土器塚学習に入る前に、西根遺跡で強く仮説している「土器破壊」についてまとめておきます。
西根遺跡も周辺土器塚も土器破壊によって土器を送っていたと考えます。
1 西根遺跡出土土器の割れ方
2017.07.12記事「西根遺跡の土器壊れ方観察」、2017.07.13記事「西根遺跡の土器の壊れ方観察2」で書いたとおり西根遺跡出土土器で観察したものは破片の様子から全て人為的に壊していると結論づけることができます。
観察例
観察例
上記記事では、一部が欠けたりして使えなくなった機能喪失土器(まだバラバラになっていない土器の姿を残している廃用土器)が西根遺跡にもちこまれて、破壊されたと考えて、次のような考察を行いました。
「5点の土器は残存度の割りに土器破片が小さく、土器破片に元の姿を想起させるような大判のものがありません。
この壊れ方から、全てほぼ完形に近い土器を人為的に破壊して元の形が思い出せないようにしたものであると考えます。
元の姿に決して戻れないレベルまで壊すことによって、土器送りを行ったものと考えます。
西根遺跡の土器は全てほぼ完形に近い姿で持ち込まれ、祭祀の場で人為的に徹底して壊されたと考えます。
・西根遺跡の土器は残存度の高いものが多いことから、完形に近い姿で持ち込まれたと考えます。
・西根遺跡の土器の壊れ方が進んでいること(細片になっていること)と破片出土状況(破片が散逸していない状況)から自然的要因(流水や地象)による破壊は考える必要がないと考えます。」
「3つの土器ともに土器の完形姿を残すような大型片はなく、破片の集合から元の形を想起することが困難です。
このように、完形姿に近い土器を出土場所で徹底的に壊した理由は土器が何らかの機能を残して再利用される可能性を完全に排除する意思が働いたからだと考えられます。
土器の残片の中にカーブした部分や輪や凹んだ部分が残れば、モノを入れたり、モノを覆ったりする機能が残ってしまいます。リサイクル品としての機能が残ってしまいます。
それでは土器を完全に送ることができないという心理が働いたのだと思います。
土器を完全に送るため、自分の心と齟齬が生れない丁寧な送りをするために、土器を徹底して壊したのだと考えます。」
2 西根遺跡の「土器片大きさと土器密集度の逆相関」
西根遺跡では土器が密集する場所(大型土器が多く、獣骨が分布する祭祀中心地)ほど土器片の大きさが小さくなっています。
2017.06.25記事「西根遺跡に持ち込まれた土器は全て破壊されたか」参照
1m×1mグリッドあたり土器重量と1破片あたり重量
祭祀が熱心に行われた場所ほど土器破壊が熱心だったことがデータとして明らかになりました。
(注 発掘時における土器破壊の可能性
上記データがあまりにもドラスティックなので、発掘現場をしらないため私は重機の影響等の存在を疑い関係者にお伺いしたところ、発掘では重機は使用せず、発掘作業で土器が破壊されたような状況は無いと教えていただきました。)
3 アイヌ「物神の霊送り」と土器破壊の通底性
北原次郎太「アイヌの祭具 イナウの研究」(北海道大学出版会)ではアイヌ儀礼における「物神の霊送り」でつぎのように記述しています。
「その他の細々とした道具類も、使用に耐えなくなる、あるいは役割を終えると霊送りを行う。その際、どこかに傷をつけることで、霊魂が抜け出して神界へ戻ることができるという。」
アイヌのこのような思考と西根遺跡土器破壊で想定した思考は原始時代に遡る思考という点で通底していると考えます。
4 土器を壊すことにより土器を送る
上記1、2のデータと3の情報から西根遺跡の土器は全て現場で破壊されたものと考えます。
土器塚も同じ状況であると想定して土器塚学習を始めます。
……………………………………………………………………
5 参考 西根遺跡発掘調査報告書における土器破壊記述
西根遺跡発掘調査報告書ではつぎのような記述があります。
