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2019年7月22日月曜日

条痕文土器の分布と学習課題

縄文土器学習 205

縄文土器形式別出土遺跡分布図を作成しています。この記事では縄文早期後葉の打越(おっこし)式土器、神之木台式土器、下吉井土器の分布図を作成するとともに、条痕文土器全部を1枚の分布図にまとめて観察しました。

1 千葉県 打越式土器出土遺跡分布図

千葉県 打越式土器出土遺跡分布図
1遺跡がプロットされています。

2 千葉県 神之木台式土器出土遺跡分布図

千葉県 神之木台式土器出土遺跡分布図
2遺跡がプロットされています。

3 千葉県 下吉井土器出土遺跡分布図

千葉県 下吉井式土器出土遺跡分布図
2遺跡がプロットされています。

4 千葉県 条痕文土器出土遺跡分布図

千葉県 条痕文土器出土遺跡分布図
子母口式、野島式、鵜ヶ島台式、茅山式、打越式、神之木台式、下吉井式及び「条痕文土器」出土遺跡(98)を集成した遺跡プロット図(669)です。

千葉県 条痕文土器出土遺跡分布ヒートマップ
遺跡集中域は茅山式土器と同じで千葉市付近と村田川源流部付近(九十九里を見下ろす台地)です。大須賀川流域など千葉県北東部にも遺跡が密集しますがその場所はメインではなくなっています。

5 遺跡集中域の様子

遺跡集中域の様子
千葉市中央区付近と千葉市緑区土気付近の遺跡密集域があります。

遺跡集中域の様子
遺跡密集域のうち村田川北岸から都川流域にかけての遺跡と村田川源流部の遺跡の性格がどのように異なるのか興味が湧きます。
この2つの遺跡密集域の性格の違いとその関係を今後の学習課題として設定することにします。縄文海進ピーク期の縄文社会の様子が判るのではないかと期待します。

6 参考 千葉県縄文土器形式別等出土遺跡数

千葉県縄文土器形式別等出土遺跡数


2019年5月31日金曜日

縄文早期形式不明条痕文土器 市川市雷下遺跡(5)地点 観察記録3Dモデル

縄文土器学習 141

市立市川考古博物館に展示されている雷下遺跡(5)地点出土の縄文早期形式不明条痕文土器の観察記録3Dモデルを作成しました。

縄文早期形式不明条痕文土器 市川市雷下遺跡(5)地点 観察記録3Dモデル
撮影場所:市立市川考古博物館
撮影月日:2019.05.24
強反射ガラス面越し撮影
参考 右側土器は茅山上層式土器

メモ
・口縁部は2単位波状のようです。波状の凹部(右側)は復元未完のようです。(直上からみると3単位であったようにも見えます。)
・直射日光の強い反射がガラス面にある悪条件下での観察記録のためゴミが多く発生しています。(ゴミを除去しても別の場所により不都合なゴミが発生する場合が多いことと、ゴミ発生場所に正常な3D画面を生成することは原理的に出来ませんから、観察記録3Dモデルでのゴミ除去は最小限作業とします。)

2019年4月26日金曜日

縄文早期条痕文土器 鵜ヵ島台式土器の観察

縄文土器学習 97

縄文土器を形式別に観察しています。
この記事では八千代市立郷土博物館に展示されている縄文早期条痕文土器である鵜ヵ島台式土器(間見穴遺跡出土)を観察します。

1 鵜ヵ島台式土器の観察

鵜ヵ島台式土器 八千代市間見穴遺跡出土
八千代市立郷土博物館展示(千葉県教育委員会所蔵)

鵜ヵ島台式土器 間見穴遺跡 3Dモデル
八千代市立郷土博物館展示 2019.04.26撮影

2 条痕文土器について
「貝殻条痕文を地文に用い、胎土に繊維を含む土器群である。子母口式→野島式→鵜ヵ島台式→茅山下層式→茅山上層式の順に変遷する。沈線文土器ほどの文様の華やかさはみられない。繊維を含むため脆く、粗雑な土器に見える。
(野島式の)文様構成を発展させたのが鵜ヵ島台式である。隆起線でたすき掛け状の区画文帯をつくり、その起点には円形刺突文を配する。区画の外側を沈線文や連続刺突文で重点する。2段に屈曲した独特の器形を有し、それに合わせて文様帯を上下に重ねる。」(「千葉県の遺跡 資料編 考古4(遺跡・遺構・遺物)」から引用)

・胴部下部左の条痕文と斜行・縦走(左上→右下方向)する多数の細凹線が繊維(が焼けて消失した)跡のようです。
・土器内面にも顕著な条痕文が刻まれています。

3 鵜ヵ島台式土器の千葉県分布

鵜ヵ島台式土器出土遺跡
私家版千葉県遺跡データベースから鵜ヵ島台式土器出土遺跡が52レコードヒットします。

4 参考 間見穴遺跡の位置と情報

参考 間見穴遺跡の位置と情報

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参考 学習チェックリスト