2012年1月21日土曜日

芦太川上流部の想定ルート

次の図は芦太川の浅い谷の谷中分水界より上流部方向の地形を俯瞰した3Dレリーフ図です。

芦太川上流部の地形
カシミール3D+5mメッシュによる

この3Dレリーフ図を使って、小崖1より上流の芦太川ルートを想定してみました。
次の図は「千葉県の自然誌 本編 千葉県の大地」(千葉県発行)に収録されている地形面分布図です。原図は杉原(1970)です。

下総台地西部のおける地形面の分布
「千葉県の自然誌 本編 千葉県の大地」(千葉県発行)収録

この分布図に示される下総上位面と下総下位面の境の概略を上記3Dレリーフ図にプロットして、芦太川ルート検討の対象範囲を限定しました。
下総下位面は下総上位面を浸食してできた海岸段丘ですから、下総下位面には芦太川の浅い谷は残っていることはありません。
このように検討範囲を限定して、その中で、台地面に残存する浅い谷地形を探して、芦太川上流のルートを探りました。 次の図にその結果を書き込みました。


芦太川上流部想定ルート

台地面上の浅い谷状地形の存在から、現在の長作台1丁目、2丁目のある台地に芦太川の上流ルートを追跡できると考えました。
それ以上の追跡は東京湾側水系の浸食が激しく、出来ませんでした。

芦太川の流路を小崖1までの認識で終わらせるのではなく、その南(標高は低くなる)に追跡して考えるという思考は、この附近の地形地質を考える上で必須事項です。

なお、検討副産物になりますが、想定ルートのすぐ東の東金街道が通っている台地が低位段丘であることに気がつきました。
直感的には千葉第Ⅰ段丘に該当する河岸段丘のように感じられます。

0 件のコメント:

コメントを投稿