「ただし、打ち欠いて廃棄している例が若干みられ、…」
次の2つの理由からこのような控えめな記述になったと考えます。
1 現場発掘担当者、土器復元担当者、報告書執筆担当者が異なることによる
現場発掘担当者、土器復元担当者、報告書執筆担当者が同一人であれば土器が全て人為的に破壊された可能性を感じると思います。
2 流水営力イメージの誤解
報告書執筆担当者が縄文時代後期の戸神川地形環境(海の河口部)についての情報を所持していれば、流水営力による土器破壊や移動は極めて限定されることから、土器の人為的破壊に意識が向いたと考えます。
発掘関係者は現在戸神川の流水を誤ってそのままイメージしてしまうととともに、その流水営力についてもあまりにも過大に想像してしまったのだと考えます。
2017年8月18日金曜日
2017年7月13日木曜日
西根遺跡の土器の壊れ方観察2
西根遺跡出土縄文時代土器(加曽利B式土器)の壊れ方観察を2017.07.12記事「西根遺跡の土器壊れ方観察」に引き続き行います。
この記事では特大土器を観察します。
1 第122図361番土器
・第4集中地点
・深鉢E2
・口径37.0㎝、底径11.3㎝、器高62.5㎝、容量36.9l
・残存度80%
・被熱
第122図361番土器外観1
千葉県教育委員会所蔵
第122図361番土器外観2
千葉県教育委員会所蔵
完形姿に近い機能喪失土器を苦労して持ち込み、出土場所で人為的に壊したものと考えられます。
2 第133図437番土器
・第4集中地点
・壺A3
・口径35.7㎝、底径8.8㎝、器高74.1㎝、重量12.2㎏、容量69.7l
・残存度90%
・被熱、底面外面下端が摩滅
第133図437番土器外観1
千葉県教育委員会所蔵
第133図437番土器外観2
千葉県教育委員会所蔵
完形姿に近い機能喪失土器を苦労して持ち込み、出土場所で人為的に壊したものと考えられます。
3 第144図491番土器
・第4集中地点
・深鉢B2a
・口径38.0㎝、底径9.1㎝、器高54.0㎝、容量35.3l
・残存度50%
・被熱
第144図491番土器外観1
千葉県教育委員会所蔵
第144図491番土器外観2
千葉県教育委員会所蔵
完形姿に近い機能喪失土器を苦労して持ち込み、出土場所で人為的に壊したものと考えられます。
4 考察
3つの土器ともに土器の完形姿を残すような大型片はなく、破片の集合から元の形を想起することが困難です。
このように、完形姿に近い土器を出土場所で徹底的に壊した理由は土器が何らかの機能を残して再利用される可能性を完全に排除する意思が働いたからだと考えられます。
土器の残片の中にカーブした部分や輪や凹んだ部分が残れば、モノを入れたり、モノを覆ったりする機能が残ってしまいます。リサイクル品としての機能が残ってしまいます。
それでは土器を完全に送ることができないという心理が働いたのだと思います。
土器を完全に送るため、自分の心と齟齬が生れない丁寧な送りをするために、土器を徹底して壊したのだと考えます。
この記事では特大土器を観察します。
1 第122図361番土器
・第4集中地点
・深鉢E2
・口径37.0㎝、底径11.3㎝、器高62.5㎝、容量36.9l
・残存度80%
・被熱
第122図361番土器外観1
千葉県教育委員会所蔵
第122図361番土器外観2
千葉県教育委員会所蔵
●観察結果
残存度80%にもかかわらず、破片は小さく土器の姿を想起させるほどの大判破片は存在しません。完形姿に近い機能喪失土器を苦労して持ち込み、出土場所で人為的に壊したものと考えられます。
2 第133図437番土器
・第4集中地点
・壺A3
・口径35.7㎝、底径8.8㎝、器高74.1㎝、重量12.2㎏、容量69.7l
・残存度90%
・被熱、底面外面下端が摩滅
第133図437番土器外観1
