2025年10月26日日曜日

貝層3D空間における散乱人骨と骨・歯の分布復元(遺物データベース試用)

 Reconstructing the Distribution of Scattered Human Bones and Teeth in a 3D Shell Layer (Artifact Database Trial)


I observed the relationship between the 3D distribution of scattered human bones and bones and teeth in the shell layer on the northern slope of the Ariyoshikita Shell Mound.

Since the upper layer of the scattered human bone concentration area is located at the top of the bone and tooth distribution, I believe that this corresponds to the final stage of shell layer formation. The final stage of settlement corresponds to the peak period of burials in the shell layer.


有吉北貝塚北斜面貝層の散乱人骨と骨・歯の3D空間における分布の関係を観察しました。

散乱人骨密集域上層が骨・歯分布の最上層に位置することから、散乱人骨密集域上層は貝層形成最後期に該当すると考えられます。集落終末期が貝層における埋葬盛期になります。

1 散乱人骨と骨・歯の分布3Dモデル

散乱人骨と骨・歯の分布3Dモデル

散乱人骨:314件

発掘調査報告書記載で3D座標が揃ったもの

骨・歯(散乱人骨を除く):33750件

遺物台帳記載で3D座標が揃ったもの

1件を直径5㎝球で表現

有吉北貝塚北斜面貝層

3DF Zephyr v8.029でアップロード


3Dモデルの動画

2 散乱人骨と骨・歯の分布の様子

2-1 シーン1


散乱人骨


散乱人骨と骨・歯同時表示


散乱人骨と骨・歯同時表示 拡大1


散乱人骨と骨・歯同時表示 拡大2

2-2 シーン2


散乱人骨


散乱人骨と骨・歯同時表示


散乱人骨と骨・歯同時表示 拡大1


散乱人骨と骨・歯同時表示 拡大2

3 メモ

シーン1で観察できるように、散乱人骨密集域の上層が骨・歯分布の最上層に位置します。

貝殻投棄と骨・歯投棄が食料残滓投棄という点で同時的活動であると考えます。この考えに従えば、貝殻分布と骨・歯分布は略一致するという仮説を導くことができます。この仮説に従い、散乱人骨密集域上層は貝層形成最後期に該当すると考えます。よって、貝層形成最後期=集落終末期が貝層埋葬の盛期になると、大局観として、考えます。

集落終末期になぜ貝層埋葬が増えたのか、その理由は今後の検討課題です。台地上の竪穴住居や土坑における埋葬の時期別様子を観察してから、この検討課題に取組むことにします。


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