2014年9月20日土曜日

印旛の原始・古代-縄文時代編- を読む

原始・古代関係図書を読む 6

1 印旛の原始・古代-縄文時代編-の紹介
【諸元】
書名:印旛の原始・古代-縄文時代編-
編集・発行:財団法人印旛郡市文化財センター
発行日:平成19年3月30日
体裁:A4判、96頁
附録:CD-ROM 印旛の原始・古代-縄文時代編-

【内容】
財団法人印旛郡市文化財センター設立20周年を節目に、これまでに印旛郡内で蓄積された埋蔵文化財調査・研究の成果を広く一般の方々に還元することを目的とし、各時代別6冊の計画で普及図書を刊行する。縄文時代編はその第2分冊。膨大な縄文遺跡について網羅的に紹介することは困難なため、代表的な遺跡を取り上げる。郷土史を理解する上で役立つことを祈念するとともに、文化財保護思想の涵養に寄与することを願う。(「ごあいさつ」による)

【主要目次】
Ⅰ 草創期
Ⅱ 早期
(4遺跡説明)
Ⅲ 前期
(5遺跡説明)
Ⅳ 中期
(9遺跡説明)
Ⅴ 後・晩期
(8遺跡説明)
Ⅵ 資料集
別添CD-ROM 印旛の原始・古代-縄文時代編-
・印旛郡市縄文時代遺跡台帳
・印旛郡市縄文時代遺跡分布図
・挿図・写真図版出典一覧

印旛の原始・古代-縄文時代編-
縄文時代のデスマスクが表紙を飾っています。(デスマスクは南羽鳥中岫第1遺跡E地点(成田市)出土)

CD-ROM 印旛の原始・古代-縄文時代編-

印旛の原始・古代-縄文時代編-で取り上げられている遺跡

2 感想
昨年夏に印旛郡市文化財センターを訪問して展示物を見学した時に「印旛の原始・古代」の旧石器時代編と一緒にこの縄文時代編も無償で入手することができました。
出土物と出土状況の写真が美しく、ページ毎に考え込んでしまう、読みごたえ、見ごたえのある素晴らしい図書です。入手できたことを感謝します。

遺跡の出土物と出土状況などの発掘に関わる事実の記述が主体であり、その解釈は殆ど書いてありません。
この地域における遺跡の出土物は極めて多様であり、その写真をみて感動するものも少なくありません。

自分の問題意識(東京湾と香取の海の交通)を投影して読もうとしているのですが、折込にある遺跡位置図だけでは他の情報との関連が判らないので、工夫して読んでいます。その様子は次の記事で報告します。

東京湾と香取の海の分水界付近に立地する遺跡については特に興味を持ちました。
貝塚を伴う遺跡も多く、どこで採れた貝であるか詳しく知りたくなりました。
また大きな集落跡の遺跡もあり、それとヒートマップとの関係についても検討したくなります。

この図書に出てくる代表的遺跡の数(26)が手頃なので、それを一つの核としての材料みたいにして、自分なりに時期別、分布地域別(流域別、遺跡密集地域との関係別など)遺跡イメージをつくろうと思っています。

CD-ROMに収録されている印旛郡市縄文時代遺跡台帳と印旛郡市縄文時代遺跡分布図(いずれもPDFファイル)がとても充実している資料であり、その活用方策は別記事で検討します。

0 件のコメント:

コメントを投稿