2012.6.26記事「河道逆行争奪の証拠5花見川による断層崖先行谷津パターンの取り込み」に海老川乱歩さんから次のコメントをいただきました。
海老川乱歩さんのコメント
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googleにアカウントを持っていないので匿名で
失礼させていただきます。
とりあえずニックネームを「海老川乱歩」
とさせていただきます。
毎日わくわくしながら拝読させていただいております。
小生44歳の男性です。
7歳から20歳まで花見川団地に住んでおりました。
20歳から現在まで、同じ千葉県の船橋市に居住しております。
Cooler様が紹介してくださる写真や内容は7割くらいは、
昔自転車で走り回っていた所なので既知のものなのですが、
残りの3割は、こんな所があったのかとただ驚くばかりです。
小生、地学に多少興味があり、なぜ谷ができるのか
不思議に思っておりました。
このブログを読んで長年の疑問が解決し
胸がすっきりしております。
我々が何気なく住んでいる花見川周辺は、長い年月で見ると
ダイナミックな地殻変動が
発生していることが分かりびっくりしています。
花見川周辺は、地学のいい教科書だったんですね。
1つ教えていただきたいのですが本日(2012/06/26)のブログ内容で
無能谷があります。たとえば花見川団地の商店街横の
中央公園の谷ですが、
花見川第1小学校のところで北上していたのが東に曲がっています。
無能谷とありますが、花見川第1小学校付近から
京成大和田駅方向に
「谷」の痕跡などはあるのでしょうか。
さこう医院から大和田駅に行く道路は自転車でしか
通った事がないので
小生は谷の痕跡があるのか分かりません。
(小学生の頃は、セミ取りなどで、林から鷹の台ゴルフ場に1回でけ
入ってしまったことはありますがゴルフ場内の詳細な地形などは
記憶にありません)
どうかご教授の程よろしくお願い致します。
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このブログを見ていただき、またコメントをいただき、感謝申し上げます。
質問に回答いたします。
断層崖(小崖2)が生じて、それに起因して水系パターンが変化し、断層崖によって上流を切られた無能谷が生まれたという私の説明に、その証拠があるのかという質問だと思います。
次の図は下総上位面の微地形を見るために作成した0.5m刻みの地形段彩図です。
下総上位面に焦点を当てた地形段彩図
レーザ航空測量による5mメッシュ(0.1m刻み標高データ)をGISソフト地図太郎で加工して作成
この地形段彩図をみると台地表面に2つの谷状の微地形を追うことができます。
この谷状の微地形が海老川乱歩さんから質問のあった無能谷の証拠(無能谷そのもの)と考えています。
1~2m程度の比高の谷ですが、建造物や林により視界が遮られ、説明がなければ一般に直観することは困難だと思います。
上記図に谷状微地形(無能谷)筋を書き込んでみました。
無能谷筋の表示
下総上位面が離水して陸化したのが12万年くらい前で、下総下位面がつくられたのが10万年前くらいと勝手に考えると、この谷が無能谷になったのはその間で、かなり12万年前に近い時だと思います。
つまりこの無能谷は下総上位面形成直後に形成され、すぐに無能谷化した、花見川流域ではその起源が最も古い谷だと考えています。花見川流域最古の谷がそのまま化石化したものと考えます。
無能谷化してから12万年近くの間火山灰が降り注いでいます。近くのボーリングデータではこの付近に5~6mの火山灰が堆積しています。
次の図は、この地形段彩図を3D図で強調表現して、無能谷の筋を示したものです。
地形3D図
カシミール3Dにより高さ強調20倍で作成
無能谷筋を旧版1万分の1地形図にプロットとしてみました。
旧版1万分の1地形図の等高線からこの無能谷筋を見つけることはできません。
旧版1万分の1地形図
次に、無能谷筋を現代DM図にプロットしてみました。
DM図
千葉市及び八千代市提供DM図
DM図から無能谷筋を見つけることは不可能ではないと思いますが決め手に欠けます。
