2015年11月22日日曜日

古代の地名 シラハタ

小字地名データベース作成活用プロジェクト 37

千葉県北部34市町の小字データベースの試用として、「シラハタ」と「ウシ」について予備的な検討をしてみます。

2015.08.17記事「小字DB活用効果の展望 2(例 白幡)」ですでに検討していますが、データ数が2万から倍以上増えているので、再度同じ検討をしてみました。

データベースで白幡・白旗・白畑・(読みシラハタ、シロハタ)等をキーワードに検索すると21市町に69件がヒットしました。

これらの小字をアドレスマッチングで地図にプロットしてみました。

千葉県北部34市町シラハタ(白幡、白旗等)の分布(アドレスマッチングによる)

データ数が2万の時はシラハタの分布はほぼ一様であるような印象を受けましたが、倍以上のデータ数になると、偏在的分布である様子が浮かび上がります。

白幡は新羅系渡来人の秦氏の居所を意味すると想定し、古墳時代における鍛冶遺跡や交通拠点と関わりがありそうだと考えています。

つまり古墳時代の渡来人による技術的・文化的拠点と、小字白幡がきわめて密接な関係にあるのではないかと考えています。

分布の様子が浮き彫りになってきたので、今後小字シラハタの由来についてその核心に迫る検討が可能であり、その検討価値には大きなものがあると考えます。

シラハタに関連する小字として古代の殺牛祭神を地名にとどめたと考えることができる「牛喰」「牛殺し」などの小字があります。

「牛喰」「牛殺し」に関連する小字をピックアップするとつぎのようになります。

千葉県北部34市町殺牛祭神との関連が疑われる小字名の分布(アドレスマッチングによる)

八千代市、四街道市、成田市、東金市に合計6つの「牛喰」「牛殺し」関連小字があります。

今後これらの地名について個別にその由来を検討して相互に対照すれば「牛喰」「牛殺し」に関する密度の濃い情報を得ることが可能だと考えます。

なお、牛に関連する小字をすべてピックアップすると23市町から134件となります。

その分布図を次に示します。

千葉県北部34市町牛関連小字名の分布(アドレスマッチングによる)

この分布図にプロットされた小字の中には古代起源のものが数多く含まれていると考えます。

シラハタやウシの予備検討から、小字データベースの有用性を確かめることができました。

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