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2020年12月30日水曜日

有吉北貝塚 前期土製耳飾

 縄文社会消長分析学習 66

有吉北貝塚前期土製耳飾について学習しました。

1 前期の土製耳飾

有吉北貝塚の前期遺物として11点の土製耳飾が出土しています。すべて玦状耳飾です。


前期土製耳飾実測図

有吉北貝塚発掘調査報告書から引用。

2 前期土製耳飾分布図

遺構番号を手がかりに前期土製耳飾出土場所の分布図を作成しました。


有吉北貝塚 前期 土器埋設 土坑 土製耳飾 土器分布(2D)


有吉北貝塚 前期 土器埋設 土坑 土製耳飾 土器分布(3D)

南貝層斜面から6点、台地面とその周辺から3点、北貝層斜面から2点出土しています。前期遺構はほとんどすべて中期遺構で上書きされ消滅していますので、土製耳飾もほとんどが中期に人為的に移動したものであり、その分布から有用情報を汲み取ることは困難です。

3 ブロック分割番号を利用した分布図の作成

前期土製耳飾の出土位置は次の遺物表掲載遺構番号欄情報から知ることができます。

前期土製耳飾の遺物表

有吉北貝塚発掘調査報告書から引用

11点遺物のうち遺構番号→発掘調査報告書貼付図面からその位置が判るものは2点あります。

他の9点はグリッド分割番号からその位置が判ります。グリッド分割番号からその位置を視認してGISにプロットするために、次の作業補助資料を作成しました。


3腫のグリッド分割図

GISのレイヤーとして基本・北斜面貝層・南貝層斜面グリッド分割図を貼り付けました。


視認補助資料

基本・北斜面貝層・南貝層斜面グリッド分割図における番号特定のための視認補助資料(手持ち資料)を作成しました。

この資料作成により今後の発掘調査報告書解読分析がかなり緻密になると期待します。場所の正確な確認は省略して読み進むという弊害が除去されることになります。


2018年12月13日木曜日

千葉県遺跡分布地図帳 縄文時代遺跡分布 2

私家版千葉県遺跡DB地図帳 5 縄文時代遺跡分布 2

私家版千葉県遺跡DBの全レコード(20130)のうち縄文時代遺跡6680レコードを対象に時期別分布図を作成しました。

1 縄文時代時期別遺跡数

縄文時代時期別遺跡数
(2018.12.17訂正)
草創期遺跡は6遺跡にとどまります。縄文時代草創期遺跡がこの6遺跡以外に千葉県に存在することは後出掲載資料で確認できます。
早期の方が前期より遺跡数が少しだけ多くなっています。中期になると遺跡数が急増します。後期には若干遺跡数が減少しますが早期、前期より高い値を示します。晩期になると遺跡数は急減します。

2 私家版千葉県遺跡DB地図帳 縄文時代遺跡時期別分布

私家版千葉県遺跡DB地図帳 縄文時代草創期遺跡分布 019
(2018.12.17訂正)

私家版千葉県遺跡DB地図帳 縄文時代早期遺跡分布 021

私家版千葉県遺跡DB地図帳 縄文時代前期遺跡分布 023
(2018.12.17訂正)

私家版千葉県遺跡DB地図帳 縄文時代中期遺跡分布 025
(2018.12.17訂正)

私家版千葉県遺跡DB地図帳 縄文時代後期遺跡分布 027
(2018.12.17訂正)

私家版千葉県遺跡DB地図帳 縄文時代晩期遺跡分布 029

私家版千葉県遺跡DB地図帳 縄文時代(時期未記載)遺跡分布 031
(2018.12.17訂正)

3 千葉県縄文時代草創期遺跡例
「千葉県の歴史 資料編 考古1(旧石器・縄文時代)」(千葉県発行)掲載事例に縄文時代草創期遺跡事例として次の13遺跡の詳しい情報が掲載されています。

「千葉県の歴史資料編」縄文時代草創期遺跡
千葉県では旧石器時代→縄文時代草創期→縄文時代早期と途切れることなく原始人の生活・活動が存在していて、それらの遺跡が時間連続的に存在していると推察できます。

4 メモ
・早期→前期で遺跡高密度分布域が東→西、南→北に移動するように観察できます。遺跡高密度分布域の変化を詳しく分析すれば有用な情報を得ることができそうです。
・前期→中期で遺跡高密度分布域が西→中央部に移動するような様子が見えます。その変化を詳しく分析すれば有用な情報を得ることができそうです。
・中期→後期で遺跡分布が各所で凝集して密な部分と疎な部分に分かれるような印象を受けます。その変化を詳しく分析すれば有用な情報を得ることができそうです。
・後期→晩期で遺跡数が急減しますが、晩期遺跡分布は等間隔的印象をうける疎ら分布であり、後期に各所で凝集した遺跡高密度域の究極の終着段階のような印象を受けます。その変化を詳しく分析すれば有用な情報を得ることができそうです。
・千葉県縄文時代時期別遺跡分布図はこの記事掲載地図が最初であり、過去には存在していないと考えますので、学習素材として大きな価値があると考えます。

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記事を修正しました。(2018.12.17)