しかし、一度無能谷筋をプロットしてみると、その筋の最もらしさをDM図コンターが説明しているように感じます。
海老川乱歩です。
返信削除■回答のお礼
Cooler先生、回答ありがとうございました。
地形段彩図を見ると、仲東谷津よりも浅い谷なのですね。
等高線でも表現できないのですから、恐らく現場に行っても、
民家や立木、生垣に阻まれて、私のような素人が確認するには
難しいと思われます。
(仲東谷津は、団地から八千代台駅に行くときに自転車で
よく通っていたので浅い窪みを体感できます。
隣の仲西谷津は、ストリートビューでも浅い谷を確認できますね。)
せっかくここまできたのですから、花島の谷津はどこにつながっているのかも
知りたくなってしまいました。
(小生は、花5(現在は廃校)出身なので、花島の谷津は遊び場でした。
今は花島の谷津は、公園として整備されているので、
私が小学生の頃とは比べものにならないくらい綺麗になっているようですね。)
■このブログをここまで読んだ感想と私の考え
国土地理院の空中写真 USA-M223-73 を見ると、
芦太川の谷頭部(花3小付近?)と花島の谷津の谷頭部(花島小付近(旧花4小))の
位置がほぼ等しい(他の印旛水系の谷頭部とほぼ直線で結ばれる)ので、
昔は花島の谷津も印旛水系だったというのもうなずけるような気がします。
(最初は、Cooler先生のおっしゃる事が信じられませんでした)
またこの空中写真をよく見ると、芦太川の谷津と仲東谷津が交差する所で
芦太川の谷津が東西方向にずれているようにも見えます。
花見川に両サイド(東側と西側から力が加わって)花見川付近が隆起したか、
花見川の片側(東か西)だけ力が加わって花見川付近が隆起し、
花見川だけ水系パターン異常が発生したのでしょうか。
そう考えると小崖は、最低でも垂直方向と水平方向の2回動いたのでしょうか。
いつかはまた動く事も考えて備えなくてはいけませんね。
(学者が花見川周辺の崖に無関心のようにみえるのは、私だけでしょうか。
Cooler先生が学者でしたら「すいません」)
USA-M223-73 を見ると地殻変動の痕跡が何本か写っていますが、
小崖には○○断層のような名前がついていないのでしょうか。
ノーマークだといつか痛い目にあうと思います。
こんな身近な所にあるとは思いませんでした。
恐らく日本中にこんな感じで身近な所に、
無名のものが沢山あるのではないでしょうか。
USA-M223-73 は、花見川周辺の地殻変動の痕跡を写したいい写真だと思います。
地形ネタがあれば、また期を見てお願いいたします。
(小生、古代史(縄文、弥生)、郷土史にも興味がありますので、
まだまだこのブログをわくわくしながら読めそうです。)
海老川乱歩さん
返信削除コメントありがとうございます。
芦太川が断層崖のところで東西方向にずれていることを発見されて、よく地形をみていて感心しました。
おそらく、海老川乱歩さんのおっしゃるとおり、断層の水平のずれだと思います。
そう考えると、花見川の柏井集落の載っている広い河岸段丘とその北の下総下位面(浅い谷)の存在の説明がよくつきます。そこが本来の川筋であったと考えられます。
この付近の断層地形の検討はだれも行っていないようです。(国総研や県中央博物館ヒアリング)しかし、12万年前より新しい時代に動いた断層ですから、(現在の定義により)活断層だとおもいます。危険性がどの程度あるのかなど、専門家の調査が必要だと思います。
海老川乱歩さんのコメントに触発されて考えたことを後日記事にしますのでよろしくお願いします。
海老川乱歩様
返信削除追伸
当方は「先生」でも「学者」でもありません。市井の建設技術者(のなれの果て)です。もしよろしければ「先生」ではなく「さん」にしていただければありがたいです。
海老川乱歩です。
返信削除失礼しました。
それでは、クーラーさんと呼ばせていただきます。
2012/07/01 のコメントを一部修正させてください。
)の位置を訂正します。
・誤
花見川に両サイド(東側と西側から力が加わって)花見川付近が隆起したか、
・正
花見川に両サイド(東側と西側)から力が加わって花見川付近が隆起したか、