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2019年12月7日土曜日

縄文後期異形台付土器(野田貝塚)3Dモデル

縄文土器学習 279

野田市郷土博物館所蔵縄文後期異形台付土器(野田貝塚)の観察記録3Dモデルを作成しました。

縄文後期異形台付土器(野田貝塚) 観察記録3Dモデル
撮影場所:野田市郷土博物館
撮影月日:2019.09.09
撮影及び掲載は野田市郷土博物館の許可による
3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v4.523 processing 69 images
野田市郷土博物館HP説明文引用
「サイズ : 口径95、底径80、高125」
「野田貝塚(野田市清水)から出土した異形台付土器。縄文時代後期のもの。算盤玉の形に似た胴部には横を向いた孔の突出部がついており、胴部及び台部に透かし穴も入っている。明らかに容器としての機能を持たず、まつりなど非日常的な用途に使われたものだろうと考えられている。香炉のようなものを想定する説もある。」

撮影写真の1例
野田市郷土博物館所蔵

上から
野田市郷土博物館所蔵

横から
野田市郷土博物館所蔵
1対のラッパ状開口部の様子

下から
野田市郷土博物館所蔵

感想
・異形台付土器は2つの土器の底を合わせて、その接合部に草を巻いて縛って作成した煙発生吸引装置の模型(フィギュア)であると空想的に仮説しています。
・煙とは大麻の煙であると空想しています。
・つまり異形台付土器とは実際に大麻の煙を発生させることなく、大麻煙を吸引した時と同じ効果をもたらす縄文人発明の祭具(イコン)であると考えます。
2019.03.27記事「器台「大麻炙り台」仮説に関連する超空想」参照

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参考 カメラ配置の様子



安行3a式注口土器(野田貝塚)3Dモデル

縄文土器学習 278

野田市郷土博物館所蔵の安行3a式注口土器(野田貝塚)を多視点周回撮影して観察記録3Dモデルを作成しました。
ガラス面で遮られたショーケース内展示土器の撮影とは異なり、机の上に置いた土器を撮影できましたので、難がほとんどない出来ばえのよい3Dモデルを作成することができました。

安形3a式注口土器(野田貝塚) 観察記録3Dモデル
撮影場所:野田市郷土博物館
撮影月日:2019.09.09
撮影及び掲載は野田市郷土博物館の許可による
3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v4.523 processing 49 images
野田市郷土博物館HP説明文引用
「サイズ : 口径180、底径40、高230」
「野田貝塚(野田市清水)から出土した注口土器。縄文時代晩期前半(安行3a式)のもの。写真右側に隠れているが、注ぎ口(欠損)がある。側面にあいている穴は紐を通して吊り下げて使用したものか。胴部に施された入組三叉文からは、東北地方を中心に栄えた亀ヶ岡文化の影響がみてとれる。」

撮影写真の1例

感想 1 入組三叉文に対する興味

安形3a式注口土器(野田貝塚) 観察記録3Dモデルで観察できる入組三叉文
これまでに撮影して3Dモデルを作成した安行3a式の注口土器、深鉢式土器には入組三叉文が施されているものが多くあります。

例 安行3a式重心下方偏球形注口土器(下ヶ戸貝塚)
2019.08.24記事「安行3a式重心下方偏球形注口土器(下ヶ戸貝塚)の観察

例 安行3a式深鉢形土器 外ノ内貝塚 観察記録3Dモデル
ブログ縄文土器3Dモデル素材集2019.08.16記事「安行3a式深鉢形土器 戸ノ内貝塚 観察記録3Dモデル

次のような興味を深める活動をしたいと思います。
1 入組三叉文の文様としての認識を深め、それが意味するもの(文様・記号の構成、背後に潜む思考・感情など)を考察する。文様の典型例や系譜発展資料を学習する。
2 これまでに自分が観察あるいは3Dモデルを作成した縄文土器のうち入組三叉文のあるもの(及び別の模様のもの)を抽出して、時期・器種・分布等を考察する。
3 入組三叉文が亀ヶ岡文化特有のもので、その文化が南下して千葉に影響しているものであることを学習する(確かめる)。
4 列島において千葉あるいは関東が文化の中心であったころ(加曽利E式期)からどのようにして文化周辺域に地盤沈下していったのか考察する。これは人口分布の中心が千葉(関東)から東北に移動したことと対応している事象であると考えます。列島規模でみると中期末頃から後期・晩期に向かって人口稠密域が北上しています。千葉(関東)よりも寒く、雪が多い場所により多くの縄文人が暮らすようになりました。何故か?興味が湧きます。その様子の検討材料の一つとして入組三叉文の学習をすることにします。

