縄文貝製品学習 27
アリソガイ製ヘラ状貝製品の用途究明の学習を続けています。この記事では地理的分布異常とも感じられる事象をメモしておきます。
アリソガイ製ヘラ状貝製品の地理的分布の特殊性
アリソガイ製ヘラ状貝製品の用途究明の作業仮説として、それが皮なめしに関連する道具であると考え、情報を収集・分析しています。
そのような作業仮説からみると、アリソガイ製ヘラ状貝製品の出土は地理的分布異常のように見えてしまいます。
狩猟がメインの遺跡である養安寺遺跡ではアリソガイ製ヘラ状貝製品が出土しません。さらに養安寺遺跡ではサブ生業として漁労も行っていて、その漁場(九十九里浜)ではアリソガイが生息しています。
一方、有吉北貝塚は漁労がメイン生業です(狩猟はサブです)。漁場ではアリソガイは生息していません。しかしアリソガイ製ヘラ状貝製品が多数出土し、全て九十九里浜から持ち込まれたものと考えられます。
アリソガイ製ヘラ状貝製品が皮なめし道具であるとすれば、狩猟では房総随一と考えられる養安寺遺跡でアリソガイ出土が皆無である理由を見つけなければなりません。
アリソガイ製ヘラ状貝製品が内湾漁労に役立つ道具である可能性も、検討俎上にあげる必要があると考えだしました。
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