花見川よもやま話 第3話
Hanami River Pillbox
We discovered concrete pillbox remaining on the riverbed of the Hanami River, and conducted a preliminary survey with a local citizen group. The hypothesis that it was a facility to utilize the Hanami River moat as a line of defense against the U.S. forces in the mainland decisive battle also became a hot topic.
花見川河川敷にコンクリート製トーチカが残存していることを発見し、地元市民グループで予備調査しました。花見川堀割を本土決戦における米軍阻止線として活用するための施設であるという仮説も話題となりました。
1 はじめに
周辺住民でもほとんど知られていない花見川のトーチカを2012年の花見川散歩で偶然発見し、地元市民グループで予備調査しました。普段は土と灌木に覆われ全く見えない戦争遺跡の存在を確認し、予備調査報告書を河川管理者(千葉県千葉土木事務所)と千葉市文化財担当(千葉市教育委員会文化財課)に提出しました。
花見川河川敷内で発見された戦争遺跡の予備調査報告書
ここからダウンロードできます。
2 花見川のトーチカ
花見川堀割の右岸で鷹之台カンツリー倶楽部に隣接する河川敷内にコンクリート製のトーチカ(砲口を備えた陣地)があります。土と灌木に覆われ、その全貌を現在は確認できません。現在は銃眼口を備えたコンクリート製監視塔下部と半ば埋もれたコンクリート製トーチカ本体の一部を確認できます。
戦争遺跡の分布
コンクリート製監視塔下部は調査グループによる草刈でその全貌を観察できるようになりました。(現在は灌木繁茂により、再び全く観察できない状況になっています。)
銃眼口のあるコンクリート製監視塔下部
銃眼口のあるコンクリート製監視塔下部
米軍撮影空中写真(1949)を拡大するとこのトーチカの様子をある程度推察することができます。
米軍撮影空中写真
空中写真判読によるトーチカの様子
空中写真判読によるトーチカと軽便鉄道橋台・橋脚の様子
このトーチカに関連する文書資料は見つけていません。予備調査グループでは、戦争末期に九十九里浜に米軍が本土上陸して東京方面に向かう際に、軽便鉄道鉄橋を使わせないためのトーチカであるとの見立てが話題となりました。
なお、トーチカ内部に危険物が残存している可能性が排除できないため、予備調査では内部調査を実行しませんでした。
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