2014年8月4日月曜日

白井市付近の隆起帯

シリーズ 花見川地峡成立の自然史 -仮説的検討- 
第4部 下総台地形成に遡る その28

1 白井市付近の隆起帯
牧の原オタマジャクシ状凹地の西に細長い隆起帯が連なり、古平戸川の出口を塞いだような配置になっています。
千葉ニュータウン中央駅付近から白井工業団地まで連なっています。

白井市付近の隆起帯

この隆起帯はを仔細に見ても、幾何学的な直線や弧を描くようには見えません。

かってきままにぐにゃぐにゃ分布しています。
このような隆起帯がどのようなものであるのか現在のところ知識を有していないので、これ以上の検討は今後の課題とします。

2 白井工業団地付近の地形の復元
現在の白井工業団地付近の地形段彩図を次に示します。

現在の白井工業団地付近の地形段彩図
工業団地造成のため地形が改変されていますが、これまでその復元をしてきませんでした。そこで、もともとの地形をしるために旧版2万5千分の1地形図「白井」(大正10年測量)を利用してみました。

旧版2万5千分の1地形図「白井」(大正10年測量)

この地形図に17.5m以下、20m~22.5m、22.5m以上の3つのゾーンに地形段彩図から近くの区分の色を拾って(Illustratorのスポイト機能利用)塗色してみました。

白井工業団地開発前の地形
隆起帯が連なっている様子は現在と同じですが、画像中央部付近に鞍部があったことが判りました。
このブログで詳しく検討してきたように、この付近は隆起帯が出来る前には古平戸川が利根川方面に流れ出ていた場所ですから、その流路跡が隆起帯の縦断形に残されていても不思議はありません。

3 隆起帯の現状
隆起帯の現場での状況を写真で示します。

隆起の段差による土地利用上の障害を克服するために、段差を小分けしたり、長い斜面にしたりする工夫が長年にわたって継続してきているので、地形としての隆起帯を観察しづらくなっています。

おそらく、地形に詳しい人を除いて、現場ではほとんどの人が「隆起帯」を知覚(認識)することはないと思います。

農道から左が隆起帯

農道から左が隆起帯

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