千葉県教育委員会所蔵
第133図437番土器外観2
千葉県教育委員会所蔵
●観察結果
残存度90%にもかかわらず、破片は小さいものが多く土器の姿を想起させるほどの大判破片は存在しません。完形姿に近い機能喪失土器を苦労して持ち込み、出土場所で人為的に壊したものと考えられます。
3 第144図491番土器
・深鉢B2a
・口径38.0㎝、底径9.1㎝、器高54.0㎝、容量35.3l
・残存度50%
・被熱
第144図491番土器外観1
千葉県教育委員会所蔵
第144図491番土器外観2
千葉県教育委員会所蔵
●観察結果
残存度50%。破片は小さいものが多く土器の姿を想起させるほどの大判破片は存在しません。完形姿に近い機能喪失土器を苦労して持ち込み、出土場所で人為的に壊したものと考えられます。
4 考察
3つの土器ともに土器の完形姿を残すような大型片はなく、破片の集合から元の形を想起することが困難です。
このように、完形姿に近い土器を出土場所で徹底的に壊した理由は土器が何らかの機能を残して再利用される可能性を完全に排除する意思が働いたからだと考えられます。
土器の残片の中にカーブした部分や輪や凹んだ部分が残れば、モノを入れたり、モノを覆ったりする機能が残ってしまいます。リサイクル品としての機能が残ってしまいます。
それでは土器を完全に送ることができないという心理が働いたのだと思います。
土器を完全に送るため、自分の心と齟齬が生れない丁寧な送りをするために、土器を徹底して壊したのだと考えます。
2017年4月20日木曜日
西根遺跡学習用作業仮説
大膳野南貝塚の学習が順調に推移し出していますが、縄文時代知識が増え感覚が研がれるに従い、以前興味を持ってそのまま回答を得ていない西根遺跡のことが気がかりになります。
2017.04.04記事「メモ 西根遺跡 縄文時代土器集中遺構は広域祭祀(イヨマンテ)跡か」では2014年の西根遺跡検討イメージを一新させて、西根遺跡が広域祭祀跡であると直観できたことをメモしました。
このような経過のなかで、大膳野南貝塚学習に平行して西根遺跡学習を開始することにしました。
大膳野南貝塚は貝塚集落、西根遺跡は珍しい川沿い沖積地の遺跡ですからその二つを同時に学習すれば問題意識を多面的に頭脳中で交流することができ、学習効果が向上すると期待します。
この記事では西根遺跡学習を始めるに当たっての作業仮説設定を行います。
今後この学習用作業仮説を変更修正、追加補強発展させ、あるいは廃棄して全く別の仮説づくりを行うことにより、自らの学習を深めていくことにします。
1 西根遺跡(縄文時代)学習用作業仮説
西根遺跡(縄文時代)学習用作業仮説 ミナト施設送りとしての土器送り・イオマンテ
2 西根遺跡(縄文時代)学習用作業仮説 解説
2-1 土器の分布
次の遺物集中地点図から読み取れるように、土器集中場所は当時の戸神川河道沿いです。
遺物集中地点図
「印西市西根遺跡-県道船橋印西線埋蔵文化財調査報告書-」(2005年)から引用
土器集中とミナト機能をオーバーレイさせて考えざるをえない基本情報がこの分布図に含まれていると考えます。
また土器はその姿が残るものばかりで完形に近いものも多く、しかし必ず欠けがあり(100%完形土器はゼロ)、同時に重ねることなく平面的に置いたと発掘調査報告書では
分析しています。
土器出土状況
「印西市西根遺跡-県道船橋印西線埋蔵文化財調査報告書-」(2005年)から引用
単純な不用土器送りなら、ここまで凝った送りをする必然性がありません。
別の意味がないならば、わざわざここに不用土器を持ってきて送りをする必然性はありません。集落内で土器送りをすればよいだけです。
土器送りであることは間違いないにしても、別の意味がある土器送りです。
その意味をこの仮説ではミナト施設破壊(出水、水面低下)に伴うミナト施設送りであると想定しました。
