2025年4月8日火曜日

イノシシ顎骨と狩猟道具3点の接近出土

 A boar jawbone and three hunting tools were unearthed in close proximity


I discovered a place where a boar jawbone and three hunting tools (a deer bone piercing tool, a marine animal bone fish hook, and a stone arrowhead) were unearthed in close proximity. A dense area of ​​bones and teeth surrounds the site. I hypothesized that this area was a ritual space consisting of an altar and a place to eat animal meat.


イノシシ顎骨と狩猟道具3点(鹿骨製刺突具、海獣骨製釣針、石鏃)が接近出土する場所を発見しました。その場所を囲んで骨・歯分布密集域が広がります。この付近が祭壇と獣肉を食べる場から構成される祭場空間だと仮説しました。

1 イノシシ顎骨と狩猟道具3点の接近出土

イノシシ顎骨出土例


イノシシ顎骨に接近して出土する遺物

イノシシ顎骨、石鏃、骨角歯牙製品、貝製品(装飾品)、人骨を集成した3D 分布モデルを作成したところ、イノシシ顎骨、刺突具(鹿骨)、釣針(海獣骨)、石鏃が接近出土する場所を発見しました。

2 イノシシ顎骨等4点内包球の作成


イノシシ顎骨等4点内包球の作成

この4 遺物接近出土の場所が骨・歯3D分布との関連で気になるので、4遺物を内包する球を3D空間に設定しました。

3 イノシシ顎骨等4点内包球と骨・歯3D分布との空間関係


イノシシ顎骨等4点内包球と骨・歯3D分布との空間関係

イノシシ顎骨等4点内包球と骨・歯3D分布との関係を観察しました。結果、内包球が骨・歯3D分布における密集域空白部にすっぽりと入ることを確認しました。骨・歯密集域空白部は11 断面のS3層の褐色部に対応します。

4 作業仮説

以上の空間関係から、次の作業仮説を設定しました。

「イノシシ顎骨をトーテムとした狩猟関連祭祀の場(直径1mくらいの祭壇空間)が斜面貝層に継続して存在し、刺突具(鹿骨)、釣針(海獣骨)、石鏃などが埋納された。その場所には貝殻投棄が行われないので、その場所だけ貝層は褐色となった。祭祀の度毎にごちそうの獣肉を含む飲食がおこなわれたので、祭祀の場(祭壇空間)の周りには骨・歯の密集域が形成された。イノシシ顎骨等出土域とそれを囲む骨・歯密集域をセットで祭場空間として捉える。」


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