2012.5.5記事「鷹之台カンツリー倶楽部内古墳の見学」で話題にした高台南古墳について、追加情報を期待して調査しましたが、結局新たな情報を得ることができませんでした。
その経緯を記録しておきます。
1 鷹の台自治会長ヒアリング
鷹の台自治会会長の原田雅男さんにヒアリングする機会を得ました。
原田さんは旧ゴルフ場跡地開拓者であり、高台南古墳の石棺が出土したときに、実見されている方です。
原田さんは、また、柏井小学校の10年誌、20年誌、30年誌を執筆され、地域の歴史にとても造詣の深い方です。
その原田さんから、これまで高台南古墳の調査記録等は見たことがなく、古墳に関わる学術的調査は行われなかったのではないかというお話を聞きました。
県教育委員会の情報では、この古墳は武田宗久が調査されたのではないかとのことでした。この情報を原田さんに話すと、原田さんは千葉高校で武田宗久先生に教わったことがあり、柏井小学校の年誌執筆に際して、地域の歴史について指導を受けたことがあるが、ついぞ高台南古墳の調査については聞いたことがないとのことでした。
2 千葉大学史学科問い合わせ
ゴルフ場地主会会長の川口幹さんが千葉大学文理学部の数学の教授であった関係で、出土した石棺等は千葉大学文学部史学科に保存されているという情報が柏井小学校年誌に伝えられてきています。
この情報にもとづいて、千葉大学史学科に高台南古墳の出土物が保管されているのか、調査記録等が存在するのか、それらは閲覧できるのか問い合わせてみました。
史学科考古学講座より次のような回答がありました。
・考古学講座の台帳には高台南古墳の記載はない。
・おそらく教養部所管の倉庫に格納されていると推測される。
・ただし、所在が不確かで、調査されたものではない表採品を精査することは諸般の事情から困難である。
とのことでした。
何かの機会に判明したら知らせていただけるとのお話はいただくことができました。
千葉大学に出土物は運ばれたけれども、結局調査はなされていないようです。
3 資料調査
3-1 「前方後円墳集成 東北・関東編」(山川出版社、1994)
次の情報と位置図が掲載されています。
この中の文献「千葉県所在古墳詳細分布調査報告書」を次に示します。
3-2 「千葉県所在古墳詳細分布調査報告書」(千葉県教育委員会、1990)
次の情報と位置図が掲載されています。
これらの資料から得られる情報は千葉県埋蔵文化財地図とほぼ同じです。
武田宗久が確認調査とあることから、現場確認を武田宗久がおこない、このリスト情報を作成し、それ以外の調査報告書類はないということがわかってきました。
双方の資料ともに住所が柏井町で間違っています。地図上の位置は正確には横戸町です。最初の調査表作成者が住所を勘違いし、それが延々と引き継がれているようです。
ということで、高台南古墳について少し動き回ってみましたが、特段の情報が得られなかったことを記録しておきます。
* * *
横戸台にある双子塚古墳について、その出土物の閲覧機会が得られることになりそうです。閲覧後、報告します。
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