2026年5月2日土曜日

貝層断面のファブリック分析(テスト分析2)

 Fabric Analysis of Shell Layer Cross Section (Test Analysis 2)


Test analysis 2 of fabric analysis was conducted using a stripped cross section of the shell layer on the north slope of the Ariyoshi Kita Shell Mound as a case study. Fabric analysis is a method for analyzing the arrangement patterns and structures of unit components in a geological cross section. I hope to obtain clues about the high-concentration flow that formed the slope shell layer through fabric analysis.


有吉北貝塚北斜面貝層の剥取断面を事例としてファブリック分析のテスト分析2を行いました。ファブリック分析とは地層断面における単位構成要素の配列パターンや構造の分析手法です。ファブリック分析により斜面貝層を形成した高濃度流の手がかりを得ようと期待しています。

この記事は2026.04.26記事「貝層断面のファブリック分析(テスト分析)」の続きです。

1 テスト対象空間


テスト対象空間


テスト対象空間

左赤枠が今回テスト空間、右赤枠が2026.04.26記事テスト空間。

赤枠は約12㎝×12㎝の大きさです。

記号は貝層分層記号です。(分層記号の解説は発掘調査資料には掲載されていません。)


テスト対象空間


テスト対象空間(テスト分析2)

2 二枚貝の分布

2-1 二枚貝の分布

・分布


二枚貝の分布


二枚貝の分布

C(2)層はハマグリをメインとする貝層、CD層はイボキサゴをメインとする貝層です。

・ヒートマップ


二枚貝分布ヒートマップ

二枚貝分布が密なところ(赤いところ)は主にC(2)層に存在しますが、このテスト空間ではCD層にも分布します。

2-2 二枚貝の配向

2-2-1 二枚貝の傾斜


二枚貝の傾斜


C(2)層で分層線傾斜と異なる傾斜(+成分の傾斜)

詳細な分析は追っておこないますが、C(2)層では分層線傾斜と明らかに異なる傾斜(+成分の傾斜)の貝殻のまとまった分布を観察することができます。この分布はでたらめではなく、何か意味があると考えます。

2-2-2 二枚貝の方向(上凸・下凸)


二枚貝の方向(上凸・下凸) 青…上凸、赤…下凸


二枚貝の方向(上凸・下凸) 青…上凸、赤…下凸

このテスト空間では二枚貝の方向(青・赤区分)について直観的にその特徴を説明できません。追って定量的な分析を行います。

2-2-3 二枚貝の配向(傾斜・方向)


二枚貝の配向(傾斜・方向)


二枚貝の配向(傾斜・方向・ヒートマップ)

2026.04.26記事テスト空間の分析では「二枚貝方向が下凸(赤色)のものとヒートマップ密集域(赤色)が対応するところが多いことが観察できます。二枚貝下凸は安定している形状であり、高濃度流で多数の二枚貝が運ばれ停止する時に一斉に回転して沈下堆積したと予察します。」とメモしました。

ところが、このテスト空間ではこのような対応(下凸(赤色)と密集域(赤色)の対応)がありません。これはテスト空間の斜面における位置(斜面の中間か、それとも最下部か)という違いに対応している可能性があり、とても興味が湧きます。

3 メモ

まだ極狭い範囲のデータですが、ファブリック分析データの価値が大きい予感がしてきました。さらに分析を続けることにします。

次の記事ではデータを定量的に扱ってみることにします。


2026年5月1日金曜日

2026年4月ブログ活動のふりかえりと5月見通し

 Review of Blog Activities in April 2026 and Outlook for May


This report reviews the activities of the blog "Walking the Hanami River Basin" in April 2026 and provides an outlook for May.

Based on the concept of high-concentration flow, a preliminary interpretation of the shell layer deposition mechanism and a broad overview of shell layer development were summarized. Based on this, analysis of three types of data—shell layer cross-sections, excavation photographs, and exfoliation cross-sections—is underway. In connection with this, fabric analysis techniques and pseudo-coordinate GIS analysis techniques using QGIS were developed.

Enjoying activities included creating 3D models of observation records of exhibits, visiting the Kasori Shell Mound Museum, and collecting archaeological stamps.


ブログ「花見川流域を歩く」の2026年4月活動をふりかえり、5月活動を見通しました。

高濃度流概念を軸に貝層堆積機構の予備解釈と貝層発達大局観をまとめました。これに基づき貝層断面、発掘写真、剥取断面の3資料分析を進めています。関連してファブリック分析技術やQGISによる疑似座標GIS解析技術を開発しました。

展示物の観察記録3Dモデル作成、加曽利貝塚博物館観覧、考古学切手蒐集などを楽しみました。

1 ブログ「花見川流域を歩く」活動のふりかえり 活動と特徴

1-1 記事数

4月の記事数は34です。内訳は貝層対比分析12、技術メモ7、遺物観覧3Dモデル10、考古学切手3、ふりかえり他2です。

1-2 北斜面貝層の貝層対比分析活動

高濃度流概念を軸に貝層堆積機構の予備解釈と貝層発達大局観をまとめまたことは、自分にとって画期的です。思考の筋道が一応できました。この予備解釈と大局観に基づき貝層断面、発掘写真、剥取断面の3資料分析を進めています。しかし4月活動では、それぞれ分析結果が十分に絡み合ってきていません。これからの作業が楽しみです。

1-3 技術メモ

1-2分析活動を進めるための技術開発(技術習得)を必要性に基づき実施しました。展示物3Dモデル作成のための撮影法、剥取断面ファブリック分析法、QGISによる疑似座標GIS解析法などを自分の技術レパートリーとして収めることができました。

1-4 展示施設観覧と観察記録3Dモデル

加曽利貝塚博物館を観覧しました。4月に観覧した八千代市郷土博物館の遺物を含め9遺物の観察記録3DモデルやGigaMesh Software Framework展開モデルを作成しました。

1-5 考古学切手

アブシンベル神殿を図案とする考古学切手を楽しみました。

1-6 ふりかえり他

3月をふりかえり4月を見通しました。

2 ブログ「花見川流域を歩く 自然・風景編」 活動と特徴

4月の記事数は4です。散歩日数は22日です。3記事で視覚変奏動画を作成しました。

3 2026年5月の見通し

4月に到達した貝層堆積機構の予備解釈と貝層発達大局観を「ものにする」ために貝層断面、発掘写真、剥取断面の3資料分析を進めて、それらを有機的に絡ませる活動を進めます。3資料分析結果が同じ結論に収れんするかどうか、楽しむことにします。

観察記録3Dモデル作成活動、考古学切手蒐集活動を楽しみます。

参考

ブログ「花見川流域を歩く」2026年4月記事

〇閲覧の多いもの

1 貝層対比分析活動

2 技術メモ

3 観察記録3Dモデル

4 考古学切手

5 ふりかえり他

ブログ「花見川流域を歩く 自然・風景編」2026年4月記事


2026年4月 Sketchfabに投稿した3Dモデル


2026年4月 YouTubeに投稿した動画


2026年4月 ブログ「花見川流域を歩く」投稿記事に掲載した画像