2017年8月9日水曜日

縄文時代後期海面分布の想定

2017.08.08記事「縄文時代後期の戸神川谷津海岸線の推定」で土器集中地点時期別の海岸線位置を推定しました。

この海岸線推定位置付近のボーリングデータを見てみました。

戸神川谷津海退時堆積物(推定)の下限高度

最上流ボーリングデータ(右端)の位置が「第3集中地点時期の海岸線」の近くにあります。そしてボーリングデータの海退時堆積物の下限高度が1.89mであり、第3集中地点形成時期頃の推定海面高度1.9mと近似します。
この位置と高度の近似からこれまでの推定の確からしさを確認できます。

上流から2番目のボーリングデータ(右から2つ目)の位置は第5・6集中地点時期の海岸線位置に近似します。
しかし海退時堆積物の下限高度が2.45mになっています。従って海面高度を1.8mとして想定すると、その海面高度のとき、このボーリングデータ地点は陸域になっていたことが考えられます。海面高度1.8mの海(谷空間)はこのボーリング地点を避けてその近くであったことが想定されます。

このボーリングデータを参考にすると、次のような第3集中地点時期の海面分布を想定することができます。

西根遺跡 土器第3集中地点形成時期頃の海面分布想定

ボーリングデータから、縄文時代海退時期の海が現在谷津谷底平野幅と比べるとかなり狭い可能性があることに気がつかされました。

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参考 縄文時代後期谷津形成モデルに基づく海岸線位置の試算

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