2022年2月10日木曜日

イルカ下顎骨製箆状腰飾の文様解釈

 Interpretation of the pattern of the dolphin mandibular spatula-shaped waist ornament


In the explanation of the dolphin mandibular spatula-shaped waist ornament (Ariyoshi Minami Shell Mound, Chiba City) exhibited at the "Chiba City Excellent Archaeological Material  Exhibition", the pattern of this waist ornament is "a view of the snake from above". It is written. But I didn't understand why.

However, I was able to find out more about the reason in the lecture by Mr. Masato Nishino (2022.02.22).


現在千葉市埋蔵文化財調査センターで開催中(2022.03.10まで)の「千葉市出土考古資料優品展」でイルカ下顎骨製箆状腰飾(千葉市有吉南貝塚)が展示されています。展示にはこの腰飾の文様は「ヘビを上から見たものだ」という説明が加えられています。確かに頭が三角で尖っていますからそういわれれば反論できません。しかしその理由が全く判りませんから、釈然としないことこのうえありませんでした。

そうした強い疑問に答える興味深い情報を千葉市埋蔵文化財調査センター所長西野雅人先生講演(2022.02.22,千葉市内出土考古資料優品展関連講座「千葉市の名宝(縄文時代)」)で得ることができましたのでメモします。

1 西野雅人先生講演における文様説明


西野雅人先生講演資料(一部編集)

西野先生の説明は、イルカ下顎骨製箆状腰飾の文様は東京都出土勝坂式土器の蛇体文を写したものであるという説明です。たしかに土器蛇体文の写真とイルカ下顎骨製箆状腰飾の対比をみると2つが対応していることを直観できます。

2 西野雅人先生講演資料の咀嚼

西野雅人先生講演資料を自分なりに咀嚼して次の図を作成しました。


西野雅人先生講演資料に基づくイルカ下顎骨製箆状腰飾の文様解釈

この図を作ってみると次のような疑問・興味が発生します。

ア 胴部が隆帯なのに、尾部Bが隆帯で囲まれた凹部(沈部)で表現されているのは何故か?

イ 尾部Aが胴部と尾部Bと別に表現され、それが「大」マークに対応しているのは何を意味するのか?

ウ 尾部Bは三角が地として利用され、尾っぽのニョロニョロを表現しているようであるが、頭部(側面)の同様三角交互文様は何を表現しているのか?口の歯列を表現しているのか?三角交互文様(三叉文)とはこのような具象的意味を持つものであるのか?

エ 紐を通す2つの孔は蛇の目を意識したものであるのか?

オ 胴部にX状の傷(縛り跡)がついています。これは何か?

これらの疑問・興味についてさらに次の記事で検討を進めることにします。


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