横戸緑地は天保堀割普請の土置場(土捨場)の跡をそのまま利用した公園です。堀割の斜面すぐ上の細長い凸状の地形をうまく公園として活用しています。横戸団地造成のために堀割から離れた脚部が一部カットされていますが、ほとんど往時の姿を残しているものと考えられます。土木遺産としての堀割に興味を持てば、サイクリング道路からの斜面の眺望だけでなく、土置場も見ておくことが有益です。その点で、横戸緑地訪問が打って付です。なお、横戸緑地には堀割普請や土置場跡の説明は一切ありません。(なお、サイクリング道路の全区間にも堀割普請や歴史の説明は一切ありません。花島公園にのみ堀割普請の説明板があります。)
上図は「天保期の印旛沼堀割普請」(千葉市発行)に収録されている「北柏井村の堀割筋潰れ地絵図の部分」(千葉市 川口和夫家文書)のトレース図です。この図の地点は横戸緑地より下流にあたると考えられますが、この絵図から堀割の斜面(堤敷)のすぐ外側を土置場(土捨場)にしたことが確認できます。
この地図は旧版1万分の1地形図「三角原(さんかくはら)」(大正6年測量)を青色で示し、その上に数値地図1/2500(空間データ基盤)(平成18年発行)の水部(空色)、街区・道路(墨色)、横戸緑地(赤色網)をオーバーレイしたものです。GISを用いて作成しました。
等高線から判読できる細長い凸部地形(土置場跡)と横戸緑地が見事に重なっています。「高台」は地名(小字)で、堀割普請以前の原地形の分水点付近を示していると考えられます。
0 件のコメント:
コメントを投稿