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2018年12月10日月曜日

参考 旧石器時代遺跡ヒートマップ(カーネル密度推定)

2018.12.08記事「千葉県遺跡分布地図帳 旧石器時代遺跡」で参考として日本列島の旧石器時代遺跡地図を作成しました。出典は日本旧石器学会データベース「日本列島の旧石器時代遺跡」全データであり、それを地図にプロットしたものです。
この記事ではその続きで、同じ素データから日本列島旧石器時代遺跡ヒートマップ(カーネル密度推定)を作成してみました。
ヒートマップとは遺跡が密集しているところを特定の色で示したイメージ地図です。今回は半径0.05度(半径凡そ5㎞程度)のバッファの重なり具合の疎なところが黄色、密なところが赤→黒で表現しています。

旧石器時代遺跡分布 7 ヒートマップ(カーネル密度推定)
ヒートマップのつながりから旧石器時代人の移動の様子などを考察することがより直観的にできるようになると考えます。

旧石器時代遺跡分布 8 ヒートマップ(カーネル密度推定)

旧石器時代遺跡分布 9 ヒートマップ(カーネル密度推定)

旧石器時代遺跡分布 10 ヒートマップ(カーネル密度推定)+旧石器時代石材産地地図
旧石器時代石材産地地図(「房総と房総周辺の石材産地」(出典「千葉県の歴史 資料編 考古4(遺跡・遺構・遺物)」(千葉県発行))とヒートマップを重ねると、関東の旧石器時代人が神津島や伊豆半島・長野をふくめた関東山地をひろくギャザリングフィールドとして活用していることが直観できます。その距離は遠いところで200㎞も離れていて旧石器時代人の移動生活・交流活動の広域性に驚きます。

旧石器時代遺跡分布 11

旧石器時代遺跡分布 12





2018年12月8日土曜日

千葉県遺跡分布地図帳 旧石器時代遺跡

私家版千葉県遺跡DB地図帳 3 旧石器時代遺跡分布

私家版千葉県遺跡DBの全レコード(20130)を時代別に区分して、そのうち旧石器時代遺跡の分布図を作成しました。

1 千葉県時代別遺跡数

千葉県時代別遺跡数
注)「古代」は内書きに弥生、古墳、飛鳥、奈良、平安を含まないもの、「中世」は内書きに鎌倉、室町、安土桃山、戦国を含まないもの、「近世」は内書きに江戸を含まないもの、「近代」は内書きに明治を含まないもの。

一つの遺跡が複数の時代にまたがる場合が多く、遺跡数の総計は実際の遺跡サイト数を大幅に上回ります。

2 私家版千葉県遺跡DB地図帳 旧石器時代遺跡分布

私家版千葉県遺跡DB地図帳 旧石器時代遺跡分布 011

私家版千葉県遺跡DB地図帳 旧石器時代遺跡分布 012

3 私家版千葉県遺跡DB地図帳 千葉県中央部 旧石器時代遺跡分布

私家版千葉県遺跡DB地図帳 千葉県中央部 旧石器時代遺跡分布 013

私家版千葉県遺跡DB地図帳 千葉県中央部 旧石器時代遺跡分布 014

4 参考 日本列島の旧石器時代遺跡分布
参考として日本旧石器学会データベース「日本列島の旧石器時代遺跡」全データを地図にプロットしてみました。

旧石器時代遺跡分布 1

旧石器時代遺跡分布 2

旧石器時代遺跡分布 3

旧石器時代遺跡分布 4

旧石器時代遺跡分布 5

旧石器時代遺跡分布 6

5 メモ
・台地と低地を区分する崖付近に旧石器時代遺跡が集中して分布しています。その特性は関東平野全体の旧石器時代遺跡分布をみるとより明瞭に把握できます。
・旧石器時代人は台地と低地を区分する崖を利用して狩をしていたと考えます。
・台地を徘徊する動物を集めて追い、崖から落として仕留める狩の様子を空想します。
・狩の後、崖下水場で獲物を解体し、崖上で干し肉作成、皮のなめしなどを行い、次の狩場に向かうまでの間の休息をとる、そのような崖上活動の跡が旧石器時代遺跡であると考えます。

2018年8月28日火曜日

参考 村田川河口低地付近 旧石器時代遺跡

村田川河口低地付近縄文集落の消長分析 3

参考として村田川河口低地付近の旧石器時代遺跡分布を時期別にみてみました。

1 旧石器時代遺跡時期別分布

ナイフ初

ナイフ前

ナイフ後

末~草創期

時期による数の消長は顕著でナイフ前とナイフ後でその数が多くなります。しかし時期別に地形の利用の仕方に特徴を見出すことは出来ませんでした。

旧石器時代の狩は獲物を仕留める場所とその獲物を解体したり皮を干したりする場所が遠く離れていることはあり得ないと考えます。従って上記遺跡分布図(=旧石器出土場所)は獲物を仕留めた場所でもあり獲物を解体し、その皮を干したりしたキャンプの場所でもあったと考えます。おそらく台地平坦面を季節移動する動物を追って細尾根まできて、その地形(崖)を利用して獲物を仕留めたと考えます。細尾根が続く複雑な地形が旧石器時代人の絶好の狩場であり、キャンプの場所であったと考えます。この場所なら谷底には湧き水がありますから動物の解体には絶好の場所です。

縄文時代早期遺跡(=炉穴出土場所)も同じように、その付近がある時期(ある年)には陥し穴による狩猟の場であり、ある時期(ある年)にはキャンプの場であったと考えました。2018.08.26記事「村田川河口低地付近 遺跡と地形との関係」参照

参考 縄文時代早期遺跡の分布

2 千葉県旧石器時代遺跡分布
千葉県旧石器時代遺跡を正確に地図にプロットすると次図のようになります。

千葉県旧石器時代遺跡分布
広々とした台地面に遺跡は少なく、台地縁が開析されて細尾根になった場所に遺跡が密集しています。これは狩の様子を表現していて、台地縁の細尾根の急崖を利用して動物を仕留めていたからだと考えます。村田川河口低地付近の台地縁細尾根はまさに旧石器時代人が好んだ狩場であったのです。
なお、千葉県では台地からはなれた山間地では旧石器時代遺跡は極めて少なく、狩場ではなかったことは確実です。これは全国的に共通していて、広い台地が広がる平野以外の場所では旧石器時代遺跡は大変少なくなっています。