花見川流域の小崖地形 その56
柏井小崖(柏井断層)の縦ずれ量計測に違和感を感じたことに端を発して、泥縄ではありますが、次のように自分の認識を深めることができました。
・花見川流域付近の台地(下総上位面)が活褶曲変位地形であり、複数の活背斜軸と活向斜軸が狭い範囲で並行して走っている。
・柏井小崖(柏井断層)は活向斜軸と活背斜軸の間にある活断層である。
・これらの活背斜軸・活向斜軸・活断層群は、大局的な活構造としてみると、全体として一つの活背斜軸(下総台地西部流域帯)として地形学や地質学で認識されている。
・これらの活背斜軸・活向斜軸・活断層群はフィリピン海プレートと太平洋プレートが沈み込む運動に関連して生じた活褶曲であると考えられる。
・この活褶曲は地下の巨大な逆断層(陸側プレートとフィリピン海プレートの接触部分)の上にある構造で、いわば根なし構造(※)である。
このような地形の成り立ちを理解して、事の発端である柏井小崖(柏井断層)の縦ずれ量計測の考え方を次のように変更(訂正)することにしました。
違和感を感じた(間違っていた)、これまでの縦ずれ量計測方法
変更(訂正)した縦ずれ量計測方法
小崖(断層)が活褶曲変位地形の1構成要素にすぎないことが判ったので、今後は小崖(断層)だけに着目するだけではなく、褶曲の変位量をトータルで把握するように、焦点を少し変えていこうと思います。
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※ 参考 「池田安隆(2002):日本の活褶曲帯の形成メカニズムとその起源、活断層研究22、67~70」より引用
引用
decouple:分離
detachment断層:層面すべり
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