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2022年2月21日月曜日

干渉色段彩図動画による尖頭器観察

 Observing the point with a video of the interference color step color chart


I made a video of the interference color step color chart and observed the shape of the point. The interference color step color chart has a flashy color and is distributed in contour lines, so the visibility of the fine shape (unevenness) of the feature is very good. In addition, the visibility of features can be further improved by moving the interference color step color chart.


干渉色段彩図動画を作成してそれにより尖頭器形状を観察しました。干渉色段彩図は派手な色をしていて、それが等高線状に分布しますから、地物微形状(凹凸)の視認性がとてもよくなります。その干渉色段彩図を高いところから低いところに一定スピードで移動する動画をつくると、どのような観察効果が生まれるか、実験的に観察してみました。

干渉色段彩図動画はやまだこーじさん開発公開「干渉色変換ツール」で作成しました。やまだこーじさんに感謝します。

1 「上から」画像の干渉色段彩図動画

「尖頭器(箕輪町神子柴遺跡) 観察記録3Dモデル Point」(https://skfb.ly/o8HZp)から作成した高さグレー濃淡図に実測図(※)をオーバーレイした画像をつくり、それを干渉色に変換(位相を1%ずつずらして100枚変換)して、パラパラ漫画のように並べて、干渉色段彩図動画を作成しました。


3Dモデル


実測図

※実測図は「林茂樹・上伊那考古学会編「神子柴 Mikoshiba Site 後期旧石器時代末から縄文時代草創期にかかる移行期石器群の発掘調査と研究」(2008、信毎書籍出版センター)」から引用


「上から」画像の干渉色段彩図動画

2 「眺望的」画像の干渉色段彩図動画


3Dモデル


「眺望的」画像の干渉色段彩図動画

実測図を3Dモデルのなかに取り込み「眺望的」画像の中にも実測図をオーバーレイ表示するべく色々な試行をしましたが、結局自分が現状で使えるソフトと今の技術では出来ませんでした。もし「眺望的」画像の干渉色段彩図動画に実測図を取り込めることができれば、より訴求力のある動画になったものと考えます。

3 観察

3-1 「上から」画像の干渉色段彩図動画について

精細な実測図界線と干渉色分布が合うところが多いですが、合わないように見えるところもあります。実測図界線は敲打痕の拡がりを表現していて、凹凸そのものの狭義表現ではないのでこのようになるのだと思います。このような観点からこの動画をみると、この石器の理解が深まります。

3-2 「眺望的」画像の干渉色段彩図動画

干渉色段彩の動きから尾根筋線、谷筋線の様子を手に取るように観察できます。この観察からこの石器形状の理解が進みます。この理解は単一平面からの推測よりも強く印象に残ります。

4 感想

干渉色段彩図動画は今回尖頭器のように、展示されている状況下ではその形状理解に困難を伴うモノに適用すると、その理解・学習に有益な資料となることを確認できました。

2022年2月20日日曜日

眺望的視点からの尖頭器観察

 Observing the point from a panoramic point of view


From a panoramic point of view, I made a red stereoscopic image of the point and an interference color step color chart to see the correspondence.

I was able to grasp the fine irregularities of the point.

The red stereoscopic image was created based on the red stereoscopic principle (invented by Mr. Tatsuro Chiba).


眺望的視点から尖頭器の赤色立体画像、干渉色段彩図をつくりその対応関係をみました。

平面(オルソ投影「上から」)に関する同じ検討は2022.02.03記事「尖頭器の赤色立体画像試作」で既に実施しています。

赤色立体画像は赤色立体原理(千葉達朗先生発明)に基づいて作成したものです。干渉色段彩図はやまだこーじさん開発公開「干渉色変換ツール」で作成したものです。

1 赤色立体画像

「尖頭器(箕輪村神子柴遺跡) 観察記録3Dモデル Point」(https://skfb.ly/o8HZp)から次の赤色立体画像をつくりました。


尖頭器(箕輪村神子柴遺跡)赤色立体画像

2 干渉色段彩画像

同じ情報から干渉色段彩画像を作成しました。


干渉色段彩画像

(干渉色繰返し3回、位相0%の例)

3 赤色立体画像と干渉色段彩画像のオーバーレイ

赤色立体画像と干渉色段彩画像(モノトーン変換画像)をオーバーレイしました。


赤色立体画像と干渉色段彩画像(モノトーン変換画像)のオーバーレイ

4 メモ

赤色立体画像と干渉色段彩画像はもともと同じ情報源から出発していますから、当然ですが、よく合います。

また、これらの画像は写真測量の成果ですからとても正確です。

これらの画像によりこの尖頭器の立体性を、普段見る眺望的視点から直観的に把握することができました。尖頭器の微細な凹凸を把握することができました。