2-2 獣骨出土、飾り弓出土
獣骨(焼骨)が土器分布と近い様子で多量に出土しています。
西根遺跡 土器と獣骨分布の比較
「印西市西根遺跡-県道船橋印西線埋蔵文化財調査報告書-」(2005年)から作成引用
土器送り祭祀の場所で獣を焼いて食ったと考えられます。
出土獣骨
「印西市西根遺跡-県道船橋印西線埋蔵文化財調査報告書-」(2005年)から引用
ここで大変興味深い分析を発掘調査報告書でしています。出土獣骨に頭骨がほとんど含まれていないという事実と獣骨の多くが幼獣のものであるという事実が述べられています。
狩で親子を同時に捕獲したとき、幼獣だけ飼育しておき、後の祭祀でその幼獣を送る、その頭骨は祭壇に飾る(食わない)というイオマンテを思い浮かべると、西根遺跡の獣骨出土状況はイオマンテを彷彿とさせます。
また飾り弓が出土しています。
飾り弓
「印西市西根遺跡-県道船橋印西線埋蔵文化財調査報告書-」(2005年)から引用
飾り弓は祭祀で使うものです。
イオマンテが行われたという想定を強く支持補強する出土物です。
2-3 「杭」出土
縄文時代遺物であることが明確な出土物として「杭」も出土しています。
「杭」
「印西市西根遺跡-県道船橋印西線埋蔵文化財調査報告書-」(2005年)から引用
「杭」は発掘調査報告書ではほとんど着目されていません。
私はこの「杭」がミナトに着岸した丸木舟が使う係留杭(カシ…舟に常備する杭)であると長らく考えてきました。
しかし、「杭」をよく見るとフシ(枝)が残されていていて杭としては不自然です。
そして最近次の絵をみて、この「杭」が杭ではなく祭祀につかうイナウであったと考えるようになりました。
松浦武四郎著(1859)蝦夷漫画のイナウ
札幌市中央図書館デジタルライブラリーからダウンロード引用
「杭」がイナウならばイオマンテや土器送りや本来祭祀であるミナト施設送りの祭祀で使われたものと考えられます。
2-4 西根遺跡の位置
次に西根遺跡付近の地図を示します。
西根遺跡付近の地図
西根遺跡は印旛沼広域圏の西の出入りの交通拠点であり、台地を越えれば手賀沼低地(及び現在の利根川低地)と連絡する船越です。
この船越を介在して縄文時代印旛沼広域圏が東北・北関東・信州とつながっていたと考えます。
2-5 時代背景
西根遺跡出土土器は縄文時代後期の約300年間にわたるものであるという分析結果がでています。
この300年間の房総縄文社会の様子を今後詳しく学習すれば、この遺跡の意味を考える有用なヒントを得られると期待しています。
戸神川ミナトを介して印旛沼縄文人と東北・北関東・信州の縄文人が行っていた交流の中に占める形而上学的要素の割合がかなり大きかったので、戸神川ミナトの祭祀が盛んであったと類推します。
2017.04.04記事「メモ 西根遺跡 縄文時代土器集中遺構は広域祭祀(イヨマンテ)跡か」では2014年の西根遺跡検討イメージを一新させて、西根遺跡が広域祭祀跡であると直観できたことをメモしました。
このような経過のなかで、大膳野南貝塚学習に平行して西根遺跡学習を開始することにしました。
大膳野南貝塚は貝塚集落、西根遺跡は珍しい川沿い沖積地の遺跡ですからその二つを同時に学習すれば問題意識を多面的に頭脳中で交流することができ、学習効果が向上すると期待します。
この記事では西根遺跡学習を始めるに当たっての作業仮説設定を行います。
今後この学習用作業仮説を変更修正、追加補強発展させ、あるいは廃棄して全く別の仮説づくりを行うことにより、自らの学習を深めていくことにします。
1 西根遺跡(縄文時代)学習用作業仮説
西根遺跡(縄文時代)学習用作業仮説 ミナト施設送りとしての土器送り・イオマンテ
2 西根遺跡(縄文時代)学習用作業仮説 解説
2-1 土器の分布
次の遺物集中地点図から読み取れるように、土器集中場所は当時の戸神川河道沿いです。
