2014年10月3日金曜日

参考 Head-Smashed-In Buffalo Jamp

花見川地峡史-メモ・仮説集>3花見川地峡の利用・開発史> 3.1埋蔵文化財データに基づく地域特性基礎検討>3.1.37参考 Head-Smashed-In Buffalo Jamp

偶然、カナダのアルバータ州にあるHead-Smashed-In Buffalo Jampという世界遺産(文化遺産)について知ったのですが、このブログで検討している旧石器時代の狩方法推測の参考になるので紹介します。

幅が300m、高さ約18mの崖が現在あり、崖の下にはバッファローの骨が約11m堆積しています。
この崖(当初は比高約30m)を利用して約6000年前頃からカナダ先住民がバッファローを崖に追い詰めて転落させ、仕留めていました。

Head-Smashed-In Buffalo Jampのイメージ

Google earthによるHead-Smashed-In Buffalo Jampの表示

6000年前のカナダ先住民は弓矢を利用しないで狩をし、投げ槍と石斧だけが人の武器です。

狩はコヨーテの毛皮をかぶった勢子がバッファローを脅かしたり、子どものバッファローの毛皮をかぶった勢子が助けを求めておとなのバッファローをおびき寄せたりして、バッファローの群れを集めます。

最後に大勢の勢子が一斉に大きな毛皮を振り回して驚かせ、崖方向に群れを暴走させます。

崖の近くでは群れが確実に崖に向かうようにレール状の障害物をV字状に設けています。

先頭のバッファローが崖に気がついても、後ろからくる集団に押されて集団全部が崖から落ちるようにします。

崖下では手負いのバッファローをヤリで仕留めます。

仕留めたバッファローの処理は「工場」のような場所で効率的に行われ、狩集団の食料になるだけでなく、重要な交易品になったらしいとのことです。

日本の旧石器時代では、寒冷期のため樹木が少ない草原が拡がっていて、大形草食獣が多かったと考えられます。
その大型草食獣をヤリと石斧だけを武器に直接仕留めることは困難だと思います。

日本の旧石器時代人もカナダ先住民と同じく、大形草食獣を狩る最大の武器は動物の習性を利用するという知恵だった思います。

その知恵を最大限活用して下総台地に発達する崖を利用して獣を仕留めていたと考えます。

日本の旧石器時代にはバッファローもいたので、Head-Smashed-In Buffalo Jampの狩方法は崖利用狩方法の例として、参考価値が大きいかもしれないと考えています。

参考サイト Head-Smashed-In Buffalo Jump World Heritage Site

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