Deep pot-shaped pottery with face decoration (Ushiro site,Kofu City) Animal pattern interpretation correction
In the 2022.07.21 article, I interpreted that the two human faces of the deep pot-shaped pottery with human face decoration (Ushiro site,Kofu City) correspond to the anthropomorphization of snakes and frogs. However, when I got the actual measurement map and learned more information, I noticed this misinterpretation. Both human faces seem to be anthropomorphic frogs.It has nothing to do with childbirth.
2022.07.21記事で、人面装飾付深鉢形土器(甲府市後呂遺跡)のつり目人面がヘビの、垂れ目人面がカエルの擬人化に対応すると解釈しました。しかし、実測図を入手して詳しい情報を知り、この解釈の間違いに気が付きました。双方人面ともカエル擬人化のようです。出産とは無関係です。
1 つり目人面上部の把手渦巻文は創作
発掘調査報告書(※)を全国遺跡報告総覧からダウンロードして、次の実測図を入手しました。
人面装飾付深鉢形土器(甲府市後呂遺跡)実測図
※「供養寺遺跡後呂遺跡-東八代広域斎場建設事業に伴う埋蔵文化財発掘調査報告書-、2000、東八代広域行政事務組合中道町・中道町教育委員会」
この実測図から遺物として出土した部分と土器復元過程で付加された部分が判ります。
出土部と付加部を3Dモデルで分けると次のようになります。
人面装飾付深鉢形土器(甲府市後呂遺跡)観察記録3Dモデル(動物文塗色、付加部白色)3Dモデルの動画
つり目人面上部の復元付加された把手は次の点で間違っています。
1 復元されるべき大きさよりも大きく復元されている。
把手裏側には円環文が確認できます。この円環文の高さが復元されるべき把手の高さであることは、隣の渦巻文のある把手から想定できます。復元は把手の大きさ(高さ)を間違って行われています。
2 根拠のない渦巻文
把手の内側に円環文があるにもかかわらず、復元頂部外側に渦巻文を描いています。渦巻ではなく円環文を描くべきです。その位置は把手内側円環文に合わせるべきであり、そこが把手頂部になるべきです。
復元された把手が間違っている可能性
2 2022.07.21記事における間違い
2022.07.21記事「人面装飾付深鉢形土器(甲府市後呂遺跡) 観察記録3Dモデル(動物文塗色)」では、つり目人面がヘビの擬人化であると想定しました。その主要な根拠はその上部把手に渦巻文(ヘビ文)があるからでした。しかし、この渦巻文は完全なる創作であることが判明しました。これにより、つり目人面がヘビの擬人化であるという根拠はなくなりました。
3 2つの人面の解釈
実測図をみると、2つの人面の対向位置の場所には渦巻文(ヘビ文)が描かれていることを利しました。
同時に、つり目人面の上の把手に内側に円環文が記録されています。円環文はカエル文(カエル胴部)です。
これらの情報を整理すると次のようになります。
動物文と人面の位置関係
動物文と人面の位置関係 GigaMesh Software Framework展開図
位置関係の規則性から、2つの人面はカエル文の擬人化であると捉えることが合理的であると考えます。
つまり、この土器にはヘビ2体と擬人化したカエル2体が描かれていると考えます。
なお、人面に対向する場所の渦巻文(ヘビ文)の渦が逆になっていて、人面のつり目(怒り)、垂れ目(笑い)と対応するような関係が見られます。
この土器では、個性の違うヘビ2体と同じく個性の違うカエル2体が登場する物語が語られたのだと考えます。
この土器は出産とは無関係であると考えます。
4 感想
この土器の把手復元は大きさと文様の2点でミスを犯していると考えます。3Dモデルを使った人面解釈という活動をしなければ、このミスは発見出来なかったと思います。3Dモデルを使った土器観察が、観察行為を深めていることを確認できたことは素晴らしいことです。今後の活動では土器復元付加部がどれほど適切であるのか、注意していくことにします。
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