2021年3月5日金曜日

加曽利博企画展展示加曽利EⅠ式土器と埼玉編年資料との対応

 縄文土器学習 556

2021.03.04記事「加曽利EⅠ式深鉢11器 観察記録3Dモデル総集(試作1)」で加曽利貝塚博物館令和2年度企画展「あれもEこれもE -加曽利E式土器 北西部地域編-」で展示された加曽利EⅠ式深鉢のうち11器について3Dモデルを全部並べた総集資料をつくりました。この資料を使って、有吉北貝塚土器群分類および埼玉編年資料との対応関係を検討してみました。埼玉編年との対応を考察するのは、有吉北貝塚土器群分類が埼玉編年に基づいているためです。

1 加曽利博R2企画展展示加曽利EⅠ式土器と有吉北貝塚及び埼玉編年土器群分類との対応


加曽利博R2企画展展示加曽利EⅠ式土器と有吉北貝塚及び埼玉編年土器群分類との対応

有吉北貝塚土器群分類との対応でみると10土器が第7群、1土器が第8群という結果になります。

埼玉編年との対応でみると、6土器がⅨa期、4土器がⅨb期、1土器がⅩ期という結果になります。


参考 縄文時代中期土器編年表

有吉北貝塚発掘調査報告書から引用


参考 有吉北貝塚中期土器分類

有吉北貝塚発掘調査報告書から作成

2 感想

埼玉編年の土器群分類は詳細にわたりますが、加曽利博展示土器をその分類にあてはめようとすると、ドンピシャ当てはまる土器が意外と少ないことに気が付きました。分類の典型事例実測図を見ると判りやすいのですが、個々の土器をその分類に照らすと、他の分類にも当てはまるような属性が複数あることが多かったです。埼玉と千葉では母集団が違うから同じ細分類では齟齬が大きくなるということもあるかもしれません。

加曽利EⅠ式土器がEⅡ式土器と比べて文様や器形で多様性があることはよくわかりました。


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