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2017年10月7日土曜日

西根遺跡出土「杭」はイナウ 表裏風化の違い

西根遺跡出土「杭」(縄文時代後期)の写真観察プロセスの中でA面が風化がすすみB面は新鮮な製品表面が見られましたので記録しておきます。

A面とB面の風化の違いは次の通りです。

A面とB面の風化の違い

A面とB面の風化の違い 頂部付近

風化の違いはこの木製品が野外に放置された後、A面だけが風雨に短期間晒されたために生じたものであると考えます。
これは、発掘状況写真でこの木製品がA面上B面下で出土していることが確認できるので間違いないと考えます。

A面上B面下で出土した状況

なお、この場所は縄文時代後期の戸神川流路にあたりますが「杭」の風化の様子から、遺物堆積後は、この場所が流水で洗われたことが無かったと結論付けることができます。
土器片や獣骨(焼骨)の出土状況からも流水の影響は全く見られません。

また、この場所の遺物が流水によって上流から運ばれてきて堆積したという想定も完全に否定できます。

2017年10月6日金曜日

西根遺跡出土「杭」はイナウ  小孔模様

西根遺跡出土「杭」(縄文時代後期)の小孔確認結果は次の通りです。

小孔(白丸)の確認作業

この図を見ていると頂部付近の斜め刻みと小孔群を合わせて次のような模様の存在をイメージしてしまいます。

頂部斜め刻みと小孔がつくる曲線(一つの想定)

このようなイメージが「杭」が原始イナウであるという証明作業に有効な思考であるのか、スカ思考であるのかわかりませんが、とりあえず記録しておきます。

参考 イナウに見られる縦方向曲線模様

例 1
北原次郎太「アイヌの祭具 イナウの研究」(2014、北海道大学出版会)から引用

例 2
北原次郎太「アイヌの祭具 イナウの研究」(2014、北海道大学出版会)から引用

いずれの例も西根遺跡出土「杭」の小孔模様とは直接かかわらないようです。しかし、イナウ縦方向の曲線を描くという心性があることは確認できます。

参考 イナウにみられる小孔差し込み

例 3
北原次郎太「アイヌの祭具 イナウの研究」(2014、北海道大学出版会)から引用

いずれの例も対で差し込むモノが大きく、西根遺跡出土「杭」の小孔とは直接かかわらないようです。しかし、イナウに孔を開けモノを差し込むという心性があることは確認できます。

2017年10月3日火曜日

西根遺跡出土「杭」はイナウ 写真調整

西根遺跡出土縄文時代後期「杭」について千葉県教育委員会提供写真を使って分析作業をすすめていますが、写真原本を調整してより見やすくして分析することにしました。
写真を隅々まで拡大して眺めていると、これまで見落としていていた多数の人工的な線や小孔などが見つかり、それらが意味することが自分で考えていた以上に大きなものであると気が付きました。そのため、写真判読の精度を上げる必要が生じ、写真を見やすくする工夫をしました。

1 写真調整
原本写真をトーンカーブ補正により明るくしたものが調整1です。この写真を基本にして今後判読分析活動を行います。
調整1写真を「描画モード彩度」でペイントしたものが調整2です。結果としてカラー写真もどきとなりました。この写真は参考として利用します。

西根遺跡出土「杭」(縄文時代後期)写真の調整

西根遺跡出土「杭」(縄文時代後期)写真の調整(部分)

参考 調整2写真について
元来彩度ゼロ(白、黒、グレー)写真を「描画モード彩度」でペイントすることはできません。しかし、千葉県教育委員会提供写真は「スライド」(彩度ゼロ)をスキャン(撮影)したもので、スキャン(撮影)がカラーモードであったため完全な彩度ゼロにはならなかったと考えます。そのためカラー写真もどき写真が偶然生まれ、参考資料として使うことが可能となったと考えます。

2 写真調整の効果
調整1写真を利用することにより、判読の精度が向上し、早速ですが新たな「面取り部」を発見しました。追って記事で報告します。
それ以外にも多くの新たな事象が観察できて、ぼんやりとしか見えなかったメガネを目にあった新しいメガネにかえたような印象を持ちます。

