花見川河川争奪を知る31 花見川河川争奪の成因検討3 クーラーの説6
2011年10月26記事「oryzasan氏のコメント(2011.10.25)」の感想を述べます。
oryzasan氏からコメントをいただいてからだいぶ時間がたってしまい、申し訳ございません。
コメント記事も画面の奥深くに移ってしまいましたので、再度引用させていただき、文章毎に私の感想を述べさせていただきます。
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Cooler 様 「花見川河川争奪を知る20 花見川河川争奪の成因検討2 oryzasan氏の説と感想6」を拝見しました。
空中写真の判読から古柏井川の旧地形が復元できそうだとのお話しを興味深く読ませていただきましたが、残念ながら地形の解釈に誤りがあります。
次の点です。
「断面A-Bのイメージ」ですが花見川の開削部の上部半分を「盛土」としていますが、この部分は地山です。
盛り土部分は2m弱(「横戸緑地」の公園が台地面から出っ張った部分)しかありません。
僕はこの部分が造成される現場を見ていますが、盛り土部分が関東ローム層の上に乗っているのを観察(貝化石層がローム層の上に乗っていてびっくりしました)しています。
また、現在はヤブで覆われていますが、開削部も調査がされており、厚さ約5mの陸成の関東ローム層(武蔵野ローム層+立川ローム層)の下に、常総粘土層と木下層、上岩橋層が分布するのを確認しており、これは対岸も同様です。
従って、この部分に「古柏井川」の谷があったとすれば、それは花見川開削部の内側以外に考えられません。
下図はCoolerさんのブログ中の地図に手を加えたものです。盛り土は両岸にありますが、これは台地面上を薄く覆っているに過ぎず、基本的にはここは地山です。
各地形面の境界部ははっきりしない部分はありますが、おおかたはこんなところでしょう。
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横戸団地より南(鉄道連隊鉄橋跡より南)の東岸ではoryzasan氏のおっしゃる通りの地層になっているものと推察できます。
江戸時代の堀割普請でも地山を削って掘っています。さらに戦後の工事でもその斜面の表面を削っています。
見かけ上台地の上にしか盛土がないよう見える部分が多いと思います。
しかし、西岸には古柏井川由来と思われる谷壁残片があり、詳細に調べると違うと思います。「対岸も同様」と片づけるのは早計だと思います。
横戸団地より北(鉄道連隊鉄橋跡より北)(断面A-Bも含まれます)では東岸の盛土背後に勝田川河岸段丘から連続する平坦面とその背後の崖が1949年撮影空中写真で確認できます。
したがって、盛土は古柏井川の谷底面上にあるものだと考えます。
もしこの部分の盛土が薄く(2-3m)地山の上ならば、私の地形解釈を変える必要があります。
これまで存在しないと連絡を受けていた戦後の詳細な工事資料(平面図、断面図等)について、水資源機構千葉用水総合管理所より倉庫の中で見つかったとの連絡を受けました。
昨日訪問し、その膨大な資料を確認させていただきました。
この資料を活用することにより戦後工事の実態がよくわかるようになります。つまり、現在の地形と堀割普請によりできた地形の関係が判りますので、自分としては現場観察の基礎をしっかり確保できることになると思っています。
今後この発見資料を検討させていただく予定になっています。
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問題は千葉第Ⅰ段丘が南西に出っ張る部分(?部分)ですが、これは5万年前(千葉第Ⅰ段丘堆積物堆積時)の勝田川の支流(段丘堆積物の分布は河川の氾濫原の広がりを示しますから)を示すのかもしれません。
ただしこれが柏井にまで連続し、現在の柏井の谷津に接続したかとなると、この段丘面は柏井まで伸びてはいませんから、そうは考えられません。
なお、柏井前谷津と後谷津の南流の時期は30m地域の隆起が始まって間も無く(この頃のこの地域はわずかな高低はあったと思いますが、ほとんど平らと見て良いでしょう。)のことと考えています。
おそらくは現在の花見川も、この前後に流れの方向を変えていると思います。千葉第Ⅰ・第Ⅱ段丘の形成はそれよりももっと後のことです。
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私の感触では千葉段丘が南西に出っ張る部分(?部分)が古柏井川の谷底そのもので、その谷の谷壁の残片が西岸に幾つか残っており、さらに、北柏井の集落を乗せる前谷津の河岸段丘、さらに花島の谷津の河岸段丘へ連続すると、捉えて(空想して)います。
大胆すぎる想定ですが、このような想定の下で入手できる情報を組み立てられるか、検討作業しています。
作業がまとまったところから記事にしますので、oryzasan氏からのご指摘、ご批判、ご指導よろしくお願い申し上げます。
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