2025年12月1日月曜日

斜面貝層形成仮説とその検証方法

 The slope shell formation hypothesis and its verification method.


This image summarizes the slope shell formation hypothesis and its verification method. The hypothesis will be verified through cross-sectional observation and analysis of excavated samples.


斜面貝層形成仮説とその検証方法の概要を画像にまとめました。仮説検証は剥ぎ取り断面観察分析により行います。

1 斜面貝層形成仮説の検証方法


斜面貝層形成仮説の検証方法

斜面貝層形成仮説とその検証方法の概要を画像にまとめました。

仮説

・斜面上部からハマグリ、イボキサゴ、イボキサゴ破砕貝片などが投棄された

・重力と葡行現象により貝殻が移動し、斜面下部ほど選択的にハマグリが堆積した

仮説検証方法

剥ぎ取り断面の観察・写真による仮説検証

・種別サイズ分析(下部ハマグリ純層確認)

・貝殻配向分析(葡行現象の配向確認)

・層境界分析(連続的境界分布の確認)

・貝殻破損分析(下部ほど貝殻破損確認)

2 参考 剥ぎ取り断面画像


剥ぎ取り断面画像


剥ぎ取り断面画像(貝殻外縁線強調)

3 メモ

剥ぎ取り断面画像を細かく観察すると、上記検証ができそうな感覚を持つことができました。しかし、実際に詳細作業をして見なければ、本当に検証できるかどうかわかりません、現状で予定調和的に検証がうまくゆく保証はありません。リスキーな一抹の不安をともなう活動です。それだけに、この状況をなんとしてでも突破したいという強い学習意欲が湧いてきます。


2025年11月のブログ活動のふりかえり

 A look back at blog activities in November 2025


I've been reflecting on the activities of the blog "Walking the Hanami River Basin" in November 2025.

In November, I conducted statistical analysis to compare species characteristics of the 3D distribution of artifacts excavated from the shell layer on the northern slope of the Ariyoshikita Shell Mound. Through this, I was able to hypothesize the distribution principle of the artifacts and shell layer. This was a milestone in my learning.


ブログ「花見川流域を歩く」の2025年11月活動をふりかえりました。

11月は有吉北貝塚北斜面貝層の出土遺物3D分布について、統計分析により種別特性を比較する活動を行いました。この中で遺物及び貝層の分布原理仮説を獲得できました。自分の学習活動の中で画期的出来事になりました。

1 ブログ「花見川流域を歩く」

・2025年11月の記事数は20です。

・石器、土器、骨などについて標準偏差による最近隣距離4区分分析を行い、比較検討しました。

・この検討の中で、「斜面貝層における遺物分布仮説 -大きい遺物ほど斜面下部に分布する-」と「斜面貝層形成仮説 -ハマグリが斜面下部に分布する-」を設定することができました。

2 ブログ「花見川流域を歩く 自然・風景編」

・早朝散歩記事4編を書きました。

3 2025年11月活動の特徴

・当初の11月活動目標は全遺物種について統計的分析比較により分布類縁性を浮かび上がらせるものでしたが、それは時間的に無理があり、できませんでした。しかし、石器、土器、骨などの密集域分布比較検討の中で、遺物と貝層の分布原理仮説に気が付くことができ、自分の北斜面貝層取組みで画期的出来事となりました。数年来継続発展させている有吉北貝塚北斜面貝層学習の一つのピークに到達できたという感覚を覚えます。

・技術的に、「標準偏差による最近隣距離4区分」をまとめました。自分レベルの技術基準づくりです。

・興味のある幾つかの具体的テーマに取組むことができませんので、12月に取組むことにします。

4 2025年12月活動の展望

・12月から、貝層断面図(セクション図)データベース化のための基礎検討に取組みます。貝層断面図情報をそのまま北斜面貝層検討作業に利用できる道筋を作る作業です。現状資料は層相観察点情報が記録としては面情報に引き延ばされていて、自分の作業には、そのまま使えない状況です。

・貝層断面図の活用策検討の基礎作業として、剥ぎ取り断面貝層(千葉県立中央博物館展示)の現場観察・写真分析を次の項目について行います。

貝殻種別サイズ分析

貝殻配向分析

層境界分析

貝殻破損分析

・この分析活動は貝層分布原理仮説検証活動ですが、この活動の中で、貝層断面図活用方策のアイディアが必ず生まれると期待しています。この活動は2025年12月と2026年1月の2カ月間を予定します。

・11月に思い浮かび、実行できなかった次の技術課題に可能な限り取組みます。

最近隣距離によらない点群密度表現(「〇m圏内遺物数」など)

点群密度表現が可能なBlenderアドオン等の試用評価(Scatterplot 3D 、MeasureIt / MeasureIt-ARCH)

点群分布空間の連続断面作成とその動画作成技術

時期別土器片3D分布データ(発掘調査報告書掲載グラフ由来データ)を遺物種3D分布分布データ(発掘原票由来データ)にプロットして、北斜面貝層全体の時期別考察を深める

294番土器破片の土器3D分布データへのプロット(層位との関連分析、土器破片大きさの分布分析)

斜面性貝層出土土器で復元されている土器現物を閲覧して、土器片遺物番号情報を取得し、精細な3D分布情報を得る

5 2026年前半活動イメージ

2025年12月~2026年1月…剥ぎ取り断面貝層を軸とする貝層断面図活用方策検討、貝層分布原理仮説検証、貝層断面図データベース作成

2026年2月~3月…貝層データベースと遺物データベースの関連検討、遺物分布原理仮説検証

2026年4月~6月…発掘調査報告書掲載土器の土器片遺物番号調査、土器型式情報の遺物データベースへのリンク、遺物データベースの土器型式を使った分析

参考

ブログ「花見川流域を歩く」2025年11月記事(〇は閲覧の多いもの)


2025年11月 Sketchfabに投稿した3Dモデル


2025年11月 YouTubeに投稿した動画


2025年11月 ブログ「花見川流域を歩く」投稿記事に掲載した画像