2020年2月10日月曜日

加曽利EⅡ式土器観察 企6 渦巻文区画文土器

縄文土器学習 342

この記事では加曽利博今年度企画展展示土器「加曽利EⅡ式深鉢(佐倉市神門房下遺跡D地点)企6」について観察します。(注 「企6」はこのブログにおける整理番号です。)

30 R元年度加曽利E式企画展(印旛地域編) 加曽利EⅡ式深鉢(佐倉市神門房下遺跡D地点)企6
30-1 展示状況写真

加曽利EⅡ式深鉢(佐倉市神門房下遺跡D地点)企6

30-2 3Dモデル

加曽利EⅡ式深鉢(佐倉市神門房下遺跡D地点)企6 観察記録3Dモデル
撮影場所:加曽利貝塚博物館 企画展「あれもE これもE ―加曽利E式土器(印旛地域編)―」
撮影月日:2019.11.19
整理番号:企6
ガラス面越し撮影
3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v4.523 processing 69 images

30-3 展開写真

加曽利EⅡ式深鉢(佐倉市神門房下遺跡D地点)企6 展開写真
3DモデルからGigaMesh Software Frameworkで作成

30-4 観察
器形観察
・キャリパー形をしています。
・口唇部は口縁部から独立しています。
・土器下部欠落のため胴部下部に想定されるふくらみの存否や程度は不明です。
段構成観察
・口縁部と胴部の2段構成と考えられます。
文様観察
・口縁部は渦巻文と楕円区画文から構成されています。2つの渦巻文がつながり、それが楕円区画文を支えているように見える個所が特徴的です。
・胴部は3本の直線沈線垂下と2本波動沈線垂下の繰り返しの文様となっています。沈線の間には磨消は無いようです。
・口縁部と胴部の縄文の方向は同じです。

文様構成

30-5 感想
・キャリパー形、口縁部渦巻文、沈線の垂下などから加曽利EⅡ式土器として判別されているものと考えます。
・波動沈線が垂下することと直線沈線垂下に磨消が見られないことから加曽利EⅡ式土器の最盛期より古いものにあたると考えます。

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参考 加曽利E式土器観察の視点

加曽利貝塚博物館の加曽利E式土器細分基準

加曽利E式土器の移り変わり

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