2013年11月6日水曜日

小崖付近の下総上位面の模式的把握

花見川流域の小崖地形 その53

下総上位面の大局的な検討を行い、また検討ツール(専用地形段彩図)でいろいろな地形をみて、下総上位面の捉え方を少し変更することにしました。

これまでの下総上位面の捉え方は、2013.10.26記事「柏井小崖(柏井断層)の縦ずれ量検討の違和感」で図解にて述べたように、あくまで地形面を平坦として扱ってきました。

しかし、次の地形段彩図でしめすように、小崖による高度の変化以外に下総上位面の高度はある傾向をもって変化しています。

地形段彩図

参考 同じ場所の標準地図
電子国土ポータルによる

そこで、下総上位面はあくまで平坦であり、それを変化させているのは小崖(断層)だけであるという前提を棄却して考えることにします。

今後は、下総上位面には比較的平坦なところもあれば比較的傾斜したところもあると考えることにします。

上図の白線に囲った部分の地形を例とすると、次のように模式化して捉えていくことにします。

下総上位面の模式的把握

模式的把握の断面説明

下総上位面には比較的平坦なところ(A)と、比較的傾斜したところ(B)があるとして捉えることにより、私が柏井小崖(柏井断層)縦ずれ量検討で感じていた違和感を解消できそうです。

従って、浅い谷の本質は侵蝕作用で形成された地形と考えません。

しかし、比較的傾斜したところ(B)は侵蝕作用の受けやすい場所ですから、なんらかの侵蝕作用を受けている可能性を絶えず考えることが必要な場所です。

浅い谷谷底(C)は流水が集まる場所であり、ここは侵蝕・堆積の影響を必ず受けている場所として考えます。


なお、下総上位面の把握は、ABに区分して捉えることだけでなく、その同じ場所に原始的な谷津(北東方向に併行して流下する台地上の浅い谷)の痕跡を探すが大切であると考えています。

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