2012年8月9日木曜日

双子塚古墳の過去・現在・未来 その3

双子塚古墳出土物を閲覧して

3 古墳時代
3-1 2つの出土物
報告書(「千葉市双子塚-横戸団地建設に伴う埋蔵文化財発掘調査報告書」1983、千葉県住宅供給公社・財団法人千葉県文化財センター)では古墳時代の出土物として次の2点を記載しています。

「古墳時代の遺物 いずれも周溝覆土の最上層のa層よりの出土であり、古墳に直接関わるものとは断定できない。3は底部の突出する甕型土器の底部破片。和泉期。4は小型甕で、1/3ほど遺存し推計で口径14㎝、底径6㎝、器高15㎝を計る。最大径は胴中位にあり15.6㎝を計る口線部横ナデ、胴部ヘラナズリ。鬼高期。」

次に閲覧した資料現物の写真を掲載します。

3 甕型土器底部破片(和泉期) 表面
3 甕型土器底部破片(和泉期) 裏面

4 小型甕(鬼高期) やや上方より正面
4 小型甕(鬼高期) 甕口
4 小型甕(鬼高期) 甕底

閲覧資料はいずれも千葉県立房総のむら所蔵

古墳との直接関係を断定できないにしても、この2つの土器が双子塚古墳形成時期等を推察する唯一の手がかりです。

断定はできないということで、そこで思考を停止してしまい、撤退してしまうのではなく、手がかりとなる資料から、双子塚古墳についてできるだけ情報を引き出してみたいと思います。

幸い、報告書では土器の形式と出土状況、土層断面を明らかにしてますので、これらの情報を分析すれば、報告書記載情報にプラスアルファの情報を加えることができそうです。

(つづく)

0 件のコメント:

コメントを投稿