3 感想
「杭」が実は石器でつくられた原始「イナウ」であるという仮説の蓋然性を高めるために、これまで「杭」の諸特徴がアイヌのイナウの特徴と共通するものがあるかどうかという視点から検討をすすめてきました。
これまでの作業から、この検討は大いに発展できて、縄文時代のイナウ、石器でつくられたイナウが発見されたということになり、学術的に大きな意味を有するものになると考えています。
さて、そのような大きな意味とは別に、調整1写真を観察しているとき、突然ですが製品特徴の中に具体的「意味」が表現されていると直観できる部分が2箇所出現しました。
このイナウを作った縄文人がある具象を表現していて、そのうち2つが判ったということです。
このイナウには現代人も知っている具象が表現されているのです。
検討を深め順次記事として報告します。

2017年10月2日月曜日

西根遺跡出土「杭」はイナウ 面取り部存在の確認

西根遺跡出土「杭」(縄文時代後期)写真を観察すると面取り部の存在を確認しましたので記録しておきます。

1 面取り部の確認作業

面取り部の確認作業1(訂正後 2017.10.04)
面取り部の確認作業1(訂正前)

面取り部の確認作業2

面取り部の確認作業3

A面、B面をくまなく観察して面取り部(つくりだされた平面)はA面、B面各1箇所確認できます。
B面下の枝を掃っている部分(空洞になっている部分)も結果として平面になりますが、意味のある平面とは考える必要はないと思います。

A面B面における面取り部の存在は、今後の検討において、この製品用途がイナウであることの証明に使える重要要素の一つになると考えます。

なお、面取り部に小孔が4つあります。
小孔はこれ以外にも存在していて、この製品の重要構成要素であると考えますので、次の記事で検討します。

2 参考 面取り部のあるイナウ

樺太の面取り部があるイナウ
北原次郎太「アイヌの祭具 イナウの研究」(2014、北海道大学出版会)から引用

3 参考 消印
イナウ構成要素として「消印」という概念があります。

イナウ構成要素
「消印⑫:イナウの胴を削って、平面を作り出し、その上下に水平に刻印を数条つけたもの。名取武光によれば、平面部を「イナウコトル」、上下の刻印を合わせて「コトルイトクパ」と呼ぶ。消印が刻まれた面がイナウの正面とされる[名取 1987(1959):84]。樺太の全域で確認されている。」
北原次郎太「アイヌの祭具 イナウの研究」(2014、北海道大学出版会)から引用

……………………………………………………………………
追記
2017.10.04記事内容を一部訂正しました。

2017年10月1日日曜日

西根遺跡出土「杭」はイナウ 縛り跡表皮の意味

「杭」写真を拡大してつぶさに観察すると思いがけない事柄が次々に発見できましたので、順次記事として記録します。

この記事では縛り跡に表皮を発見しましたので記録します。

1 縛り跡
縛り跡は次に示す通り、上下2巻が観察できました。

縛り跡の観察(A面)
写真は千葉県教育委員会所蔵

上下ともに木肌(表皮を剥いだ製品の木肌)に圧迫痕として縛り跡が観察できます。

縛り跡の観察(B面)
写真は千葉県教育委員会所蔵

上下ともに残存する表皮の上に圧迫痕が観察できます。下巻の写真左は木肌のえぐれとして観察できます。

表皮の存在は「杭」全体でここ2箇所だけで、特異な残存です。

次に表皮の状態を写真拡大により精密に観察しました。

2 縛り跡に残存する表皮の精密観察

縛り跡(下部巻)に残存している表皮

表皮と観察した対象は、全体が木肌から盛り上がっていること、木肌と異なる肌理(キメ)であること、木肌割れ目と一致する割れ目が存在することから表皮であることが確実です。
その表皮の中央部分に「杭」を水平に巻く方向で圧迫痕がついています。圧迫痕の様子は光線の関係で明瞭に観察できません。

