縄文土器学習 72 器台の検討 3
加曽利貝塚博物館企画展「あれもE これもE -加曽利E式土器(千葉市内編)-」(2018.10.20~2019.03.03)に展示されていた2点の加曽利E式器台を主な対象として、器台にまつわる学習を行っています。
この記事では千葉市広ヶ作遺跡出土加曽利EⅣ式器台の正立3Dモデルを作成し、器台を観察しました。
千葉市広ヶ作遺跡出土加曽利EⅣ式器台 正立3Dモデル
千葉市立加曽利貝塚博物館の撮影・公開許可による。
3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v4.351 processing 38 images
この器台が展示されていた時の特筆観察事項を含めて次の事柄の観察ができます。
2019.02.20記事「加曽利EⅣ式器台の観察 香炉の可能性」参照
1 通常時の胴部下半を切断して上下逆さにしたような形状をしている。
2 器台上面が深く窪んでいる。(千葉市僧御堂遺跡出土器台は上面が完成後削られて窪んでいたが、この器台は窪んだ形に作られている。)
3 外面には6個の小窓が開けられている。(2個対×3)小窓縁は面取りされている。
4 外面に文様は施文されていない。
5 器台上面に喫水線様の黒い円形筋線がある。
器台上面の模様 中心部の喫水線様の黒い円形筋線
3Dモデルを拡大縮小しつつ、かつくるくる回しながら観察すると喫水線様円形筋線は上面窪みの最下部中央に位置していることを確認できます。この観察からこの模様が液体が蒸発する時にできた模様であるとする推察の蓋然性を高めることができます。
0 件のコメント:
コメントを投稿