2019年4月29日月曜日

稲荷台式土器 東峰御幸畑西遺跡

縄文土器学習 99

縄文土器を形式別に観察しています。
この記事では千葉県教育庁文化財課森宮分室展示室に展示されている縄文早期撚糸文土器である稲荷台式土器(東峰御幸畑西遺跡出土)を観察します。

1 稲荷台式土器の観察

稲荷台式土器 東峰御幸畑西遺跡出土 千葉県教育庁文化財課森宮分室展示室展示

稲荷台式土器 上部拡大
東峰御幸畑西遺跡出土 千葉県教育庁文化財課森宮分室展示室展示

稲荷台式土器 下部拡大
東峰御幸畑西遺跡出土 千葉県教育庁文化財課森宮分室展示室展示

「夏島式土器とほとんど同器形をとるが、縦位施文の縄文、撚糸文の間隔は著しく粗く、帯状となり、その間は無文となる。器面は研磨され滑沢を帯びる。」(日本土器事典より引用)
稲荷原式土器と異なり口唇部に特別なつくり・模様はありません。
展示土器の下部形状が現物として復元されているので、尖底の様子が確認できます。

2 稲荷台式土器の較正年代

稲荷台式土器の較正年代
稲荷台式土器の較正年代は11000年前の前後1000年間の中頃をイメージすることができます。

参考 農耕牧畜の起源と縄文土器較正年代対比 1
ブログ「芋づる式読書のメモ」2019.04.10記事「持てるものと持たざるものの歴史」から引用

参考 農耕牧畜の起源と縄文土器較正年代対比 2
ブログ「芋づる式読書のメモ」2019.04.10記事「持てるものと持たざるものの歴史」から引用

稲荷台式土器の較正年代は人類が農耕牧畜を南西アジアではじめて始める直前頃の年代になります。

3 稲荷台式土器の分布(千葉県域)

稲荷台式土器出土遺跡
私家版千葉県遺跡データベースでは稲荷式土器で検索すると101レコードがヒットしました。
遺跡分布は同じ早期である井草式土器分布と大局的には類似します。
2019.04.25記事「井草式土器出土遺跡の分布」参照

4 参考 東峰御幸畑西遺跡の場所と情報

ちば情報マップ 埋蔵文化財包蔵地 から引用

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