縛り跡(上部巻)に残存している表皮

下部巻と同じく表皮と観察した対象は、全体が木肌から盛り上がっていること、木肌と異なる肌理(キメ)であること、木肌割れ目と一致する割れ目が存在することから表皮であることが確実です。
その表皮の中央部分に「杭」を水平に巻く方向で圧迫痕がついていますが、この写真は下部巻と異なり、光線の角度、対象物とカメラ光軸の角度等の関係から圧迫痕の様子が子細に判ります。
表皮がえぐられたように凹んでいます。

表皮をまるでえぐったように凹ませた強い締め力の様子とA面に見られる木肌の縛り跡様子との間に整合があるのかどうか疑問が生れます。

また、そもそもなぜこの2カ所に小さな表皮が残されたのか疑問が生れます。

3 表皮が残存する理由
表皮が残存してその場所が縛り跡になった状況として次の例が考えられます。
1 製品を作る時に全体の表皮を削ったが、その時たまたま削り残しが生れてしまい、その場所がたまたまヒモを縛る場所になった。
2 製品を作る時、ヒモを縛る場所2箇所の位置に表皮を意図的に削り残し、ヒモを巻く場所の特定のため、またヒモがずれないように製品に圧着できるように抵抗として利用した。
3 木が地面から生えていた時に、その木にヒモを巻いていた。木は成長するので表皮にヒモが食い込み表皮にえぐられたような凹みができた。
その木を使って製品を作った。ヒモ食い込みの残る表皮を残し、その部分を使って再びヒモを巻いた。

1は偶然が2回重なるので考えずらいです。
2は表皮にヒモが食い込む様子が激しく、A面との整合が取れないのでこれも考えずらいことになります。
3を仮説として採用するならば、木が地面から生えている時から注連縄をかけた「御神木」を決めて置き、ある時期が到来したとき、その「御神木」でイナウをつくったことが想定できます。
「御神木」につけていた注連縄を、その木をイナウにしたとき同じ位置にまた付け直したと考えます。
注連縄の起源とか、注連縄とイナウの関係など興味深い事象・概念を含む仮説となります。

2017年9月29日金曜日

西根遺跡出土「杭」はイナウ 杭写真判読 1

いよいよ本命である「杭」写真の判読を行います。

1 入手「杭」写真
入手「杭」写真はつぎの5枚です。

入手「杭」写真 写真は千葉県教育委員会所蔵

発掘調査報告書に掲載されていない裏面の写真があるので大変貴重です。

2 観察のためのA面、B面設定
現物を閲覧した際に次のようにA面とB面を設定しましたので、今回も踏襲します。

A面、B面設定

発掘調査報告書に掲載されている写真はA面だけです。

3 観察結果
観察に使った写真と観察結果を示します。

西根遺跡出土縄文時代後期「杭」

西根遺跡出土縄文時代後期「杭」石器による加工跡

【観察結果】
1 石器による頭部削平、脚部削出
2 削りかけ跡多数
A面に削りかけ跡を多数観察することができました。すべて斜め方向であり、元来は材を削った翅(カールした薄皮)が付いて、地層に埋没する前後に無くなったと考えます。
材を薄く多数回削ったので、その部分の材表面が凸凹になっていて、他の部分がつるつるになっているのと対照的です。
3 刻印3箇所
制限の強い現物閲覧では刻印を2箇所確認したのですが、今回の判読で3箇所の刻印を観察することができました。
4 縛り跡2巻分
縄などで強く縛って附いたと考えられる凹み跡を2巻分観察できました。イナウに何かの「モノ」をつるしている姿を連想させます。
今回の写真判読で初めて発見したものです。
5 その他
現在は図示していませんが、削りかけや縛り跡とは異なる圧迫線がいくつかあります。方向は削りかけとは直交するものが含まれます。イナウに紐をタスキのようにかけている姿を連想させます。今後さらに詳しく観察・検討する予定です。それとは別に発掘時あるいは発掘後に付いたと考えられるような圧迫線もあります。