感想 2 縄文晩期から弥生初頭への移行に関する興味
感想1で、自分の興味視点が「東北から千葉(関東)を見る」という相になりました。縄文時代晩期から弥生時代初頭の移行期の学習を深めたいと思います。空想的仮説である「千葉の弥生文化は東北から来た」2019.07.16記事「荒海式等縄文晩期最後期の遺跡密集地」が果たして生き延びることができるのか死滅するのか、思考を遊びたいと思います。

感想 3 3Dモデルの出来ばえ
これまでに作成した200以上の3Dモデルで、この安行3a式注口土器(野田貝塚)観察記録3Dモデルが最高の出来ばえの一つとなりました。
3Dモデルの最低の出来ばえから最高の出来ばえまでの条件の違いを分析したいと思います。
また、難のある3Dモデルの難を取り除き、修復する技術の習得に努めたいと思います。

参考 3Dモデル最初画面

参考 3Dモデル切り抜き画面
 

2019年10月8日火曜日

関山式片口付深鉢形土器の3Dモデル作成を楽しむ

縄文土器学習 265

野田市郷土博物館で周回多視点撮影をした縄文土器5点のうち関山式片口付深鉢形土器(稲荷前遺跡出土)の3Dモデルを作成しました。

この記事では作成作業で着目した次の技術的興味2点についてメモします。
・ガラス面越し撮影ではない、さえぎる物がない状態での撮影でできる3Dモデルの出来ばえ。
・パソコン更新で使えるようになった新パソコンの作業時間短縮の様子。

1 3Dモデルの出来ばえ

撮影写真の一部
60枚の写真を市民集いの間(資料閲覧スペース)で通常室内光で撮影しました。

3Dモデル最初画面

3Dモデル 切抜画面

3Dモデル 最終調整画面

関山式片口付深鉢形土器(野田市稲荷前遺跡)観察記録3Dモデル
撮影場所:野田市郷土博物館
撮影月日:2019.09.09
3Dモデル写真測量ソフト3DF Zephyrで生成v4.509 60画像の処理
撮影掲載は野田市郷土博物館の許可による

3Dモデルとしての出来ばえは自分がこれまでに作成したモデルの中ではベストといえるものです。特段の難点は見つかりません。
土器を机の上の置いて、その周りを回りながら撮影できれば、通常の室内光でレベルの高い3Dモデル作成が可能であることを確認できました。
土器の形状・模様の細部まで確認できます。学習資料としての用途として大変優良です。個人でつくる縄文土器web展示館に展示しても恥ずかしさを感じることのない「作品」的なレベルであると考えます。
照明装置やカメラ、撮影技術など特段の機材・スキルを必要としないでこのような3Dモデルができることにわれながら感動します。
次の記事でこの優良モデルとは正反対の難点の多い通常ガラスショーケース展示土器の3Dモデル作成を楽しみます。

2 パソコン作業時間
8年前のパソコン(購入時Windows7)を現時点最新鋭Windows10パソコンに更新して、3Dモデル作成作業をしました。3Dモデル写真測量ソフトは同じ3DF Zephyr Liteです。
作業時間が1/4~1/5に短縮しました。旧パソコンでは、写真枚数にもよりますが、60枚程度の写真を使うときはCPU100%を含む時間が15分程度つづく場面があり、「コーヒーを飲む」休憩の時間となりました。
新パソコンではコーヒーを飲む余裕は生まれません。
3Dモデル作成の時短が実現したので、溜まっている写真をはやく3Dモデルにして、いつぞやには縄文土器3Dモデルの整理分類分析作業に移りたいと思います。

2019年9月17日火曜日

野田市郷土博物館における縄文土器閲覧

縄文土器学習 258

8月~10月の3ヶ月間限定で主に千葉県内の縄文土器展示施設を訪問しています。展示縄文土器の3Dモデルを作成して縄文土器学習を深めています。
野田市郷土博物館の常設展示には縄文土器はありませんが収蔵土器について閲覧の機会を得ることができました。
先日、縄文土器5点について直に観察させていただき、同時に全周多視点撮影をしました。
難の少ない3Dモデルができると想定できるので、3Dモデル作成が楽しみです。

観察し、3Dモデル作成用撮影を行った縄文土器5点
野田市郷土博物館の許可による撮影・掲載

関山式土器(稲荷前遺跡)
野田市郷土博物館の許可による撮影・掲載

縄文土器撮影をきっかけにして野田市域の縄文遺跡にも興味を持ちたいと考えています。
縄文海進が海退に転じ、海(奥東京湾)が南に去っていった時、この付近の縄文社会がどのように変貌したのか、興味が湧きます。

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参考

野田市郷土博物館リーフレット
常設展示に縄文土器はありませんが、自分が以前から別途特別の興味を持っている小字の展示があり、刺激を受けました。