2020年5月14日木曜日

上野原遺跡祭祀空間Aゾーンは神殿基壇である

縄文社会消長分析学習 19

霧島市上野原遺跡の発掘調査報告書をwebサイト「全国遺跡報告総覧」からダウンロードして向学のために寄り道学習しています。
2020.05.14記事「上野原遺跡祭祀空間のゾーニング」で上野原遺跡の祭祀ゾーンがA~Dにゾーニングされていたことを学習しましたが、Aゾーンについては神殿と同じ意義がある旨推定しました。
この記事では上記記事を風景的に補強します。

1 上野原遺跡祭祀空間Aゾーンからの風景

上野原遺跡祭祀空間Aゾーンからの風景 Google earth(web版)による 現況地形
上野原遺跡祭祀空間Aゾーン(写真円形付近)から正面に霧島(高千穂峰)を拝むことができます。

参考 上野原遺跡祭祀空間ゾーニング

Aゾーンは一般論でいう神殿基壇にあたる部分に該当すると考えます。
Aゾーンは(縄文早期の霊峰)霧島(高千穂峰)に正面を向けた祭壇です。

Aゾーンから南を見ると桜島が見えますが、桜島の霊的な意義は祭祀ゾーンが北側(霧島側)を向いていることから小さかった(あるいは無かった)と想定します。

2 参考 縄文早期大型集落上野原遺跡遺跡付近の地形3 地理院地図3Dモデル

縄文早期大型集落上野原遺跡遺跡付近の地形2 地理院地図3Dモデル
標準地図、色別標高図(鹿児島県)、赤色立体図の合成
垂直倍率:×5.0
北側赤丸:縄文早期大型集落
南側赤丸:土器埋設遺構

動画

3 参考 縄文早期大型集落上野原遺跡付近の地形1 地理院地図3Dモデル

縄文早期大型集落上野原遺跡付近の地形1 地理院地図3Dモデル
空中写真、色別標高図(鹿児島県)、赤色立体図の合成
垂直倍率:×3.0
北側赤丸:縄文早期大型集落
南側赤丸:土器埋設遺構群

4 参考 クントゥル・ワシ神殿
以前アンデスのクントゥル・ワシ神殿について学習したことがあります。
時代や場所、背景は全く異なりますが、人の霊的心性には共通するものがインプットされていると想定していますので、一つの参考になります。
ブログ「世界の風景を楽しむ」2019.06.15記事「ペルー クントゥル・ワシ神殿」等

クントゥル・ワシ遺跡遠景
大貫良夫・稀有の会編「アンデス古代の探求」中央公論社から引用
タンタリカの霊峰を正面に拝むことができます。

クントゥル・ワシ神殿
大貫良夫・稀有の会編「アンデス古代の探求」中央公論社から引用
最高所が大基壇となっていて、タンタリカの霊峰を仰ぎながら祭祀活動ができるようになっています。

5 超空想
上野原遺跡祭祀空間ゾーンAは単純に自然地形を利用しただけだとは到底考えられません。いろいろ手を加えて、盛土したり、平坦面を作ったりして基壇としてふさわしい形状を生み出したに違いありません。イナウなども多数設置したと考えられます。ただ、それが盛土や木製品だけであるならば発掘者にそれとわかる可能性はほとんどないと思います。

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