2018.04.04記事「縄文トイレ発見か!!! 土坑断面図kj法分析」の続きです。
1 kj法分析の継続
264枚の土坑断面図の特徴をよく見ながら「似たもの同士」の島をより合理的に作っています。断面の形状は連続的に変化するにも関わらず、それを特定の言葉で類型化する作業を行っているのですが、出来るだけ統一した区分になるように何べんも見直して、断面図の所属先を入れ替えています。現時点でのkj法分析結果は次の通りです。
土坑断面図kj法展開 2018.04.06
2 トイレの可能性のある土坑の予察
底部ピット付1のなかで底部ピット端1と区分したものの中にトイレである可能性のある土坑が多いと考えましたが、「ピット」という言葉の有無にとらわれずに形状からトイレの可能性がある土坑を予察としてピックアップしてみました。
トイレの可能性のある土坑の抽出(予察) ピンク塗り部分
抽出結果を次に示します。
トイレの可能性のある土坑(予察) 底部端ピット1 その2
トイレの可能性のある土坑(予察) 平底フライパン・平底皿・平底鍋
3 考察
kj法をくりかえして1枚1枚の断面図は所属する島がかなり入れ替わっています。今後も断面図形状の観察からかなり入れ替わる可能性があります。
この入れ替え作業ではより合理的な島づくりになっているという感想を持っていて、充実感を伴っています。
トイレの可能性があると直観されるものとkj法の島とはかなり一致していると考えます。トイレの可能性のあるもののトイレ蓋然性がより一層強まれば、kj法の有用性が確かめられたということになります。
トイレの可能性のある土坑が連続して作られている場合があり、トイレが大便で一杯になり、隣に新トイレを増築した様子を表現していると考えられます。
259a・259b
239・240・241・242・243
これらの連続形成土坑のトイレ蓋然性は相当程度高いと考えられます。
トイレが大便で一杯になればそれがトイレの寿命であり、その時に隣に新設トイレを作っていたことが正しければ、排泄物を汲み取って利用していた可能性は低くなります。植物の栽培がおこなわれていたとしても、その肥料として人糞を利用していたことはないということです。
次の記事でこれらトイレ可能性土坑の出土物や分布などについて検討してみます。
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