印旛の原始・古代-縄文時代編-(財団法人印旛郡市文化財センター、平成16年)にCD-ROMが附録して添付されていて、次の資料がpdfファイルで収録されています。
・印旛郡市縄文時代遺跡台帳
・印旛郡市縄文時代遺跡分布図
・挿図・写真図版出典一覧
1 印旛郡市縄文時代遺跡台帳について
掲載台帳の遺跡数をカウントすると次のようになります。
印旛郡市縄文時代遺跡数
八街市と富里市を除いていずれも「ふさの国ナビゲーション」の遺跡数より増えています。これは最近の新規調査結果を県で集約集計する作業が遅延しているからのようです。
八街市の減少の理由は判りません。
富里市のリストは他市町とは異なり、最初から悉皆データではないようです。旧石器データも同じ理由で「ふさの国ナビゲーション」より遺跡数が減少しているようです。(2014.09.16記事「印旛郡内旧石器時代遺跡分布図を使ったヒートマップ検証」参照)
2 印旛郡市縄文時代遺跡分布図について
草創期、早期、前期、中期、後期、晩期別の6枚の真性(※)縄文時代遺跡分布図が収録されています。
縄文時代後期遺跡分布図
印旛の原始・古代-縄文時代編-(財団法人印旛郡市文化財センター、平成16年)より引用
プロットの記号が小さいので、地図全体を表示するとプロットがほとんど見えなくなります。
そのように精細な情報地図です。
なお、この真性分布図は、調査歴および紹介歴があるものに限定されていて、リスト(台帳)の全てがプロットされているわけではありません。
※ 真性分布図という用語について
このブログでは、アドレスマッチングによりGIS上にプロットした遺跡分布図を擬似遺跡分布図と称し、遺跡所在現場を地図にプロットした遺跡分布図を真性遺跡分布図と称しています。(擬似コレラ、真性コレラというような用語法のアナロジーです。)
3 印旛郡市縄文時代遺跡分布図の活用について
CD-ROMに収録されている縄文時代6時期の遺跡分布図そのもの、あるいはそれに調査歴、紹介歴のないデータを加えた遺跡分布図を並べるだけで、そこから豊かな情報を得ることができます。
さらに、その6枚のプロット図からヒートマップをつくり、比較すると時期別遺跡変遷がよくわかると思います。
印旛郡市という限られた地域ではありますが、6枚のマップが出来ていますので、今後これを活用して遺跡の分析を行い自分の基礎知識を増やしたいと思っています。
また分析方法開発のデータとしても使えると考えます。
参考 ある範囲に限定して作成した真性縄文時代遺跡分布図のアニメーション試作
印旛の原始・古代-縄文時代編-(財団法人印旛郡市文化財センター、平成16年)収録図を引用して作成
● 遺構が検出された遺跡
▲ 遺構は検出されず、遺物のみが検出された遺跡
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