる。

次に閲覧資料(スナップ写真)の写真を示します。

柏井内野付近

全体の1/4の姿

全体(スナップ写真のコピーの切張りのコピーを撮影)

現物を手にした時の感動的印象はありませんでしたが、私が現物から引き出したいと思っていた情報は、既に得られていたと確認ができ、所期の目的を達成しました。

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