縄文社会消長分析学習 114
有吉北貝塚北斜面貝層断面図を観察して、貝層がどのように形成していったのかそのプロセスを理解する学習をしています。この記事では各所に分布する砂層の起源について考察します。
1 全断面の塗色
全断面図(縦断面図1、横断面図14)を塗色しました。
全断面の塗色
2 砂層起源の考察
2-1 崩落起源説の否定
各断面図において砂層内に層相区分線が書き加えられています。この区分線をみると全ての断面で、その場所の上部から崩落したものであることを否定するものとなっています。これまで砂層は崖錐のように、その場所で上部から崩落してきて堆積したものと考えてきましたが、この仮説は否定されました。また発掘調査報告書でも貝層堆積過程説明で「第1段階 崩落した土砂が隅の方に堆積する。」と記述していますが、この記述も否定されます。
砂層がその場所の崩落物であることを否定する証拠(例)
2-2 砂層起源の新仮説
砂層の層相区分線は各断面ともに水平に近いものが多いことから、水成堆積物であると考えることが合理的です。各断面の砂層の上限高度はガリー主流路右岸リッジ高度とほぼ同じになっていることから、次のように考えました。強烈なガリー侵食が生じて多量の水と砂が箱形地形を満杯にした時にガリー主流路と離れた場所に(隅に)砂が堆積したという仮説です。
砂層起源の新仮説
箱形地形は出口がすぼまっているので、短時間豪雨でガリー侵食が発生した時には箱形地形が砂と水で満杯になったと考えます。第8断面では層相が4層に区分されますから、4回のガリー侵食で砂層が全て堆積したのかもしれません。
3 メモ
砂層がガリー侵食の結果生成したものであると判ると(想定すると)、水の力のダイナミックさがイメージできるようになり、純貝層、混土貝層、混貝土層の形成仕方について思考が進みます。判ったことを順次メモしてゆきます。
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