遺物集中地点図
「印西市西根遺跡-県道船橋印西線埋蔵文化財調査報告書-」(2005年)から引用
土器集中とミナト機能をオーバーレイさせて考えざるをえない基本情報がこの分布図に含まれていると考えます。
また土器はその姿が残るものばかりで完形に近いものも多く、しかし必ず欠けがあり(100%完形土器はゼロ)、同時に重ねることなく平面的に置いたと発掘調査報告書では
分析しています。
土器出土状況
「印西市西根遺跡-県道船橋印西線埋蔵文化財調査報告書-」(2005年)から引用
単純な不用土器送りなら、ここまで凝った送りをする必然性がありません。
別の意味がないならば、わざわざここに不用土器を持ってきて送りをする必然性はありません。集落内で土器送りをすればよいだけです。
土器送りであることは間違いないにしても、別の意味がある土器送りです。
その意味をこの仮説ではミナト施設破壊(出水、水面低下)に伴うミナト施設送りであると想定しました。
2-2 獣骨出土、飾り弓出土
獣骨(焼骨)が土器分布と近い様子で多量に出土しています。
西根遺跡 土器と獣骨分布の比較
「印西市西根遺跡-県道船橋印西線埋蔵文化財調査報告書-」(2005年)から作成引用
土器送り祭祀の場所で獣を焼いて食ったと考えられます。
出土獣骨
「印西市西根遺跡-県道船橋印西線埋蔵文化財調査報告書-」(2005年)から引用
ここで大変興味深い分析を発掘調査報告書でしています。出土獣骨に頭骨がほとんど含まれていないという事実と獣骨の多くが幼獣のものであるという事実が述べられています。
狩で親子を同時に捕獲したとき、幼獣だけ飼育しておき、後の祭祀でその幼獣を送る、その頭骨は祭壇に飾る(食わない)というイオマンテを思い浮かべると、西根遺跡の獣骨出土状況はイオマンテを彷彿とさせます。
また飾り弓が出土しています。
飾り弓
「印西市西根遺跡-県道船橋印西線埋蔵文化財調査報告書-」(2005年)から引用
飾り弓は祭祀で使うものです。
イオマンテが行われたという想定を強く支持補強する出土物です。
2-3 「杭」出土
縄文時代遺物であることが明確な出土物として「杭」も出土しています。
「杭」
「印西市西根遺跡-県道船橋印西線埋蔵文化財調査報告書-」(2005年)から引用
「杭」は発掘調査報告書ではほとんど着目されていません。
私はこの「杭」がミナトに着岸した丸木舟が使う係留杭(カシ…舟に常備する杭)であると長らく考えてきました。
しかし、「杭」をよく見るとフシ(枝)が残されていていて杭としては不自然です。
そして最近次の絵をみて、この「杭」が杭ではなく祭祀につかうイナウであったと考えるようになりました。
松浦武四郎著(1859)蝦夷漫画のイナウ
札幌市中央図書館デジタルライブラリーからダウンロード引用
「杭」がイナウならばイオマンテや土器送りや本来祭祀であるミナト施設送りの祭祀で使われたものと考えられます。
2-4 西根遺跡の位置
次に西根遺跡付近の地図を示します。
西根遺跡付近の地図
西根遺跡は印旛沼広域圏の西の出入りの交通拠点であり、台地を越えれば手賀沼低地(及び現在の利根川低地)と連絡する船越です。
この船越を介在して縄文時代印旛沼広域圏が東北・北関東・信州とつながっていたと考えます。
2-5 時代背景
西根遺跡出土土器は縄文時代後期の約300年間にわたるものであるという分析結果がでています。
この300年間の房総縄文社会の様子を今後詳しく学習すれば、この遺跡の意味を考える有用なヒントを得られると期待しています。
戸神川ミナトを介して印旛沼縄文人と東北・北関東・信州の縄文人が行っていた交流の中に占める形而上学的要素の割合がかなり大きかったので、戸神川ミナトの祭祀が盛んであったと類推します。
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