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2020年11月29日日曜日

土坑から一緒に出土した小型深鉢(東金市鉢ヶ谷遺跡)

 縄文土器学習 502

千葉県立中央博物館令和2年度企画展「ちばの縄文」で展示されている鉢ヶ谷遺跡土坑出土遺物4点の1点である小型深鉢の3Dモデルを作成して観察しました。

1 縄文中期初頭小型深鉢(東金市鉢ヶ谷遺跡) 観察記録3Dモデル

縄文中期初頭小型深鉢(東金市鉢ヶ谷遺跡) 観察記録3Dモデル

土坑出土遺物、千葉県有形文化財(2002)

撮影場所:千葉県立中央博物館令和2年度企画展「ちばの縄文」 

撮影月日:2020.11.10 

ガラス面越し撮影 

3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v5.013 processing 103 images


展示の様子


展示の様子


説明パネル


3Dモデルの動画

2 メモ

・この土器は展示パネルに説明されているように、房総ではめずらしい中期土偶と一緒に完形で出土した土器3点のうちの1点です。

・この土坑は祭祀的意味がある空間(墓?)で、土偶をメインとして小型深鉢、舟形土器、椀形土器が祭壇のように配置されて利用された跡(埋葬祭祀跡?)であると想像します。

・小型深鉢は祭祀専用の容器であり、実生活で使う土器とは全く別につくられたミニチュア製品であると考えます。

・西野雅人著「縄文中期土偶からみた集団の地域間交流」(第10回北陸貝塚研究会)によればこの深鉢は口径・器高11㎝で五領ヶ台Ⅱ式後半に比定されています。


2020年7月26日日曜日

小型深鉢文様の観賞

縄文土器学習 436

2020.07.25記事「君津市三直貝塚出土の加曽利B1式小型深鉢の観察」でこの小型深鉢の文様が珍しいので興味を持ちました。
そこでGigaMesh Software Frameworkで3Dモデルの展開写真を作成して、さらにPhotoshopでいくつかの画像バージョンを作成してじっくり観賞してみました。
「考古趣味」的発想からの観察ではなく、「アート作品」的視点で観賞しようとしました。
しかし案の定、老化硬直した頭脳でいくら力んでみてもその観賞は不発になりました。
元の木阿弥ですが、「考古趣味」的連想が生まれましたので、メモしておきます。

1 GigaMesh Software Frameworkによる3Dモデル展開写真作成

GigaMesh Software Frameworkの作業風景

2 3Dモデル展開写真の画像バージョン

加曽利B1式小型深鉢(君津市三直貝塚) 1

加曽利B1式小型深鉢(君津市三直貝塚) 2

加曽利B1式小型深鉢(君津市三直貝塚) 3

加曽利B1式小型深鉢(君津市三直貝塚) 4

加曽利B1式小型深鉢(君津市三直貝塚) 5

3 画像から生まれた連想
・S字装飾の左輪に磨消が、右輪(一部欠けている)に縄文が対応している。
・磨消と縄文はペアでセットになっている。
・磨消は男を縄文は女をイメージしているように感じることができる。
・階段状に上に上昇する模様に感じることができる。(階段を下るようには感じられない。)
・実際の道路装置としての「階段」が縄文時代に発明されていて、加曽利B1式期には普通に使われていた装置であると考えます。(どこかの低地遺跡の木道部に階段が発見されているかもしれない。)
・「夫婦(磨消+縄文)が手を携えて人生のステージを上る」と連想することも、自分に対しては十分に許されるであろう。