観察結果から「杭」が石器で作られた原始イナウであると結論付けることができる可能性がますます高まりますが、その考察は次以降の記事で行います。

4 参考 写真判読の様子

削りかけ跡判読の様子

刻印判読の様子

5 参考 発掘調査報告書掲載写真と今回利用写真の画像比較

報告書掲載写真と原本の比較

発掘調査報告書掲載写真を拡大するとアミが斜めに入り、その方向と削りかけ跡の方向が偶然ですが一致してしまい判読に苦労しました。しかし今回入手した原本により正確な判読が可能となりました。


2017年9月28日木曜日

西根遺跡出土「杭」はイナウ 発掘写真判読 2

2017.09.27記事「西根遺跡出土「杭」はイナウ 発掘写真判読 1」のつづきです。

発掘面(河床面)と露出した土器の間の土層と木枝との関係について詳細に観察してみました。

写真判読画面インデックス

4C09グリッド発掘状況写真判読3
小崖に見られる新鮮な「褐灰色粘質土層断面」(立面)と発掘面(河床面)(平面)の関係が判ります。
それと「杭」との関係から、「杭」は河床面から直接出土し、含粒状物黒色土層(骨片、炭)とは直接絡んでいないことが判ります。
しかし、「杭」の近くの土器片の下には新鮮な「含粒状物黒色土層断面」(骨片、炭)が観察できます。
「杭」が焼けていないのは、そのそばで焼骨行為をしたけれども「杭」は焼かないようにしたということです。祭壇の前、つまりイナウの前で焼骨行為をしたのだけれども祭壇(イナウ)を燃やさない(焦がさない)ことは縄文人にとっても当然のことです。

あるいは焼骨行為の時には祭壇(イナウ)がなく、焼骨行為の後土器破壊の時に祭壇(イナウ)が建てられたという可能性も排除できません。

4C09グリッド発掘状況写真判読4
画面中央の木枝は発掘面に接しているのではなく、含粒状物黒色土層の上で土器片の下に位置すると判定できます。

4C09グリッド発掘状況写真判読5
画面右の大小3本の木枝は発掘面の上の含粒状物黒色土層の中で土器片の下に位置すると判定できます。

写真判読4と5から木枝は河床直上に堆積したものではなく、つまり流水で流れ着いた流木の可能性はなく、焼骨行為における焚火の焚き木であることが判明します。

含粒状物黒色土層(骨片、炭、木枝)と土器片の分布が重なり、かつ混じるような写真になっていますから、含粒状物黒色土層(骨片、炭、木枝)の形成(焼骨行為)と土器破壊行為の間に大きな時間間隔がないことが判ります。
(土器片が置かれたことで、その下の骨片、炭、木枝が保護され地層として残ったと考えられます。)

2017年9月27日水曜日

西根遺跡出土「杭」はイナウ 発掘写真判読 1

西根遺跡出土「杭」に関わる杭及び発掘写真(未公表写真を含む)を千葉県教育委員会から入手し、検討しています。
「杭」そのものの写真を一瞥するとこれまで観察できなかった多数の特徴を観察することができます。その検討は追って行います。
これまでは発掘状況写真の分析を行い、写真に写る出土物が「杭」であり、その出土場所(1m×1mグリッド内における位置)を平面図の上で特定できました。
この記事では発掘状況写真から判読できる貴重な情報を検討しました。

1 出土物「杭」以外の丸木
次に1枚の発掘状況写真の判読結果を示します

4C09グリッド(縄文時代流路河床)発掘情報写真判読 1

B、Cとして出土物「杭」以外にそれに似た丸木の存在が判ります。
B、Cは発掘調査では自然木として処分され、出土物にはならなかったものと考えます。
Cは短いので何ともいえませんが、AとBは形状が類似し、ともに祭壇としてつかわれたイナウであると想定します。

D、Eは土器片の下及び中における粒状物のある黒い土層断面です。この黒い土層断面には黒い粒多数と木片断片がいくつも観察できます。この土層断面は拡大して下で検討します。

F、G、Hは発掘調査報告書で褐灰色粘質土と記載されている河床構成地層であると考えます。縄文海進の海の時代に堆積した地層であり、この場所が縄文時代後期の戸神川河床となった時に露出したものであると考えます。

写真の全体状況は次のように判読することができます。
1 褐灰色粘質土の戸神川河床面の上に「杭」、丸木が存在している場所がある。
2 同じ河床面に黒い粒多数と木片断片のある黒い土層が乗り、その上にその土層と土器片が混じった層が乗っている場所がある。

2 粒状物のある黒い土層
写真を拡大してより詳しく粒状物のある黒い土層を観察しました。

4C09グリッド(縄文時代流路河床)発掘情報写真判読 2

Aは河床面と土器片の間にある土層で黒い粒状物から構成され、所々に木枝の丸い断面(あるいは断片)が観察できます。
焼かれた獣骨の破片と炭(骨を焼いた木片の燃えカス)および燃え残った木片のように観察できます。
骨片と炭(及び燃え残り木片)が土器片層の下にあることから、焼骨行為が先でその後土器破壊行為があったと考えることができます。

Bは土器片と粒状物のある黒い土層が混じった層です。土器が破壊された時、土器片とその下にあった骨片と炭(及び燃え残り木片)の層が混じったものと推定することができます。

Cは発掘面(おそらく褐灰色粘質土層の上面、つまり河床面)に散らばる粒状物です。カドが丸いものは炭が多く、カドが尖っているものは骨片でが多いと想定します。

d、e、f、gは木片です。焼骨をつくった時の焚火につかった木枝の燃え残りであると考えます。その細さから上流から流れ着いた木片や付近に自生していた木(ヤナギ類など)がその始原であると想像します。

骨を焼くための焚き木は細く、祭壇用イナウはそれより太いという特徴の違いがあることも判りました。

この記事の写真判読では、「杭」以外にも同様の丸木が存在していたことと、焼骨行為の後その場所で土器破壊行為があったらしいことについてメモしました。

2017年9月26日火曜日

西根遺跡出土「杭」はイナウ 杭出土位置特定

それがイナウであると想定している「杭」の出土位置が特定できましたので記録しておきます。

1 「杭」出土グリッド

「杭」出土グリッド
グリッドの大きさは1m×1m

2 「杭」出土位置の特定
4C09発掘状況写真5枚に写っている「杭」、丸い土器片、平らな土器片、小崖の位置と平面図を対照させることが出来、「杭」の概略位置が特定できました。

「杭」出土位置の特定(1)
発掘状況写真は千葉県教育委員会所蔵

この概略位置特定情報に基づいて、写真に撮影されている範囲をより詳細に平面図と対照させることによって「杭」の発掘位置を高い精度で特定することが出来ました。

「杭」出土位置の特定(2)
発掘状況写真は千葉県教育委員会所蔵

「杭」位置特定作業の中で発掘状況写真をつぶさに観察して次のような情報を得ることが出来ましたので、次記事で検討します。
●出土「杭」以外に同じような別の「杭」と思われるものが観察できる。
●土器片の下に特徴的な土層(黒い粒のある土層)があり、その下に木枝が格子状に敷いてあるように観察できる。


2017年9月25日月曜日

西根遺跡出土「杭」はイナウ 発掘写真と出土物が対応

2017.09.23記事「西根遺跡出土「杭」はイナウ 精細データの入手」の続きです。

分析項目「ア 4C09写真に写る木片は「杭」であるかどうか」について検討しました。

4C09写真に写る木片 拡大図
写真は千葉県教育委員会所蔵

4C09木片は「杭」
写真は千葉県教育委員会所蔵

「杭」写真で確認できる特徴と木片を対照すると、木片が「杭」であることが特定できました。

特定理由
1 4C09グリッドから「杭」が出土していること。
2 木片形状全体が「杭」形状に似ていること。
3 Aえぐれ形状が一致すること。
4 Bそり形状が一致すること。
5 C枝存在が一致すること。

これで「杭」の出土状況について検討することができることになりました。